凄過ぎるぜ!ぱにぽにだっしゅ!第16話
いやもう。昨夜の「ぱにぽにだっしゅ!」は本当に凄かった…。
いつもぎゅうぎゅうに詰まりに詰まったオモチャ箱のような作品ですが、今回はいつも以上のテンポと詰まり具合でした!
今回はシリーズ構成の金巻さん脚本、シリーズディレクターの大沼さん演出だったわけですが。
彼らの実力というものをまざまざと見せつけられましたね。
様々なネタを投入して、もうゴチャゴチャ感満載ながら、ストーリーの情の流れは一貫していて乱れることがない。そんな見せ方などは、相当の実力が無ければできないことだと思います。
今回はとにかく、「ハニー一条のマジックショーです」に泣かされましたね!あれは、本当に上手かったし、「上手い」だけでは言い切れない素晴らしさがありました。
台詞も作画も、音楽も音響も全てにおいて意図を持って作り込み練り上げ、それにより構成されたシーンは美しく切なく。そして何よりも一条さん役の野中藍さんの演技が絶妙でした!本当に素晴らしかった!名演と言っていいものだと思います。
あれだけのシーンを作り、あれだけの演技を引き出した、監督、スタッフ、声優さん達の仕事の素晴らしさに喝采を送りまくりの30分でした!
いやもう。毎週「ぱにぽにだっしゅ!」を見れるということは、本当に幸せなことなんだとまで感じますよ。
いつも思うことなんですが、今回強く思ったのは「これ、どうやって作ってるの?」ということです。
ものを作る時には「意識」、つまり「狙い」を明確に持たなければ作ることができません。
ところが、漫画でもアニメでもある程度のノウハウが蓄積されてくる中で、「なんとなく」で作ることは、やっぱりできるわけですね。これは、どんな仕事でも一緒だとは思うんですが。
アニメーションの場合、最近は本数がやたらと多く、アニメ関係者の多くがその現状に対してネガティブなコメントをしているのを目に、耳にします。
「半分くらいはでっちあげている」「実力が無いのに作画監督になっている」「海外に発注しなければ作れない。そのため技術の伝達ができていない」「本数が多すぎる」「もっとアニメ業界のことを考えないと」などなど。
それは視聴するこっちにも作品から伝わってくるところもあって。見ていて分かる部分でもあります。というか、本当に本数多すぎて見れやしない。限られた時間の中で視聴する立場からすれば、やっぱり半分くらいの本数でいいよな、と思ってしまいます。
特に最近は「制作委員会制度」が主流です。
これは、スポンサー企業の一社辺りの出資額を少なくして、作品がこけてもリスクを少なくするために効果的で、作品にお金を集める上でも確かに有効ではあるかもしれません。でも、「リスクが少ない」もんだから、ちょっとあまりにも気軽に作りすぎてるんじゃねぇの?と、乱発されるアニメ作品を見て疑問に思います。
そこに、「とりあえず、形にしなければ」「なんとか一応見れるものにしておかなければ」という、ネガティブな制作状況が生まれて、「でっちあげる」ような仕事が増えてしまうのだと思うわけです。つまり、「狙い」や「意識」を明確に持ったり育てたり、あるいは持っていたとしても実現していくような状況が、多くの制作現場に無いように思うのです。
そんな中で「ぱにぽにだっしゅ!」の意識の持ち方、狙いの持ち方は異常、異様とさえ言える程ハイレベルです。脚本、絵コンテ、演出、作画、音響、音楽、アフレコ、全ての面でネガティブなものを感じさせず、徹底した意識の高さで作品を提示してくるこの作品は、芸術的な美しさを持っているとさえ思います。
いや。確かにただのギャグアニメって言やーそうなんですけれども。
でも、あの作品はおかしいよ。おかしい。
普通に作っているようなそういうものじゃない。あんな凄いの作ってたら、何人か死ぬんじゃねぇの?っていう感じ。
16話見て思ったもん。「これ、四辻で悪魔に魂売ったヤツが10人くらいいるんじゃねぇの?」って。そういう感じなんですよ。
まともな神経で作っているんじゃなくって、アニメを作ることにおいて、命とか魂とかを掛けちゃっている、そういうレベルの意識の高さを感じるんです。
それは、エンターテインメント作品としてこちらを楽しませてくれるものなわけですが、それでも、ある種の凄みを感じさせてくる中で「こりゃ、アートだよ…」と思ってしまうのです。
その「意識の高さ」が、どうやって練り上げられているのか。そもそもどういう意識を持って作っているのか。知りたくなります。
作品から感じる参加スタッフ達の「こういうことをやりたかった!」という溢れんばかりのポジティブな意識はどこから来るのか?誰がどのようにマネージしているのか?
この作品をエンターテインメントの学習機会にしようと思って、こうして感想を書いているのですが…どうにもまとまりません。
うーん。でも、作品の中にヒントはあるはず!!
週間アニメである以上、品質管理のロジックは明確にあるはずだし…。あ!!そうそう!それだ!
この作品の凄まじいところは、あれだけ詰めこんだ不条理満載のギャグアニメなんだけど、徹底してロジカルに作られているように感じる点なんではないでしょうか!!
だからそこには絶対に「なんとなく」で作るようなことはなく、明確な意識狙いを感じるんです。
「ぱにぽにだっしゅ!」を作るロジック…。
メソウサじゃないけど…「僕には分かりません…」
と言いつつも、素晴らしい仕事には必ず何らかの道理があるんだな、ということが、まずは勉強になりました!
来週も楽しみです!!
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