「涼宮ハルヒの憂鬱」第5話を見た。
皆様こんにちは。先ほどTVKにて「涼宮ハルヒの憂鬱」第5話を見ました。早速感想を書きたいと思います。
話が展開しましたね。いや面白かったです。
ハルヒの持つ謎と、今回の野外活動が、なんともハルヒを表しているようで、とても可愛かったように思います。
というのも。
野外活動で、ことごとくキョンとの組み合わせにならなかったハルヒが本当にもう可愛くって。
だって、彼女って望んだことを実現していく謎の力があるんでしょう?(少なくとも僕はそう解釈しました)
なのに、ハルヒだけがキョンと二人きりになれない。
っつーことは、それがハルヒが望んだことなのかもしれないよなぁって。
ハルヒはキョンに対して何らかの想いを持っているのは、見ていればはっきりと分かるんだけど、二人きりになることを望めない。
「そうなったらいいなぁ」くらいのことは思っているのかもしれないけど、それ以上にそうなることが怖くて、「そうならないこと」を望んでしまっていたのかもしれないですね。
というか、そう見えました。
そうか、そうだよね。
だって、前回ハルヒが望んだことでキョンは四番バッターになったわけだもんね。
で、今回も同じようにくじ引きをして、だけどハルヒはキョンと二人きりになれない。
うわ…。この見せ方は上手いよなぁ!
あんなにキョンと一緒に土曜日を過ごしたがっているのに、それこそあれだけ釘を刺していたように「デート」をしたいと思っているのに、それを望むことができない。
ハルヒ無茶苦茶可愛いじゃねぇか!!
はふぅ
でも、その「本当に望みたいことを望めない」というハルヒの弱さは、例の「三年前の何か」と絡んでいるんでしょうかね。
その辺り、ハルヒのどこか欠落した感じ、何かこう…喪失している、というか、そういうものと関係しているんでしょうね。
見ていると、ハルヒは極端に「女の子らしさ」が強調された存在なんだなぁと思います。
女性視聴者から見ても、おそらくハルヒのああいった感じは非常に心当たりがあるんではなかろうかと思いますが、キョン的立場になる男性視聴者からしても、あのハルヒの感じはとてもよく分かるものだろうと思います。
理解できなくって、突然感情を爆発させるし、人の話を聞いていなくって、だけど実は言ったことをけっこう覚えていて、そして何かが欠けていて、何かを求めていて、何かを恐れている。
今回のハルヒにとってのくじ引きは「偶然に逃げようとする」行為で、自分の気持ちに向き合えない象徴だったように思います。
だけど、前回のハルヒにとってのあみだくじは「望んだことを叶えようとする」行為だったのだと思います。
構成をわざと入れ替えることによって、「望むべきことを望めなかった」ハルヒが「望むべきことを望めるようになった」ことが浮き彫りになったのだと思います。
そこに、どうやら大きな変化のきっかけがあって、しかもそれをキョンが与えたようですが。
どうも、それこそが、このお話のクライマックスになりそうですね。
宇宙人がどうとか未来人がどうとか超能力者がどうとか。
そういうことは誇張された世界表現であって、物語の本筋にとってはおそらくちょっとした味付けのようなものなのでしょう。
本来はとても可愛らしく、そして少し痛みを伴うような、純粋なラブストーリーなのではないでしょうか。
今回、ハルヒの少女らしい、自分の気持ちに向き合えない可愛らしさと、その痛々しさを見て、この物語が描き出そうとしていることの生々しさに気づけたように思います。
ラストの部室に来なかったところとか、キョン視点だけでしか語られないからこそ、とてもハルヒの弱さを見る感じでしたね。
あの部活や部室は、本来はキョンと二人になるための場所なわけでしょ。宇宙人、未来人、超能力者を望んで集めたハルヒ。でも、そこにたった一人混ざっている普通の少年。「普通の人間」であることで、その少年こそが実はハルヒが最も望んでいる存在であることが分かるわけですね。
その、自分が望んだ相手と一緒にいられる場所にハルヒは来なかった。
それは、自分の気持ちから逃げていることで、ものすごく力無く、繊細な、「望むべきことを望めない」少女らしい姿だと思います。
すごく、生々しい、痛みやいろんな感情を持った生きた人間である少女を、この物語は描いているのだと感じます。
そして、そのことになかなか気づけない(あれだけ周囲から言われてるのにね…)キョンの姿にも、またとても感情移入するものがありました。男ってやつぁーねー…ほんとにねー…。
その点、女性視聴者の意見とか知りたくなりますよね。ハルヒがすっげぇ不機嫌になる感じとか、ものすごく分かるんじゃないでしょうかね。
