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2006年7月15日 (土)

「ARIA The NATURAL」第15話を見た。

 こんばんは。だんちです。「ARIA The NATURAL」第15話をテレビ東京にて見ましたので感想を書きたいと思います。
 しかし、ココログのメンテナンスがあったり、仕事や疲労もあったりで、感想を書くのがすっかり遅くなってしまいました。でも、とにかくたんぱく質を多め多めに摂取するようにしたら疲労はかなり良くなってきたように思います。

 疲れていたりすると文章がぐちゃぐちゃになったりするわけですが、逆に長々と書かずに思ったことをすっきり書けるかもしれませんね。ともかく文章精度にこだわらず、印象を書き綴っていきたいと思います。

 さて。今回のお話を見ていて、前回思ったことは間違いではないんだな、という印象を持ちました。
 それは、簡単にまとめると、「ARIA The NATURAL」のシリーズ構成は、マンホームという現実を象徴する環境からアクアという理想を象徴する場所へと飛び出して行った主人公灯里が、アクアで「本物」になっていく過程を描くものになっている、という印象です。

 アクアやネオ・ヴェネツィアという「理想郷」を、それこそ理想化して他人事のように「素敵ですね」と言っているようなら、観光案内をする立場でいながら、自分そのものがただの観光者でしかないわけですね。
 そこで、本物の観光案内人、本物のウンディーネになるためには、そこに住む「本物」の住人にならなければいけない。そうでなければ、本当の良いところを紹介することなんてできるわけがない。

 前期シリーズでは、灯里は僕らと同じような、「観光者」だったのだろうと思います。
 僕らはアイちゃんと同じように現実のマンホームから、灯里を見ることで、アクアやネオ・ヴェネツィアという理想郷に週に一回観光して癒される観光旅行をしていたと思うのですが、今期はそうではなくって、「理想郷を自分の環境にするための過程」を灯里と一緒になって体験する、そういう構成なのだと思います。
 言ってみれば、ドキュメントに近い構成ですよね。

 ネオ・ヴェネツィアンガラスのエピソードが象徴するように、それは「嘘物(偽物、偽者)」が「本物」になっていく過程であると見ることができるのだと思いますし、また同時に「本物」が「本物として認められていく(自他の認識含めて)」過程でもあると見れるのだと思います。

 そういったシリーズとしてのメッセージを感じ取ることができるようになって、今回のお話を見ると、やはりその流れの中での重要なお話だったように思います。

 アリシアや晃が、暁やアル、ウッディー達と幼い頃に既に会っていたというエピソードが語られることで、灯里は「やはり自分はここでは余所者なんだ」という意識を改めて持ってしまったわけですね。
 ネオ・ヴェネツィアンガラスのエピソードで「嘘物はない」と言いきっていた灯里なのに、そんなことを思ってしまう。
 それだけ、アリシア達の過去のことが羨ましく、そこに自分が存在していなかったことが事実としてあまりにも重かったのでしょうね。

 そうやって思うと、灯里はネオ・ヴェネツィアンガラスに自分を投影している部分があったのでしょうね。
 原作でもアニメでも、特に言われてはいませんが、「マンホーム出身でウンディーネになるだって?」なんていう差別もあるのかもしれないですよね。というか、普通はあってもおかしくないことかもしれないですよね。想像を膨らませていくと、そもそもアリアカンパニーに入社したのだって、他はどこも受け入れてくれなかったということがあったのかもしれないし。入社当時、まともな漕ぎ方すら知らなかったことも、マンホームの人間にとっていかにゴンドラというものが遠いものであるかが窺えますよね。

 灯里は自分が綺麗だと思えるネオ・ヴェネツィアンガラスを「本物の輝きを持っている」と見ることができるのに、それが自分のこととなると、元々持っているハンディキャップを思い知らされてしまったのかもしれませんね。

 つまり、灯里は疎外感を今回改めて感じたのではなくって、実はずっと疎外感を持っていた。

 そんな風に僕には見えました。
 そうやって見ると、アリシアが休日に灯里を連れ出したりするのも、重要な配慮だったんだなぁと改めて思ったりします。
 灯里にはずっと「マンホーム出身という疎外感」「本物のアクア人でないという劣等感」があったんだ、と見ると、これまでのいろんなエピソードの意味がより深いものになっていくように感じます。

 そしてまた、そのことをアリシアが感じ取っていたのだとするならば、晃にも分かっていたことだったのでしょうね。
 だから、今回晃が「灯里ちゃんも輪の内側」と言う時に、灯里の疎外感を「それは違う」というように否定しなかったんだろうな、と思ったりします。
 そう思ってきたことは、それはそうかもしれない。だけど、「今」はもうここにいるんだよ。という、その言い方はさすがでしたね。
 それこそが「変化」ということなんだろうなぁと思います。過去があって、現在があって、未来になっていく。
 自分の持っているものを全て、一切合財をひっくるめて、それこそ疎外感であろうと劣等感であろうと、全部まとめて認めていって、抱えていって、現在が意味を持つ。
 それができなければ、「輪っかの内側」には入れないんだろうなぁと思います。

 言うなれば、「輪っか」は実際自然なもので、年数を重ねていくにつれ、当然のようにそれは大きくなっていくものなのでしょう。でも、それを、本当に自分のものにできるかどうかは、まさに自分次第、ということなのでしょうね。

