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2006年1月14日 (土)

冬コミの感想

haruka03line
←ホームページのトップにしようと思って描いたはるかちゃん。これから色を塗ります。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 だいぶ時間が経ちましたが、年末に参加してきた冬コミの感想を書きますですよ。

 とにかく、作業で徹夜して行ったものだから「倒れるかもしれない…」という不安を抱えながらの参加でした。途中で帰ることも考えておいた方がいいのかなと思いつつも、けっこう問題なく。
 到着して準備して。朝ご飯食べて。
 で、開催開始の10時を無事に迎えました!

 おつり計算ミスをすることも無かったし、眠気で対応が変になってしまうことも無かったように思います。

 でも…。やっぱり新刊の数が少な過ぎましたね…。
 開始して1時間ちょっと経つと完売してしまいました…。
 やっぱり、せっかく頑張って描いた新刊でしたから、できるだけ多くの人にお届けしたかったです。
 もっとちゃんと準備できていれば、と悔やまれます。

 バックナンバーも持ち込み数は少なかったのですが、ほぼ完売して。新しく読んでくれる人が増えているんだと思って嬉しかったです。
 自分の漫画が求められて、楽しんでもらえて。直接買ってもらえる。これはやっぱり最高ですね!もっと描こう、もっと読んでもらおう、もっと充実した販売体制を整えよう、という気持ちにさせられます。
 だから、やっぱりイベントはいいなぁ、同人誌即売会はいいなぁと改めて思いましたね。

 この冬コミでそう感じたことと同時に、最近感じていることがあって。
 子供の頃から商業漫画家になりたくって、目指してきて。高校生くらいの頃から投稿や持ち込みを始めて、大学生の時にデビューして。仕事したり雑誌なくなったり評価されたりされなかったり。
 で、今は今で自分の持ち味を認識してネーム描きをメインに裏方に回る仕事をコツコツ続けて。
 そんな中でも「こういうのを描きたいな」「この話を読んで欲しいな」と思うものはいくつもあって。
 ここ何年か、何度も持ち込みや投稿用に原稿を描いていました。
 でも、なかなか完成させることができなくて。
 未完成の原稿だけがどんどん増えていく中で、絵に満足できなくってまた描き直したり。
 その時に、満足のいかない原稿を見て思ったことが象徴的でした。

「あー…これ、持ち込みや投稿には使えるかもしれないけど、同人誌としては売れないな」

 と、思ったんですよ。
 商業漫画と同人誌だと求められる部分が違ったりもするから、そういうニュアンスの思考だとも言えるんですけれども。でも、この時に僕が思ったことの本質は、そういう商業と同人の違いがどうこうっていうこととは違っていて。
 もっとストレートに、「出版社に買ってもらえるんだったら金になるからありがたいよな。だけど、読者の人に直接お金を出してもらうものとしてはどうなんだろう」と思ったんですよ。
 こう思ったことに対して僕はショックを受けました。
 「えー?なんだよその考え方!?」って、びっくりしましたよ。自分の思考ながら。
 でも、「そうなんだな」と納得するところもあって。
 ぶっちゃけた話。
 編集者に向けた漫画の描き方、というのはあります。
 それが読者に向けた漫画と一致するかどうかは編集部によるんだと思いますが。ある程度でかい出版社に持って行こうと思うと、やはりどうしても「編集者に向けた漫画」というのを意識してしまうところはあります。

 こういう思考に気づいた最近、漫画雑誌なんかの「~~漫画賞募集。大賞賞金○○万円」とかっていう記事を見ても、なんだかものすごく違和感を感じるようになっていたりしていました。
 若い頃はそういうのに夢中になって投稿したり持ち込んだりして、もらえる金額で自分の評価を感じ取ったりしていたけど。今は自分のこととして考えるとものすごく違和感があるんですね。そこを目指して、才能を発揮する人もいるだろうから、そういう賞金ものを否定するわけではなく、自分にとってはっていうことで。