その意味で、極端に「男」と「女」というものを表現した、ものすごく普遍的で誰もが共感できる、そういう物語なのだと思います。
物語の展開を入れ替えているのは、その普遍性を浮き彫りにするためなのでしょうね。きっと。
あと、ハルヒの弱さもそこに表現しているのかもしれないですね。
自分の気持ちに素直に向き合えない、少女らしいアンバランスなところも、感じ取ることができるような気がします。そこが「超監督・涼宮ハルヒ」とクレジットされている所以であるのかもしれませんね。
次回はどうやら第9話ということですが。そこにもハルヒの自分に向き合えていない可愛らしさがあるのだと思うと、とても微笑ましく思えます。
キョンの目線を与えられて、
そこで、ハルヒという少女の心に触れるのは、
どこかくすぐったいような、
少し痛痒いような、
そんな隠しているんだけど、でもだからこそ、ちょっと剥き出しな感じがあって、
少年漫画しか読んだことなかった少年時代に、良質の少女漫画をたまたま読んでしまったような、
そんなときめく心地を思い出させてくれて、
とても気持ち良いですね。
ところで。全然関係ないんですが。
オープニングのラストカットとエンディングのファーストカットが一緒なんですよね。
あれは、すごくいいですよね。ハルヒが腰と頭に手をあてているキービジュアルのシルエットで終わり、それでまた始まる。
言ってみれば、ハルヒは本編の間ずっと踊り出すのを待っているような感じで。
オープニングは踊るための準備で、本編で視聴者を躍らせて、更にエンディングで「さぁ!踊りなさい!」と全員躍らせる。
そんな感じに見えます。
ハルヒを中心にして、キャラクターと視聴者全員で踊っていく感じが、キービジュアルの連続によってもたらされるように思うんですね。
青春の持つ、浮き足立った踊り出す感じに巻き込まれるのは、心が軽くなるようで、とても楽しいものですね。
そうそう!オープニングといえば。
僕はいつも音楽は歌は全然聴いていなくって後ろの楽器の音ばっかり聴いてしまう癖があるのですが、今回オープニングで珍しく歌詞が少し耳に入って来たんですよ。
そうしたらまぁ…なんですかあの切ない歌詞は!!!!!!
まんまハルヒじゃないですか!!
いや素晴らしい。
ハルヒの恋がどうなっていくのか。
キョンがハルヒにどう向き合っていくのか。
とても楽しみです!!
また長くなってしまいましたが、「涼宮ハルヒの憂鬱」第5話の感想を終わります。
ではでは、またです!!
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コメント
TB、今送ってみましたが送れてないような…また後刻試してみますが。
それにしてもいや素晴らしい!あのね、「なんで願望実現能力があるのに一緒になれないの」って疑問は私も感じたんですが、違う方向でレビュー書き始めちゃったんで、まーその辺は追々また語る機会もあるかと思って考察せずに断念したわけですが、ここまでばっつり語ってしまわれて!もうオレが語る余地、残ってないじゃないっすか~~~~!!!(笑)
第5話にして既にだんちさんもこのテンションですか!まだ半分も行っていないのに!これぁ先行きが作品と同じくらい楽しみでございます。今後ともよろしくです~。
投稿: てりぃ | 2006年5月 2日 (火) 05:33
あぁ!!チャット状態になっている(笑)
コメントありがとうございます!そしておはようございます(笑)
違う場所で同じ時間に記事を書いて、そして同じ時間にコメントを書き込んでいたんですね。
なんというか、てりぃさんとこうして一緒に同じことをしていることが、すごく嬉しく思えます。
TBの件ですが、なんだかココログ最近調子が悪くって…。せっかく送っていただいたのに反映されなくって申し訳ないです。是非またお手隙の時にでも改めてTBしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
>もうオレが語る余地、残ってないじゃないっすか~~~~!!!(笑)
何をおっしゃいますか!!てりぃさん節でゴリゴリと語りまくって下さいよ!というか、「てりぃさんの視点」ですよね。高いテンションの語り口とは裏腹なワンカットのこだわりを逃さないじっくりと見据えている視点で、何をどう感じたのかは、てりぃさんのブログを楽しみにしている者としてはとても知りたいところです。
>第5話にして既にだんちさんもこのテンションですか!
こうやって見てすぐ感想を書いててりぃさんのところにTBしにいくのが習慣となっております。それが楽しくってまた励みになっております。
やっぱり触発されますからね!