 アイちゃんが「灯里さんの輪っかはマンホームまで届いている」というように言っていたことは、とても感動的でした。
 自分が世界を狭めようとしなければ、どこまでも広げていくことはできる。
 アイちゃんを「視聴者の代理的立場」として見るならば、僕らは毎週灯里のメールをアイちゃんと一緒に受け取ってきていたわけですが、その灯里の輪っかの中に、僕らも存在していることになるのだと思います。

 なんというか。
 「アニオタ」なんていう言葉もあったりするわけですが。
 自分の世界の中にアニメがあって楽しみに見ていて、アニメーション作品に感動したり感情移入したり、そういうことは自分の世界の「輪っか」としてあることで、それを認めて受け止めていくことは、とても大切なことだよなぁと思ったりしました。
 僕なんかはいい年した大人だけど。でも、灯里を画面の向こうに見ながら、「友人が成長している」かのように感情移入して受け止めていく見方をしていくことは、とても自然な感受性なんだと感じます。そうでなければ感動なんてできないんだから。
 そしてまた、同時にその輪っかは現実の家族や友人や仕事の関係者とも当然繋がっていて。
 自分の好みで輪っかを狭くしたり限定したりすることはとても不自然で、間違っているんだろうとも思います。
 要は自分をカテゴライズしないで、自分そのものでいる、ということでしょうか。

 灯里が「輪っかの外側」だと自分を配置したままだとしたら、ラストで出てきた灯里の友人知人達の存在は不自然な形で自分の外に置いてしまうことになるのでしょうね。
 そして、それは僕らにとっても同じことなのでしょうね。

 物語に過剰に感情移入してそこに逃げ込むのは間違っている。
 だけど、物語に感情移入しないで自分の感受性を拒絶するのも不自然。

 「輪っか」というものが「本物の自分の世界」ということであるのなら、それを受け止めていくことは、とても広がりがあって未来があることだけど、同時に、当然厳しいことでもあるだろうな、と思ったりもします。
 それは、灯里のように、一生懸命前を向いて生きるからこそ得られる世界なのかもしれませんね。

 …最近。ARIAの感想を書いていると、思いばかりが先走って、ちゃんと意味が通る文章になっているのかが本当に疑問です…。

 とにかく。今回もまた、優しさと、そして同時に優しいからこその厳しさを感じるメッセージを受け取ったように思います。
 平池氏のコンテワークもとても見やすく、コミカルな表現も非常に切れ味があって良かったです。
 少女時代の晃が本当にやんちゃでとても可愛かった!少年暁の純粋バカな感じも愛らしくて良かったし。是非また参加して欲しいなぁ。

 今後も楽しみです!!

 そうそう。原作の最新刊も買いましたよ!表紙の藍華がたまらんー!!カバーを外したところにある四コマのアリスのヤバイ感じもたまりません。
 しかし、最近「ARIA」を読んでいるとうっかり泣きそうになることが多くて困りものです。

 原作読んでて、ウンディーネの通り名の話がありましたが。
 僕もちょっと考えてみました。

 「灯里は、マンホーム出身だからなぁ…うーん…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 

 
 
 
 
 
 
 「マン子」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 …すいません…
 二度と考えません…
 
 
  
 
 
 それでは、またです!!

 参照:「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」
    :「『音響監督佐藤順一』の手法に注目してみる」

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コメント

こんにちは。
いつもお世話になってます~
前回のだんちさんの記事をほんの少し引用させていただいてますので事後ですが報告させていただきます~。
それではまた

投稿: おちゃつ | 2006年7月17日 (月) 16:33

初めまして~。
TBありがとうございます!
これからもよろしくです。

お仕事お疲れ様ですw
いやはや、本当…仕事があると中々、自分の時間が中々とれず、ブログなど趣味の時間に手を出せない時が多々ありますよね;
私にはその大変さがよく解りますよ~。(ぇw

幼少の晃はもう完璧なオールラウンダーでしたねぇ。
しかし、暁も負けずに…グッジョブな心意気があって素晴らしかったですよ。
アリシアさんは言うまでもありませんね…あらあら…。( ̄ー ̄;
アリシアさんだけ、異質な感じがしましたよw

投稿: 無限 | 2006年7月17日 (月) 21:53

>おちゃつさん。こんばんは。いつもお世話になっております^^
記事の引用の報告ありがとうございます。僕が書いた記事がお役に立てて嬉しいです!
シリーズ構成の意図に気がついてみると、どのエピソードも意味が通る感じがあって、より面白く見れるように感じます。
改めていい作品だなぁと思います。
これからも共々に楽しんでいきましょうね!^^

>無限さん。こんばんは。初めまして。コメント&トラックバックありがとうございます!
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします!^^

≫お仕事お疲れ様ですw

労いの言葉をありがとうございます^^
やー…。趣味の時間を取らないと仕事も進まないし。かといって仕事が切羽詰るとブログの文章も浮かばなくなるし。
難しいところですよね。
お互い励まし合いつつ、頑張りましょうね!

幼少の晃は、あんな美少女まで連れて(笑)
運動神経も良く男気もあって、本当に女にしておくのがもったいない男の中の男でしたね^^

≫アリシアさんだけ、異質な感じがしましたよw

あはは(笑)あの人は少女時代から妖精みたいだったんですね。
灯里やアテナ、アリスなんかの少女時代も見てみたいですね^^

またいらっしゃって下さいね!!

投稿: だんち | 2006年7月20日 (木) 21:19

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