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2006年4月25日 (火)

「ARIA THE NATURAL」第4話を見た。

 タイトルバックのネオ・ヴェネツィアの全景に一気に心を鷲掴みされた今回。
 「老人と少女」という、僕にとってはかなりの萌え要素が詰まったお話でした。
 そんな邪な思念はともかくとして。郵便屋のおっちゃん役の清川元夢さんの演技が光っていましたし、又ゲストキャラの綾乃、空の演技も大変素晴らしいもので、その辺り「佐藤順一音響監督」の本領発揮だったように思います。

 郵便屋のおっちゃんにフォーカスして見ると、なんとも切ないお話だよなぁと感じます。
 というのも、どうやら彼は独りのようだと思うからです。
 一点謎なのは、昼食の時の弁当で。誰が作ったものなのか。でも、奥さんなんかがいるんだったら「休日でも仕事をする」ということはないでしょうから、あのお弁当はきっと郵便局の仕出しか何か、誰かに頼んだものなのでしょうね。

 郵便屋のおっちゃんが家族がいない人だと見た場合。手紙について彼が語るシーンがものすごく切ないものになります。
 「手紙は書いた人を連れて来る」
 というところですね。
 家族に限らず、おっちゃんの年齢を考えれば、多くの知人友人と既に死別していておかしくありません。
 で自分のことは一切語らず、ひたすら手紙という「心」を届けることを繰り返すおっちゃん。それは、自分自身が手紙から何かを得ているからこそ、ということは、語られないながらも表現されていたように思います。
 やはり、「連れて来てくれる」と言うところの彼の姿から伝わってくるところですよね。あのシーンを見て、「あぁ。奥さんと死別してるんだろうなぁ」って思ったし、息子や娘がいても別の場所で暮らしているんだろうなぁって思いました。
 そこは想像でしかないわけですが。そういうことを思わせる、清川さんの非常に味わいのある本当に素晴らしい演技でした。

 また、構成の妙もあるのでしょうね。
 タイトルバックのネオ・ヴェネツィアの全景は、おっちゃんがいつも手紙を届けている場所そのものを全て見せていたのだと思います。
 そして、そこにあるのは何なのか、というと。「出会い」そして「別れ」なのでしょうね。
 それを示したのが、結婚する綾乃とその教え子空君のエピソードですね。
 手紙を受け取った綾乃は涙を流し、空君は直接「おめでとう」を言うことができます。
 その二人は、別々の水路を進んでいき、別れていきます。
 だから、空君は「さようなら」と言うんですよね。

 今期のテーマは「出会い」ということなんだけども、そこには対になって「別れ」というものがある。今回、そのことが示されたように思います。

 一つの別れが描かれた後に、おっちゃんは「書いた人を連れて来てくれる」と言うわけですね。

 それにより、彼にも何らかの「別れ」があったのだろうということが感じられます。
 絶対に、彼は何も語らないんだけど。
 だけど、目を閉じて微笑む彼のその心に、誰かのことが浮かんでいるのだということが、ひしひしと伝わってきました。
 その誰かから受け取った何かがあるから。
 彼は、最初に映った広いネオ・ヴェネツィアの隅々にまで手紙を届ける仕事を一生懸命続けているのでしょうね。

 「別れ」というものは「時の流れ」から生まれてくるものでもあって。
 手紙はその「時の流れ」を飛び越えることができるものなのだと思います。
 だから、灯里は「手紙はネオ・ヴェネツィアと似ている」と感じたのでしょうね。街を作った人達はもういないけど、彼らが込めた想いは街に触れることで手に触れることができる。
 そのことを踏まえて、郵便屋のおっちゃんからの手紙を灯里が受け取るシーンのことを思うと、やはりどうにも切ない気持ちになります。

 おっちゃんと灯里との別れも、必ず来るものだから。

 だけど、その時が来ても、おっちゃんの手紙は灯里の手元にある。
 もしかして、その時にもその手紙にはちょっと煙草の匂いがしているかもしれない。

 人の想いを届けることにその人生を捧げている老人が、少女に短い手紙を送ったことは、ずっと彼が語らなかった自分の想いをそっと届けたことなのかもしれません。

 なんだか。今回はすっかりセンチメンタルな気持ちで感想を書いてしまいました。

 今回の「NATURAL」は「時の流れ」「別れ」といったものだったと思います。
 出会いをテーマとする中で別れを描写し、しかもそこにうっすらと「死」というものを感じさせるところに、この作品の骨太さを改めて感じました。
 そして、そういう時の流れ、いずれ来る「死」を感じさせる素晴らしい演技を披露してくれた清川元夢さん。その演技を引き出した佐藤順一監督。彼らの素晴らしい仕事に表現することの幅の広さ、底の深さを教えられたような気がします。
 素晴らしい演技でした。

