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2005年12月18日 (日)

蟲師第9話「重い実」感想

「それはおそらく蟲の仕業だ」
 最近、これが口癖です。
 いやぁ。今回は泣きました!

 感想書きたいなぁと思いつつ、時間が無くなかなか書けなかったのですが、前回辺りからちょっと我慢ができなくなってしまって。もう、短くてもいいから書こう!と思い立った次第でげす。
 それにしても。前回はすげかったですね。
 いつも作画は動きもレイアウトも絵そのものも素晴らしいのですが、前回はいつにも増してすげかった。
 エンドロール見たら、馬越さんが作画監督に入っていたし(連名で)、そもそも絵コンテが平松禎史さんだったし、作画監督補佐にその平松さんも入っていれば、坂井久太氏も入っていたり!どうりで女性が可愛かったわけだ!!

 さて、そうやって火が付いてしまったので、今回から感想を書いていこうと思います。

 毎回、登場人物は情の明確な動きを見せてくれていて、見ていてダイレクトにこちらの心に働きかけてくる、そんなお話が多いですよね。だから、毎回毎回心に何かしら残る感じがあってとても楽しんでいます。
 そして今回。
 今回はいつもよりもはっきりと登場人物の心の動きを表現していたように思います。
 祭主の男が妻に差し出された米を泣きながら食うところといい。
 倒れた祭主の手を取りサネが泣くところといい。

 僕は、登場人物が「泣く」という場面はとても好きです。
 感情表現としてものすごく直接的なわけですが、それぐらい直接的な方がこっちに届きやすいということなんでしょうね。
 しかも、その泣くところが、「これは泣くよな…」というものであれば、もう見ているこっちだって泣いてしまいますよ。

 妻を犠牲にしてしまった祭主は、サネの母を守って、最後に自分が犠牲になろうとして。
 自分が最後になるということでサネをも守ろうとする。
 男ですよ!
 格好いいですよ!!

 今回、非常に「男臭い話」だったと僕は思っています。
 妻の命によって救われた土地を守り続けてきた男のその気持ちに、ものすごく感情移入してしまいました。
 しかも、見ていると彼は妻云々のことも含んではいるんだろうけど、先祖代々開墾してきた土地を「自分の国」として必死に守ろうとしていて。それはまさに「命掛け」なわけですよね。まったく私心なんか無いし。妻が眠る土地、国をひたすら無心に愛している姿に見えました。だから、土地の者も愛するし、サネの未来も愛する。
 その姿は、まさに「男」のあるべき姿ですよ!
 男として、ああいうのは憧れてしまいます。理想の生き方の一つと言えますよね。
 男っていうのは、どこか個人としてっていうよりも、組織とか一族とか、地域とか国とか、そういうものを守ろうとする無意識の意識みたいなものを持っているんですよね。僕にも少なからずありますし、男はみんなそういったものを持っていると思うんですよね。

 だから、ラストにものすごく感動したんです。

 不老不死になった男は、諸国を巡り、新しい農法を習得しては故郷に戻りその農法を伝授していく。
 そして、故郷の痩せた土地は豊かな実りを確実なものとしていく。
 男は、ずっと、国を守り続けていくわけですね。
 それは同時に、妻をずっと愛し続けることでもある。

 でも。これは単純なハッピーエンドと見ることはできなくって。
 そこがこの作品のいいところですよね。
 妻を犠牲にしてしまった男が不老不死になり、土地を守り続けていくことは、見方によってとてつもない悲劇です。罪の意識や、米を差し出した妻の笑顔はいつまでも消えないでしょうし。
 でも、土地の者は確かに幸せになっていく。
 だから、バッドエンドと見ることもできない。

 つまり、見る者によって物語のラストの受け取り方は違ってくるのだろうと思うのです。
 それは、基本的に毎回そうですよね。
 「ハッピーエンドとも見れるし、バッドエンドとも見れる」
 毎回、そんな終わり方をします。
 というか、そもそも「これで終わりではない」という見せ方だともいえますよね。
 ギンコの視点で見た時に、その回の登場人物達の物語は終わるんだけれども、その彼らの時間はそこで終わるわけではない。(終わっちゃった人もいたけれども)
 その余韻の残し方がとても粋で大好きです。

 勿論ビシッ!とハッピーなりバッドなりの終わり方を見せてくれる物語も大好きですが、蟲師はこれだろう、と思います。そういうラストを見せていくことに意義を持った作品なのだと思うのです。
 蟲師であるギンコは、蟲によって困った人を助けたりしますが、そこから先を生きるのは、その人の力によってくる。視聴する僕らは、蟲によって苦しめられている側の視点に立つことになり、主人公のギンコはあくまでも傍観者です。
 傍観者に手助けされることはあっても、自分の人生を生き、切り開くのは自分自身なんだということを訴えているそんな作品なのかもしれません。
 柔らかに、静かに、そして実は溢れる程の情熱を込めて。

 この作品は、とても熱いものだと感じます。
 物語は、時代の空気を無視して生まれるものではありません。
 でも、そこに製作者のエゴがあると、時代性というものは消えてただ消費されるだけの商品となってしまいます。

 この作品はそういったものではなく、明確な意図、メッセージ、この作品を作ることの意義を認識しながら作られているのだと思うんですね。

 この作品は、作品自体が作品を作らせている。

 そんな必然性を感じさせてくれます。
 毎週土曜深夜にこの作品を見ることは、なかなかに有意義なことだと思います。

 そんなわけで、来週も楽しみです!!

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» (アニメ感想) 蟲師 第9話 「重い実」 [ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人]
蟲師も9話まで来ましたか。一話一話の中身が濃いのですでに蟲師ワールドにどっぷり漬かってしまってますが、これからまだまだ楽しめそうですね。そして、今回も楽しみです。 [続きを読む]

受信: 2005年12月23日 (金) 06:25

» 蟲師9話 [ふづくえ]
「重い実」 大地に根をおろして生きていく人の話。…といったら語弊があるでしょうが(苦笑) 農作物とか大地とか日本の生活スタイルとか 見てていろんな事を再認識、考えさせられる話でした…。タイトル通り重い。 あの、奥さんが「あんたの命になると考えたら死ぬのは怖くない」と言いながら 差し出された白米の、白さ!つややかさ! ひと粒ひと粒立って輝いてるご飯の美しさに、気付いたら涙が出ていました。 直後に「身体は貪欲に吸収した」とご飯にかぶりつく絵がまた こう、自分の口内に炊きたての... [続きを読む]

受信: 2005年12月24日 (土) 20:59

» レビュー・評価:蟲師/第9話「重い実」(おもいみ) [ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン]
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受信: 2007年9月 2日 (日) 14:18

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