「涼宮ハルヒの憂鬱」第4話を見た。
TVKにて「涼宮ハルヒの憂鬱」第4話を見ました。超監督言うところの「第7話」ということですが。いや爆笑しました。あの、「ニセタッチ」曲に。
「うわっ!ここまでやるか!!」と。やはりBGM素晴らしい。
前回から今回までの間に何があったのかは、まぁいつか教えてもらえるんでしょうけども。ともかくそういう何やら怪しげな事態は置いておいて、今回はほのかに生まれかけているらしいあまずっぱぁい恋愛青春模様こそがお楽しみってわけですね。
このシリーズ構成は、僕はすごくいいと思います。
傍若無人なハルヒが、キョンに対して心を開いているところをこれくらいのタイミングで示してもらえると、ハルヒの女の子らしさ、可愛らしさを速やかに知ることができて、ハルヒを「好きな女の子」として見ることができるように思います。
みくるちゃんや有希がまたえらく可愛いからねー。
目移りする前に、ハルヒを「可愛い子なんだよ」と見せてくれるのはすごくいいと思うんですね。
その意味で。絵コンテ&演出の吉岡忍さんの名前をエンドロールで発見した時は、「やっぱりこういうスタッフ配置をするんだな」と改めて思いました。
彼女の名前は「フルメタル・パニックTSR」で初めて知ったのですが、シリーズの中で際立って女性心理が目立つ回を担当していたように記憶しています。
今回、ハルヒがキョンに対して何らかの想いを寄せていることが描写されるわけですが、それを飽くまでも「キョン視点から動かさない」という限定された条件の中で達成する上で、吉岡さんの演出力が不可欠だったのかもしれません。
それに、野球というスポーツをする回だったにも関わらず、作画監督が二人とも女性だったことも、ハルヒの可愛らしさを見せるためだったのではないか、と思えます。
そんなわけで、今回のハルヒもたまらなく可愛かった!
キョンに諭されて棄権することを納得するところの一連の表情なんてもう…。思わず変な色がついた吐息を漏らしそうになります。
いやでも。あの場面のハルヒって、完全にキョンの視点なんですよね。
あそこでは、二人だけで会話をしていて。で、キョンがすぐ横に座っているハルヒを見ている。そのハルヒの表情は、つまりキョンが見ているもので、そこにはキョンの心の内も含んだところのハルヒの姿なのだと思います。
相変わらず、あの野郎はナレーションでも会話でも、ハルヒに対する気持ちをネガティブにしか表現しないのですが、あの視点でのハルヒの表情を見ているキョンが、どんな想いであるのかは、語られずとも伝わってくるように思います。
とてもいいシーンでした。
「説明しない」「語らない」ことで情報を制限し、それにより「感じさせる」手法は、徹底して「生きた人間」を作り出そうとする目標を達成するためだと感じます。
だからこそ、アニメーション的定番手法をことごとく避け、実写映画的な手法を多用しているのだと思います。
アニメーションには相当に不向きな「長回し」とか。アニメとしては異常な秒数のワンカットを要所要所で使うのは、かなり実写的ですよね。
それに、今回やっと気付きましたが、背景は写真を取り込んで処理しているんですね。
全ての背景がそうなのかどうかは分かりませんが、この作品の徹底ぶりからしたら、相当なところまで写真を使っているでしょうね。
どういう手順なんだろう?想像してみると。絵コンテUP→原画レイアウトUP→背景ロケ撮影…。あ、そうか。通常なら「描く」べきところを「撮影」に行く行程なのかな。もしくは写真を使っているのは遠景だけなのか?後でまた見てみようっと。
そういった実写的な背景に合わせてキャラクターを動かすには、相当の描写力が必要だと思います。
デッサン力もそうだし、動きの表現もそうだし。絵の基礎力の高さ、動きに対する再現力の高さには毎回毎回心底驚かされます。
でも、一番感心するのは、「リアルを志向していることに溺れていない」ことです。
リアリティを志向することで「どうだここまでやってすごいだろう」と見せてくるものだったら、それは「へー。すごいね」で終わってしまうと思うんだけど、この作品はあそこまで徹底して動かしながらも、キャラクターをちゃんと可愛く描いているんですよね。
だからただ単に「生きた人間」を作り出そうとしているのではなく、「可愛いこの子達を本当に生きているように見せたい」という目的を持っているのだと思います。
特にこの作品では、その絶妙のバランスによって、現実に生きている人間に対して抱く恋心などを瑞々しく喚起させてくれます。それは、作品を見ている自分が生きた人間であることを感じさせてくれる、ということかもしれません。
アニメーションは、絵が動く「夢の世界」で。
30分なら30分の間だけ見られる夢なんだけど。
