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2006年7月20日 (木)

「桜蘭高校ホスト部」第16話を見た。

 こんにちは。だんちです。日本テレビにて「桜蘭高校ホスト部」第16話を見ましたので、感想を書きたいと思います。
 このアニメ作品のテーマが「関係」という部分にあると見る視点で、要点を絞って。

 ハルヒの中学時代の同級生荒井君の登場でイラつく光。それは、彼にとってただ一人の友達であるハルヒを独占できない嫉妬心。
 だけど、その自分の気持ちをコントロールできないし、どう自覚していいかも分からない。
 それを見た馨はハルヒとデートさせ、友達になるためのステップを踏ませようとする。

 「友達」という関係をそれまで得たことがなかった光にとって、それは未知のことなわけだけど、ああいう友達を得るために気持ちをぶつけあったりすることは、幼稚園くらいの頃には経験することなんだと思います。
 それくらい、彼は幼稚なところを持っているし、それまでに得ていてもおかしくないものを、全然得ていない、ということなのでしょうね。
 お金持ちだから、既に得ているものは沢山あるけれども、「自分で何か得た」という経験はものすごく少なくって、しかもそれが「関係」ということになると、実は未経験と言っていいのでしょうね。

 一見満たされている部分が多いように見えて、決定的なところで欠落したものがある、というのは極端な形で表現されつつも、日本のあれくらいの年代の子達を象徴した部分なのかもしれないですね。

 そこで、今回重要なキーワードになったのが、

 「ありがとう」

 と

 「ごめん」

 という二つの言葉でしたね。
 ハルヒが「ありがとう」と言ったことを受けて、光はおそらくは初めて他人に対して心から「ごめん」と言えたのでしょうね。
 後日、荒井君にも謝ろうと思っていたのでしょうけど、荒井君はその言葉を聞かなくても、表情で分かったのでしょう、西瓜を笑顔で差し出すわけですが、そこで光の気持ちがほぐれて、
 「ありがとう」
 と、言うわけですね。
 ああやって他人に向かって素直に感謝の気持ちを口にすることも、彼にとってはほとんど初めてのことなんでしょうね。

 相手の気持ちを感じ取って、そして自分の気持ちを素直に表現する。

 そのことは、すごく単純で簡単なことなんだけど、だけど、相手や自分の気持ちがあってのことだから、マニュアル化することもできないし、経験して覚えていかなければならないことなのでしょうね。
 それができない光や馨の環境というものは、他人事ではないんだろうなぁと感じます。

 光がそのことをやっと掴むきっかけを最後に与えたのは、環でしたね。
 「バカヤロウ!」と叱り飛ばして、光に人間関係の上からの責任をちゃんと取らせようとする。
 環はずっとハルヒのことを心配していたわけだけど、ちゃんと光のことも心配していたわけですね。
 光達は「ずっと友達はいなかった」と言っているわけだけど、実は傍には彼らのことを心から心配し、怒鳴り飛ばしてくれる「友人」が、ちゃんといたわけですね。
 部長であり先輩であるわけだけど、そんな立場よりも何よりも、一人の人間として向き合ってぶつかる。そういうところに、環の男らしさを感じます。

 「関係」ということでいうと、光にとって環は、カテゴライズするならば、やはり「部長」だったり「先輩」だったりするのでしょう。
 だけど、ホスト部の面々は、環に好意と敬意を抱いているところから、そういったカテゴライズを超えた「関係」を持っているように見えます。
 それは、「友人」関係のようでもありつつ、もっと踏み込まないような距離感もありつつ。
 なんというか、「仲間」というような。
 環が「殿」と呼ばれていることも、彼らの関係の上からなのでしょうね。
 その距離感が全体的にぐっと近づいていく様子があるのは、ハルヒの存在があるからなのでしょう。
 今回荒井君が言っていたハルヒ評「人に対して真っ直ぐ向く」ということを一人一人に示していく態度に接していくことで、彼らの距離感も近づいて変化をしているのかもしれませんね。

 ホスト部の面々の「関係」もまた、どのようになっていくのか、どう深まっていくのかも楽しみですね。

 さて。
 この物語の「関係」の中で、メインの「関係」といえば、やはり環とハルヒの「関係」なわけですが。
 今回のお話でその二人の関係についてのヒントがいくつか示されたように思います。
 僕は、ハルヒが雷を怖がる話の時に、ハルヒは既に環のことを好きな自分を自覚しているのでは?と思っていました。
 でも、それは一面正しいのかもしれませんが、少し違うところもあったように思いました。

 僕が思っていたよりもずっと、ハルヒは鈍い子らしいですね。
 どうもハルヒは環に対する気持ちとか、環との「関係」をどう言葉にしていいのか、把握できていないんだな、と思ったんです。

 荒井君に環を紹介する時に、「先輩扱いしないこと」というのを受けて、「知り合い」という言い方になったわけですが。あれは照れたとかではなく、「どう説明していいのか、言葉が見つからなかった」ということなのでしょうね。

 逆に環の方でも「娘」と言っているわけですが、彼もまた、ハルヒに対する気持ちやハルヒとの関係を上手く言葉にできないのでしょうね。
 彼の場合、そこにどうしても踏み込めない何かがあるのかもしれませんが。

 見ていると、二人とも互いのことを「特別」だと感じている様子はあるのですが、それをどう分類していいのか、どう言葉にしていいのか、どう捉えていいのか、分からないのかもしれませんね。

 それは、恋愛という関係性を先に認識して、そこに自分達を当てはめようとするのではなく、互いがそのまま向き合う中で自然と生まれてきた無自覚な「関係」であるのかもしれません。

 「友達」という関係を築くために、「ありがとう」や「ごめん」という言葉が必要であるというような、すごくシンプルで大切ことを描いているように、「恋をする」ということのシンプルさ、無理矢理関係に当てはめる必要がない自然さを描いているところもあるように思えます。

 「仲間意識」「友情」「恋」

 そういった、シンプルにして基本的な人間関係を描いているこの作品は、それこそ時代劇に通じるくらい普遍的かつ古典的な「人情芝居」を見せてくれる、とても分かりやすく、気持ち良く見れるものであるように思います。
 そしてそういう作品だからこそ、今この時代に作る意味のある、必要とされる物語であるのかもしれませんね。

 このシリーズの持つ「普遍性」「古典性」そして描写としての「現代性」は、物語を作る者としてとても勉強になるものであるようにも思います。
 いい勉強させてもらえそうで、今後もとても楽しみです。

 それでは、またです!

 参照:「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」

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品質評価 15 / 萌え評価 42 / 燃え評価 3 / ギャグ評価 7 / シリアス評価 19 / お色気評価 11 / 総合評価 16レビュー数 26 件 ペンションにやってきたさわやか青年の荒井君は、 ハルヒの中学時代の友人だった。 思い出話に花を咲かせる二人に、嫉妬を隠せない環たち。 光は荒井に暴言を吐き、本気でハルヒを怒らせてしまう。 これまで、光と馨は二人の世界に閉じこもるだけで、 他人を受け入れることを知らなかった。 そのために、光は子どもじみた... [続きを読む]

受信: 2007年9月10日 (月) 18:16

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