お互い、どこまでも突っ走ろうではありませんか(ニヤリ)
投稿: だんち | 2006年5月 2日 (火) 05:55
>宇宙人がどうとか未来人がどうとか超能力者がどうとか。
>そういうことは誇張された世界表現であって、物語の本筋にとって>はおそらくちょっとした味付けのようなものなのでしょう。
鋭いっ!! 正解。大正解です
これに気づくと、今回なぜEDでキョンとハルヒだけ文字が大きかったのか、その理由が分かるはずです^^
投稿: 一言だけ | 2006年5月 2日 (火) 09:18
こんにちは、えみりおんです。
最初私は、ハルヒは特異点であってその唯一の例外がキョンなのではないか、と思っていたのですが、なるほど、もっとハルヒの人間的な部分がポイントになっているという解釈の方が自然ですね。
バッター4番にせよ、ハルヒの嫉妬でチャリが撤去されてしまった事にせよ、ストレートな感情であり、くじ引きにて「キョンと一緒になりたい」という思いは、逆にツンデレが発動しちゃったのかも知れず。
いや、深い洞察恐れ入ります。
今後とも楽しみにさせていただきます。
投稿: えみりおん | 2006年5月 2日 (火) 15:08
「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶことよ」
では、キョンとは何がしたいんでしょうねぇ(笑)
くじ引きでキョンと二人になれなかったのは、ハルヒが無意識下ではなく本心からそう思ったからこそ、自分の思いどおりにならなかったんでしょうね。
そしてEDクレジットという本編とは関係無いとこは、わざわざ強調してキョンと二人。いやはや、不器用というか不幸というか。原作既読ですが、ハルヒがここまで可愛く見えるのは本当にびっくりです。
「禁則事項です」というセリフがあったあと、従姉妹から「禁則事項です」というメールが来ました・・・。いや、君、ワイの二つ下じゃん。てか、年齢きいてねぇ。。
投稿: led | 2006年5月 2日 (火) 18:17
はじめまして、うにゃ丼亭のうにゃ丼と申します。
TBありがとうございました!!
>ラストの部室の来なかったところとか、キョン視点だけでしか語られないからこそ、とてもハルヒの弱さを見る感じでしたね。
教室で扇いでもらえなかったのが、そんなに傷ついたのでしょうか……w
冗談はともかくw
非常に読みごたえのある記事で、楽しませてもらいました!! ありがとうございます!!
今話は、ハルヒのツンデレっぷり(ツンデレにしてもかなり屈折していますがw)が、非常に良く描かれていて面白い回でしたねw
次週は、またハナシが飛ぶみたいですが、ハルヒとキョンに視点を定めて、観てみる事にしてみますw
それでは、また!!
投稿: うにゃ丼 | 2006年5月 2日 (火) 19:23
>一言だけさん
コメントありがとうございます!大正解ですか!わーい♪EDのキョンとハルヒの文字がでかかったのも納得です。「一言だけ」と仰らずに、また二言三言とお話しして下さいね!
>えみりおんさん
こんにちは!コメント&TBありがとうございます。
えみりおんさんの記事は僕と見ているところが近いように感じまして、楽しく読ませていただきました。
席替えしてもハルヒがキョンの後ろの席だったことは「ああ!そうだったか!」と改めて気づかせていただきました。
チャリが撤去されたところの八つ当たりも可愛かったですよね。すごく女の子らしくって。
その反面、くじ引きでの「ツンデレ発動」してしまったところも、すごく人間味がありますよね。ああやってくじを見て憮然としているところは「この組み合わせになってしまえば、自分の気持ちに向き合わずにすむ」という願望が叶ってしまって、自分で面食らっていたのかもしれないですね。
こちらこそ、えみりおんさんの記事を楽しみにさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします!
>ledさん
コメントありがとうございます。
従姉妹からの「禁則事項です」のメールいいなぁ。是非メイドコスプレをさせてあげて下さい♪
≫キョンとは何がしたいんでしょうねぇ(笑)
エロ視点入っていますね?
僕も入ってます(笑)
でも、その生々しさがEDクレジットの不器用さにも表れているんでしょうね。
見ているとハルヒがすごく生の女の子に見えてきて、それこそ匂いまでしてくるような感じで。そういう現実の女の子に感じる可愛さを感じます。だから、エロ視点は持ってよい、と(笑)
原作既読の方でも、僕のような未読の人間でも、それぞれ楽しく見れてその楽しさを共有できるのは嬉しいですよね。
>うにゃ丼さん
初めまして!TB&コメントありがとうございました!有希に萌えまくる記事を楽しく読ませていただきました。図書館での有希は堪りませんでしたよね♪
>教室で扇いでもらえなかったのが、そんなに傷ついたのでしょうか……w
あははははは!!(笑)そうか!それだったのか!!!
記事、誉めて下さってありがとうございます。楽しく読んでいただけたのでしたら、僕もとても嬉しいです!読んで下さってありがとうございました!
うにゃ丼さんが指摘されているハルヒの「屈折」っぷりは、なんだか気になりますよね。
次週も、その辺が何か明かされるのかもしれないですね。楽しみです♪
今後ともよろしくお願いいたします!
投稿: だんち | 2006年5月 2日 (火) 22:11