演技論番外編・訓練1
(メモ)
漫画のキャラクターに「演技をさせる」という技術があると考えたわけですが。それが役者さんなんかが演技をすることと似たようなものだと考えた場合。役者さんがするように、漫画でも演技の訓練があるのではないか。と思います。
デッサン練習が役者さんの体力作りに対応するとして。演技の練習の初歩として「表情をつける」というのがあるのでは、と考えました。
で。「表情をストレッチする」という感じで、絵を徐々に崩していく形でトレーニングしてみました。
漫画は役者さんがする演技とは違って「漫画的誇張」が使えます。
それは、絵を崩すことで正確な表現を捻じ曲げ、それによって「伝えたい情報を伝える」技術ですね。
「崩す」ということには限界がありません。
「よし。じゃあ絵を崩すか」と思ったところで、訓練しないとなかなか思った通りに崩すことは、できないのではないだろうか、と思うわけです。
絵の基礎訓練、模写とかデッサンとかは、絵を練り上げ、正確に表現するための技量を向上させるものですが、その逆をやろうっていうことですね。
で。その訓練をとりあえずちょっとやってみたのが↑の練習です。
表情の訓練ということで、「喜怒哀楽」をまずは基本として考えて、その最初「喜」をまずは、と。
右上のが標準①。その下がちょっと表情をつけた状態②。
標準の左がさらに表情を誇張した状態③。その下が漫画的に崩してみた状態④。
一番左のが更に崩してみた状態⑤。
僕が実際に漫画の中で使うとしたら、③までくらいなのですが、⑤まで崩せるという技術を持って③を使うのと、③までしか使えないで③を使うのとでは、表現の余裕が違うかな、と実際にこの訓練をしてみて思いました。
それは「③の表情でどういう演技をさせるのか」を考える余裕が生まれる、ということかなぁ。と。
今まで、模写などの訓練はしてきても、実際こういう「崩す訓練」はしたことがないので、どういう効果があるかは、正直未知数です。
自分をモルモットに続けていってみるしかないですね。
でも。実際やってみると面白いですよ。
「崩すぜ!」と思って描いてみても、⑤が僕にとっては現時点では限界で。「あ~…これくらいまでしか崩せないかぁ…」とも思いました。崩すことに限界が無いならば、「喜んでいる表情」の誇張表現はもっともっとできるはず。もっと崩すことができれば、大きな演技をさせることがもっとできるのではないか、と思います。
この「崩す」ということは、表情だけでなく、体型、動きなどにも言えることなので、どんどん訓練していって「演技のできるキャラクター」を練り上げていけたらいいなぁと思います。
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