 今の僕には、出版社からの賞金何十万とかよりも、読者の方から頂く数百円の方がすごくしっくりくるんだと思います。

 そのことがすごく感じられた今回の冬コミでした。
 このことに気づいたことで、漫画の仕事をしていく上での大事なことに気づくことができたように思います。
 出版社から普段頂く原稿料に関しても、その先には数百円を支払ってくださっている読者の方がいる。そこをきちんと意識して仕事をすることが大事。ということになると思うんですね。
 だから、普段の商業誌の仕事でも、いかにして読者の方を意識していくか、読者の方に触れていくか、が重要なテーマになってきますね。そこは、今年の仕事では是非頑張っていきたいところです。

 前述の「投稿や持ち込みとしてはいいけど同人誌としては~」と思った原稿に関しても、キャラクターデザインから練り直してもう一回描いてみようと準備しています。
 今度は、「読者の方に楽しんでもらえるもので、かつ出版社に買ってもらえるもの」を目指して描きたいと思います。同人誌としてもどんどん出していこうと思っていますので沢山の人に読んでもらえうよう頑張りますね。

 そういった、漫画を描いていく姿勢について再認識した冬コミですが。
 寝不足ながらも閉会時間までいられました。途中、思い切り眠ってしまいましたが…。
 帰りもどこかでぶっ倒れることなく、ちゃんと帰れたし。
 やっぱり、体を歪ませないでいると、どんなに疲れていてもそれなりに力が湧くし、活動を持続させることができるんですね。僕は徹夜はできないタイプだと思っていたんですが、それは体の歪みから疲労してしまい動けなくなっていたということなのかもしれませんね。

 話はいろいろ前後しますが。
 「7days fuzz」のバックナンバーでtrack6の前編が一番冊数が多くって、最後まで残っていたんですけど。
 僕、この回は中学生の香織を可愛く描けたと思っていたし、SM表現としてもシリーズの中で一番おとなしめだと思ってて。だからシリーズの入り口としてはけっこういいんじゃないかと思っていたんですけど。売り子を手伝ってくれた香川さんから「いや。そんなことない。この話はけっこう踏絵だよ」と言われてしまいました。
 「あれぇ?そうかなぁ」と思って見直してみると。香織がぼこぼこに殴られて鼻血吹いてたりして。
 「あ。確かにそうかも」と思ってしまったり。どうして「可愛くてSM描写がおとなしい」なんて思ったんだろう…。
 自分が描くものは客観的には見れないものですね。
 そういったこともあって、分かりやすいSMものも描いてみたいなぁと思ったりもしました。

 それにしても。
 世間で「萌え」がどうのと騒がれ始めてるけど。なんというか、参加者はただ単に素直に楽しんでいるだけだと思うんだよね。娯楽っていうのは基本的に萌えってことなんじゃないのかなぁって思うけど。
 んー。
 なんかさ。売り子さんとかなんだろうけど、メイドコスプレの女の子とかけっこう見たんだけど、正直「ん?」と思う感じもあった。俺は、ね。
 ちょっと振り回されてねぇか?みたいに思ったかなぁ。
 単純に、見て「つまんねぇ」って思う感じがあってさ。
 うーん…。
 単純に、メイドの格好って実際は地味だっていうのもあるのかもしれないかなぁ。
 でかい開場で黒メインだと地味に見えるのかな。いっそ「蛍光ピンクのメイド服」くらいやってもいいんじゃねぇかなぁ。
 「これを着たい」というのと「見られたい」というのとだと、表現していくものは違っていくんだと思うけど、なんかゴロゴロいるメイドコスプレに対してはどっちつかずの半端な印象が強くって。

 なんかちょっと「萌え」に関してはまとまりそうがないので、そのうちまた思うことがあったら書きますですよ。

 年末年始の忙しさと疲労でちょっと文章を書く気力とかが湧かなかったんだけど、やっとこ書けそうな感じになってきましたね。
 ぼちぼちいろいろ書いていきますね。
 ではでは。

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コメント

おつかれさまでした
得るものがあって何より
また今度♪

投稿: 徳 | 2006年1月15日 (日) 00:20

おー。徳ちゃん書き込みありがとう!!
久しぶりだったもんで書き込み見てすぐ電話しちゃったっすよ。
徳ちゃんも前日から撤収までお疲れ様でした。
おかげさまで楽しいイベントでした。

是非「萌え」「コスプレ」について忌憚の無いところを書き込んで下されよ♪
今度一緒に葉巻吹かしましょー。

投稿: だんち | 2006年1月15日 (日) 16:05

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