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2005年12月 1日 (木)

星が輝くことに優劣はない「ARIA」第9話

 今回はまた非常に明確なメッセージを見せてくれましたね。
 相変わらずのレイアウトの切れ味といい、楽しく気持ち良く視聴しました。

・「癒し」の時代性

 「癒し」ということを掲げている作品なわけですが、そのことを意識して作っているんだなぁということが改めて分かる回でした。
 それはつまり、「傷ついていること」に対する「癒し」ということで、「傷」ということを意識して作っているんだな、と感じました。それは考えてみれば当然のことで、傷が無ければ癒す意味がありませんものね。
 「そうか!癒しっていうのはそういうものか!」と改めて感じることができて、見ていて正直驚きました。

 グランマが「楽しめばいい」と言ったことに対して、藍華が即「でも、苦しい時や哀しい時はどうすれば」と聞くところにそういった意識を感じ、すごく感心したんです。
 藍華が悩みを持っていて、それを解決したいと願ってもがいているということが、ちゃんと伝わってくる台詞でした。
 それに対するグランマの「自分の中で変えてしまえばいい」という答えは、カットの流れも演技も、見ているこちらに直接語りかけてくるようで、聞いているとその優しい台詞に自然と涙が浮かびました。
 その演技の素晴らしさは、佐藤順一監督自らが音響監督を務めていることとも関係しているのでしょうね。

 このシーンを見て、「ああそうか。やっぱり『癒し』というのは伊達じゃないんだ。意識して作っているんだなぁ」と思ったのですが、それは、時代性というものをちゃんと考えているということですね。
 グランマが暮らす環境の中で、灯里達が栗拾いや芋掘りをしているシーンを見て、同じことをしていた自分の子供の頃の環境をダイレクトに思い出しました。日に日に裏山が削られ開発され、木や土、山が姿を消していった日々。
 その上で今のこの環境、時代を生きている僕は、心のどこかに知らないうちに傷を受けていたのだということに、見ていて気づかされました。

 藍華の悩みは個人的なものだけど、その個人的な悩みを描きつつも、僕ら視聴者に向けて意識的に組み立てた話であったように思います。
 藍華の悩みもそうでしょうけれども、「ARIA」を視聴している僕ら一人一人が抱える悩みや苦しみもまた、環境や時代を度外視して出てくるものでは、ないと思うんです。

 戦争やテロ。生活を脅かす社会的犯罪。小さい命を奪う卑劣な凶行。

 「ARIA」を視聴している僕らは、そういったニュースが毎日毎日、目に耳に触れてくる社会状況の中で生きていて。その上で個人個人が体験を重ねていき、それぞれの人がそれぞれの立場でどこか報われない虚しい思いをして傷ついていくということが、やはりあるんだと思います。

 そんな傷があるから、癒しが必要になるわけですね。

 「癒し」を掲げるためには、「何を」「何から」癒すのか、の目的意識が必要だと思いますが、「ARIA」にはそれがあるんだな、と感じます。その目的意識を持って「この時代にこの作品を作ること」にちゃんと意味や意義を見出して作っていることに、本当に感心させられます。

・星は既に輝いている

 グランマの「自分の中で変えてしまえばいい」ということは、これは簡単なことではなく、自分の心に向き合っていく、ということになっていくのだと思います。
 あの一連の台詞が、僕ら視聴者に意図的に向けられたものだとするならば、その「自分の中で変えていく」ことの意味は、視聴者一人一人がそれぞれの答えを出していくべきことなのかもしれませんよね。

 それを感じ取っていくヒントは、今回一貫して描写されていた「星」ということになるのかな、と思います。

 サブタイトルがまず「その 星のような妖精は…」で、オープニングはいつもと違い2番をピックアップ。サビの前で「見上げれば 響き出す 星たちの歌が」と歌い、アリシアは夜8時からの予約があることから、星空の下でもウンディーネは仕事をすることが示され。…以下列挙すると、
 田舎に浮かぶ満天の夜の星空を見上げるヒロイン達。
 アリシアを「アクアのウンディーネの一番の星」と表現する藍華。
 「頑張っている自分を素直に誉めてあげて、全てのものを楽しむことができれば、ウンディーネの一番の星になることも夢じゃない。とっても簡単なこと」と言うグランマ。
 「アクアで一番の星になる」と流れ星に願うヒロイン達。
 だけど、願うことが一度も成功しなくって。
 そして、アイちゃんのメール。「灯里さんも素敵だよ」「灯里さんの笑顔は夜空に輝く星に負けないくらい、キラキラ輝いていたから」という言葉。
 満天の星空に輝く三つの流れ星…。

 ヒロイン3人は、一番の星になりたいと願うわけですが、それが一度も成功しないシーンと、キラキラ輝く満天の星空が象徴的なわけですね。
 一番の星になりたいということを目標にし願っていくことはいいんだけど、そんな風に思った通りにはなっていかない。
 誰かと比較したり、優劣をつけたりすることには「楽しむこと」の本質は無く、それぞれの星が、それぞれの輝きを手に入れていくことが大事。
 それが、グランマが言っている「一番の星」の意味で。自分にとって自分自身が一番の星になっていく、ということですね。それこそが、「とっても簡単なことなのに、忘れている」ということなんだな、と思います。
 ヒロイン3人は、そこにはまだまだ気づけていないわけですね。

 でも。最後に、アイちゃんは「灯里さんはもう輝いているよ」と言ってくれます。

 星の輝きには、確かに優劣があるかもしれないけど。
 星が輝くことには、優劣なんか無いわけですね。
 やはり、最後のアイちゃんの台詞も視聴者に向けられたものといっていいのでしょうね。

 そのメッセージは、とても優しく、本当に素敵なものだと感じます。

 改めて今の自分を見た時に、自分なりに輝けているのかどうか、考えさせられます。
 確かに、どこか力んでいるところはあるかもしれません。
 自分自身が、自分にとっての一番の星になれるように、自分をもっと誉めてあげつつ頑張りたいですね!

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