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2006年4月 5日 (水)

「涼宮ハルヒの憂鬱」第1話を見た。

 TVKにて「涼宮ハルヒの憂鬱」第1話を(…あれ、第1話でいいんですよね?)見ました。
 原作は未読ですが、京都アニメーションの制作であることと、いとうのいぢさんの元々の絵が好きなこととで見るのを楽しみにしていました。
 そんなわけで感想ですが。まぁしかし、なんと言っても度肝を抜かれましたね!もうその一言に尽きるかもしれません。

 最初にOPが始まった時に「ん?これCMかな?」と思ったら、もう本編そのもので。「え?え?」と思っていたんだけども、「あ。これは登場人物が作った自主制作映画ってことか」と気付き、「なるほど」と思いながら見ていました。
 とはいえ。最後まであれでいくとは思ってもいませんでしたが。
 いやすげぇ。
 もう可笑しくて可笑しくて。
 あの感じ、ものすごく覚えがあります。
 手元にあるもので、皆で何かを作り上げようとするあの感じ。
 作り上げられたものが脈絡なく、唐突に流れるわけですが、その「フィルム」そのものに、作っている過程がちゃんと見えていてすごく面白かった。
 見ていると高校生ぐらいの頃を思い出してしまいます。
 ああいうことしたなぁ。オープンリールでラジオドラマ録音したなぁ。オリジナル曲作って皆で録音したりしたなぁ。って。
 青春そのものの形ですよね。
 本人達は一生懸命だったりするんだけど、見ているとやっぱり可笑しくって。でも、その一生懸命な感じ、この場合は「映画を作ろう」としている感じが伝わってきてすごく感情移入しちゃって。
 とても面白かったです。

 でも、思うんですよ。
 来週から本格的な「第1話」ってな感じになるんだろうけど、このシリーズ構成は罠っつぅか仕掛けなんだろうなぁって。
 何せ、「フィルム」っていうのがたまりません。…フィルムじゃなくってデジタルかな?確認せねば。まぁデジタルだったとしても、「映像」という意味での「フィルム」ということで。見ていると「ファイル」っていう感じじゃなくって「フィルム」でしたよね。
 形に残った彼らのあの姿というものが、最終回まで見た時に、ものすごく意味を持つものになるんではないだろうか、とちょっと思うんですよ。
 原作未読だし、どんな話なのかの事前情報も一切仕入れていないので、あてずっぽうっちゃぁあてずっぽうなんですけれども。
 でも、最終回まで見て、改めてこの第1話を見ると、もしかするとこの回は涙無くしてはとても見れないような、そういう切ないものになっていたりするのではないか、と思うんですね。
 ああいうバカみたいなことを一生懸命やった記録というものは、青春そのものだから。
 青春期に、大きな変化は内面だったり関係だったり、いろいろあるだろうけど。でも、そういった変化の最初に、変化する前の記録がある。
 それは、シリーズ構成としてものすごく面白い仕掛けなのではないか、と思うんですね。

 まぁ、それは見続けていかないと分からないわけですが。
 気持ちのいい罠に掛けてくれそうな、そんな予感がしますので。今後も楽しみに見ていきたいと思います。

 あと、感じたことを数点まとめて。

 やっぱり絵すごいですね京アニ。日常芝居の細かさは本当に「アニメバカ」なんだなぁって感心してしまいます。
 いとうのいぢさんの特徴的な絵のニュアンスをどう出すのかを注目していましたが、動かしやすいようにリデザインしていましたね。でも、のいぢさんの色使いを再現しようと色付けして、そこでのいぢさんの絵の躍動感のあるニュアンスを活かしていたように思います。かなり色使いには気を使っているのではないでしょうか。
 また鶴岡陽太音響監督の本領発揮という感じの「日常音響」でしたね。「自主制作映画」という映像だったからBGMはほぼ無く、バックグラウンドノイズの見せ場山盛りだったと思います。
 動きと音が志向しているのは「実写映画」的なニュアンスだと感じます。
 でも、そこに漫画的な可愛らしい絵柄で、その魅力を損なわないように表現していく。だから「実写」とは決定的に違うものを作り上げようという主張が見えるように思います。
 それは「絵」に徹底して命を吹き込むことかと思います。
 「生きた人間を作り出す」ことを目指しているのだとすれば、そりゃ、とことん本気になってやらなければできないことでしょうし、大変なことでしょう。
 でも、やり甲斐あるでしょうね。
 EDのダンスとか、すっげぇ良かった。彼女達が本当に踊っているように見えて。
 「生きた人間」を作るためには当然「環境」としての背景も重要で。そこでも色使い含めてとても丁寧に描かれていたように思います。
 その目的があるからこそ、アフレコ時に「完璧に絵が入っている」状態にまでするのでしょうね。
 作っているのは「フィルム」ではなく「人間」だから。動く「人間」に合わせて声を吹き込んでもらう必要がある、というそういうことなのかもしれません。
 その目的が達成されるかどうかも、この作品の一つの見所かもしれません。

 そういったこともあるからか、ともかく僕は作品の中の彼女達がとても好きになりました。
 毎週、彼女達に「会える」ことがとても楽しみです!

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