だからこそ、その夢の時間を徹底して気持ち良く与えてくれることが、とても嬉しいです。
前回注目したBGMですが、今回スタートはメロディのあるポップ曲でしたね。平和な状態だとメロディのあるポップな曲が流れるようですね。だけど、ハルヒがひとたび何かを始めると、とたんにリフ中心のセッション調ファンク曲が流れるようになる。
今回、野球が終わって、それにより平和が戻ってまたメロディのあるポップな曲が流れて、それで終わるような雰囲気になるんだけど。そこにハルヒがまたやってきて、最後はセッション曲で終わっていくところが、「ああ。これがハルヒなんだな」と思えて、可愛いらしくて良かったですね。
でも、ああやって見ていると、ハルヒはキョンと何かがしたくってあれこれ持ってくるように見えますよね。
セッションって、一人じゃできないから。
二人以上で音を出し合って、心の中のリズムや音色を混ぜ合わせていって、一つの世界を作り出していく。しかも、リズム感なんかが合わないと、セッションが成り立たなかったりするし。
ハルヒはキョンとならセッションできるって感じているのかもしれないですね。彼女の場合、音楽ではなくって「心」のセッションってことになるんでしょうけども。
なんか。
ちょっとエッチだよね。
まぁ、その辺りも青春の瑞々しさっていうやつですね。
セッション曲をいつもバックに背負っているハルヒを、一人では絶対に成り立たないものを持っている少女として見るならば。彼女はとても寂しいものを持っている子だと見ることもできるのかもしれません。
その寂しさを埋められるのが、キョンということでしょうか。
キョンはなかなか自分の気持ちを語らないでしょうけども、でも、ハルヒと心のセッションをしていくんでしょうね。そこで彼も、見失っていた何かを見つけることができるのかもしれませんね。
ハルヒとキョンの青春の心のセッションがどうなっていくのか。とても楽しみです。
…身体のセッションも。
できることなら、頑張れ!キョン!!
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コメント
あう~、すいません、てりぃです。間違えて先週分の記事のTBも送ってしまいました。申し訳ありません。邪魔なようでしたら削除して下さいませ。
「ハルヒのかわいさ」については全面的に賛同です。つーか、自分の記事でもそれ書こうと思ってたのに思いっきり忘れてましたよ…。やっぱ、余裕がないとダメですね。次は頑張りますよー!
投稿: てりぃ | 2006年4月25日 (火) 19:35
先週の記事のTBの件了解です。
でも全然邪魔じゃないし、関連記事でもありますから、このままということで☆
ハルヒ可愛いですよねぇ。
てりぃさんも変な色がついた吐息を漏らしましたか?
なんだかハルヒの汗の匂いとかまでしそうなくらい、存在感のある可愛さでしたよね。
脇の下とか腿の内側とか(以下自粛)
>余裕がないと
最近、お忙しいようですよね。
そんな中でもあれだけのテンションの記事を書かれていること、素晴らしいと思います。
今回も早朝に更新されていましたもんね。「おお!すげぇ!」と思いながらTBさせていただきました。
次の記事もまた楽しみにしていますね!
投稿: だんち | 2006年4月26日 (水) 11:32
こんにちは!
TBありがとうございました!お返しをさせいただいた際、間違って別の作品のものを付けてしまいました。
本当に申し訳ありません。
お手数でございますが、Fateの方のTBは削除しちゃって下さいませ。
ハルヒは確かに、一般的なヒロインが持つ人間らしさや優しさが、ちょっとないですからね…
この辺を受け付けない人もいるかも…
でも、それだけの人間なら、キョンをはじめあれだけの仲間が集まる事はないと思います。
まあ…拉致に近いんですがねw
その辺が今後、どう展開されるか、楽しみですね。
投稿: ジャーマン | 2006年4月26日 (水) 14:29
ジャーマンさん。TB&コメントありがとうございます!
実は今回初めてジャーマンさんのページを見させていただいたのですが、イラストが本当に面白くってすごく好きになりました。
特に、間違って送られたというFATEの二コマは最高です。FATEは録り溜め中でまだ見てないのですが、視聴したらFATEの記事も楽しませていただきますね!
ハルヒの魅力がどういう風に表現されていくのか、おっしゃられる通りですごく楽しみですよね。
キョン視点でだけハルヒが描写されていますから、キョンの内面の変化と共に表現されるのかもしれないですよね。
…ツンデレは実はキョン!?
それでは、今後ともよろしくお願いいたします!
投稿: だんち | 2006年4月26日 (水) 15:17