 また次回。どんな素晴らしい演技にめぐり合えるのか。
 今からとても楽しみです。

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コメント

 ARIAのOPは毎回楽しみですね。どんなに良いOPでもいずれ飽きて飛ばしてしまいますが、ARIAの場合はじっくり見られて本編ですんなり入っていけます。泣けたり、感動する準備期間といった所でしょうか。

 おっちゃんに関してですが、自分はずっと独身で孤独を楽しんでるだと感じました。もちろん一人だけの時間を楽しんでいるのではなく、そこから広がる出会いや別れを楽しんでるというか。すいません、ちょっと上手く表現できないのですが。
 弁当を見たときも、早朝におっちゃんが目玉焼き用のフライパンを持って作ってるのが浮かんできました。
 一緒に空くんを連れて行きながら、手紙は手紙として本人を連れずに手紙だけを運んで、先生の返事を空くんに運ぶのは、さすが郵便屋のおっちゃんですね。それがあったからこそ、再会してからの「おめでとう」と「さようなら」が言えたんですよね。たぶん灯里だけだと、一緒に届けに行っちゃって一回分思い出を損してたかも。

それはさておき、郵便袋の重さに耐える灯里の表情、エロ可愛いですね~(感動だいなし。。


投稿: led | 2006年4月27日 (木) 00:03

ledさん。コメントありがとうございます!
ARIAのオープニングは本当に良いですよね。タイトルが入るところはいつも秀逸で。泣けたりする準備どころかタイトルだけで僕は泣いてます。(^-^;

おっちゃんに関して、ledさんはそう見ましたか!なるほど。おっちゃんが目玉焼きを焼いているところを想像すると、なんとも言えない味わいが更に増しますね。
そういう想像を与えてくれる演技でしたよね。

おっちゃんが空君を連れて行きながら、郵便屋としての務め以上はしなかったのは、言われる通りで、本当に「さすが!」っていうところでしたね。
彼がでしゃばらなかったことで、思い出が増えたというのは、確かにledさんのおっしゃる通りでしょうね。

>郵便袋の重さに耐える灯里の表情、エロ可愛いですね~

なんかたまらんものがありましたよね(笑)
あの声とかも( ̄ー ̄)
珍しく灯里がずっと男の人と一緒だったし。見ているこっちが変な気持ちになるのは、正しいんですよ!…きっと(笑)

次回もまた、そういうところも含めて楽しみたいですね♪

投稿: だんち | 2006年4月27日 (木) 06:25

うちのブログにコメントありがとうございました!
TB送ろうと思ったんですがなぜか反映されずでコメントだけで失礼します。
ところでだんちさんて妄想のプロフェッショナルの方だったんですねw過去記事もいくつか見させて頂きましたがかなり深い視点で語られていてすごく参考になり面白かったです!
僕のテキトーな記事とは大違いで...。また今後も見させていただきますね。それでは~。

投稿: おちゃつ | 2006年4月27日 (木) 21:28

どうも!初めまして。
トラックバックありがとうございます。
今後ともよろしくです。

>今回の「NATURAL」は「時の流れ」「別れ」といったものだったと思います。

・・・そこまで考えているんですね。
すごいです。
そして役者さんの目線なんですね。
ARIAは
役者さんや、音楽など、全部で
とっても素敵な作品になってるんですね。

私とっては・・・心に響いて幸せになれる作品です。
〔・・・といっても第二期放送してない地域なんです。(泣)〕
では!

投稿: アクア猫 | 2006年4月27日 (木) 21:38

>おちゃつさん
コメントありがとうございます!

>> TB送ろうと思ったんですがなぜか反映されず

あぁ。すいません。最近ココログちょっと調子が悪くって…。時間帯によっては問題無かったりするので、もし良かったらまたTB送信してみて下さい。

過去の記事も読んで下さってありがとうございます!
楽しんでもらえたのならすごく嬉しいです♪
僕の記事はどうしても長くなってしまって読みづらいと思うのですが、おちゃつさんの思ったことを簡潔にまとめている記事を読んで「これが感想だよな!」と教えられました。
これからも読みに行かせていただきますね。今後ともよろしくお願いいたします。

>アクア猫さん
コメントありがとうございます!アクア猫さんの、放送が見れないながらも愛情溢れる記事を、とても気持ち良く読ませていただきました。

声優さんの「声で命を吹き込む」演技力には本当に感心させられます。
アクア猫さんも、早くDVDなどで見れるといいですよね。

音楽、役者さん、それに脚本家の方々もすごく気持ちを籠めてARIAの世界を描き出してくれているように思います。
でも、そんな力を生み出すのは何よりも原作の素晴らしさがあってこそですよね。
僕も原作大好きです。
これからもアニメも原作も楽しんで、応援していきたいと思っています。同時に、アクア猫さんの記事も楽しませていただきますね。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします!

投稿: だんち | 2006年4月28日 (金) 00:47

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