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2006年7月25日 (火)

「ARIA The NATURAL」第17話を見た。

 こんばんは。だんちです。テレビ東京にて「ARIA The NATURAL」第17話を見ましたので、感想を書きたいと思います。

 珍しく、前回の続きエピソードで「後編」という形でしたね。
 前回に引き続いて、吉田玲子さん脚本、佐藤順一さん絵コンテ。オープニングは「ウンディーネ」の二番!
 もう、今回も冒頭からかなり泣きっぱなしでございました。
 垂れ落ちる涙を止めず、「今日は泣きまくるぜ!」と感受性を完全解放!いける時はもうどこまでもいくぜ!!

 お話としては、前回がゴンドラとのお別れ前日を描いて、今回はお別れ前夜から当日。そしてそれ以後。というものでしたね。

 このシリーズの構成が「灯里が本物のアクア人となっていく過程を描くドキュメント的なもの」であると見た場合、今回と前回は続きでありながら、その見せている部分にそれぞれの意図があったように思います。
 灯里は、ネオ・ヴェネツィアの本物のウンディーネの一人として(半人前ではあっても)、ゴンドラとの別れの意味をよく心得て、皆とその別れを共有します。それは、それだけ灯里がアクア人になっていることの証だし、ネオ・ヴェネツィアの住人になっていることを示しているのだと思います。
 そして、今回、ウンディーネのトップに君臨するアリシアが、同じゴンドラで成長したことが示されました。

 アリシアは、今回お別れをした黒いゴンドラに乗って成長し、プリマ(一人前)になりました。ウンディーネとして踏み出す彼女の大きな第一歩は、それまで乗っていたゴンドラとの別れだったわけですね。
 その姿と、灯里の姿とが何度もオーバーラップして描写されることで、今回のゴンドラとの別れが、灯里にとってどういう意味を持つのかが、示されたのだと思います。

 灯里がゴンドラと別れることは、ウンディーネとして新たな一歩を踏み出す、ということなのだと思います。

 アリシアのそれは「プリマとしての一歩」だったわけですが、灯里にとっては「ネオ・ヴェネツィアに住むウンディーネとしての一歩」なのでしょうね。

 灯里は、マンホームを飛び出し、初めて自分のゴンドラとして、アリシアから受け継がれた黒いゴンドラに乗りました。ゴンドラに乗りながら、少しずつ少しずつ、アクアに、ネオ・ヴェネツィアに馴染んでいって、多くの出会いを経験していって、自分の「輪っか」をアクアに根付かせて、成長してきました。
 「アクアに、ネオ・ヴェネツィアに憧れるマンホーム出身の夢見がちな少女」でしかなかった灯里は、ゴンドラと日々を過ごすことで、少しずつ少しずつ「一人前のウンディーネを目指すネオ・ヴェネツィアの住人」になっていったのだと思います。
 そのゴンドラと別れることは、そこまでの成長に一区切りつくということなのでしょう。

 ゴンドラと最後の夜を過ごして流した灯里の涙は、明日に向かっていくための涙で、決別のための涙。

 前日は、「もう少し、漕いでくれないか」と語りかけてきたゴンドラ。
 だけど、この時はそっと灯里に傘を差して、微笑みながら背中を向けて、優しく決別を告げたのだと思います。

 雨が、灯里とゴンドラの別れを惜しむ涙を象徴しているのだとしたら。
 傘は、涙を流すのはもう終わりだよ、という決別の象徴なのでしょう。

 夜が明けて、もう涙はなく。
 決別が過ぎて、新たな出会いがあるわけですね。
 新しいゴンドラとの。

 灯里は新しいゴンドラに乗って、新しい成長に向けて漕ぎ出しましたね。
 それまでのように、風を切って。

 そして、決別したゴンドラとすれ違うその光景は、ネオ・ヴェネツィアで過ごす者としては、当然のようにあることなのでしょう。
 振り返った灯里は、もう明日に向かって新しいゴンドラを漕いでいるのですから、当然、前をまた向くわけですね。
 彼女は、傘を差してもらったのですから。
 前を向いて漕ぐことが、仕事なのですから。

 彼女に、船に乗ることの境地の一端を掴ませてくれたゴンドラとの日々を無駄にしないためにも、新しいゴンドラとの日々を、それまで以上に充実させることが、これからの彼女にとって、大切なことになるのでしょうね。

 灯里が、新しいゴンドラとの日々で成長をしていってプリマになれば、また別れが来るわけですね。
 その時は、次の後輩へとそのゴンドラが受け継がれていく。
 更にまたその後輩へ、と。
 それが、ネオ・ヴェネツィアに住むウンディーネにとって、自然なことなのでしょう。

 出会いと別れを繰り返すことで、そこでの日々はより本物の輝きを持つ、宝物となるのでしょうね。
 それは、理想の場所にいながら指を咥えているようなものとは全く違っていて。
 前を向いて、汗を流しながら、時には歯を食いしばりながら、過ごしてきたからこそ、獲得できた「生きる場所」なのかもしれません。
 これからの灯里が、どのように成長していくのかを、「ドキュメント」のように構成されたこの作品が、どのように見せてくれるのか、とても楽しみです!

 それにしても。
 ラストのアイちゃんのメールがまたいいですね。
 「次にそのゴンドラに乗るのは誰かなぁ」なんつって、次の座を狙ってますね!
 その頃は、灯里もアイちゃんに憧れられるプリマになっていたりするのでしょうね。
 灯里もアイちゃんも、未来に向かっていて。ラストのネオ・ヴェネツィアの青空のように、爽やかな気持ちになります。
 別れの先にあるのは、未来なのでしょうね。

 ところで。エンドロールを見ていたら、原画に「天野こずえ」の文字が!!
 どこ描いたんだろう?先輩三人の写真とかかなぁ。
 原作者と監督とが、良い関係で繋がっているんだなぁと思えて、とても嬉しい気持ちになりました。
 互いが互いを尊敬し合う関係が、自然な作品を僕らに見せてくれているのでしょうね。

 アニメ、原作共々更なる発展を期待してしまいます!

 それでは、またです!

 参照:「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」
    :「『音響監督佐藤順一』の手法に注目してみる」

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