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2006年7月14日 (金)

W杯サッカー決勝イタリア対フランス戦を見た。W杯は、やっぱり「日常」なんかじゃなかった…。

 おはようございます。だんちです。9日深夜。サッカーW杯の決勝戦、イタリア対フランス戦をテレビにて観戦しました。
 とはいえ…。キックオフ時間をすっかり勘違いしていて後半からの観戦になってしまったのですが…。

 でも、ジダンのラストプレーも見れたし(ナイスヘディング?)、イタリア優勝の瞬間も見れたし。
 いろんな意味での歴史的瞬間を世界中の人達と共有できたことは、とても幸せな、そしてまた特別な時間でした。

 そんなわけで、決勝戦の感想など書いてみたいと思います。

 後半を見始めて思ったことは「イタリアにいったい何が起こっているんだ?」ということでした。
 ドイツ戦のような鳥肌が立つような中盤のディフェンスはどこへやら。
 フランスに面白いようにパスを回されて決定機を何度も何度も作られていて。

 戦前、「ジダンの引退試合だから、フランスに優勝して欲しいという気持ちはあるけど。でも体力的戦術的にイタリア優勝は固いだろうな」というように思っていました。
 でも、後半しばらくの展開を見ていると「こりゃフランスが優勝する!」という確信が沸いてくるような内容でした。

 イタリアに起こっていたことは、しばらく見ていて分かりました。
 それはディフェンスラインが全く押し上げないことで、中盤がスカスカになっているという現象でした。
 「あのイタリアがなんでこんなディフェンスを!?」
 と、びっくりしてしまいました。
 体力の回復に失敗したのか?決定的なところでなんとか防いでいるけど、中盤の戻りもヌルいし、ボールを奪っても押し上げが無いからどんどん奪われるし。
 これはもう、イタリア終わったろう。これじゃ絶対に勝てない。
 と思いました。

 でも。
 いつまで経ってもフランスは点が取れない。
 冗談かよ?というくらいチャンスがあるのに。
 それはそれで、やはりフランスも慎重になっていて押し上げや追い越しが足りないから、ということだったのでしょうね。
 フランスもかなり引いてはいたけど、イタリアと違って戦術的に下がって、そこからカウンターを狙っていたから、中盤を制圧されるような場面は無かったし、後半を見るなら、どう見てもフランスのゲームだったと思うんだけど…。
 でも、最後のところでチャレンジできなくって、点が入らない。

 これはこれで、「いったいフランスに何が起こっているんだ?」というくらい、攻めきれていなかった。

 で、後半の終盤、フランスはついに体力の限界を迎えてしまい、延長を見るまでもなく「PK戦突入」が決定的になったことが分かりました。

 そして、イタリアの優勝となったわけですが。結果よりも、とにかくその内容が衝撃でした。

 下がってただ必死に守るだけのイタリア。
 チャレンジできないフランス。

 準決勝からはとても想像できない2チームの有様でした。
 でも、それを見ていて、僕はやっと分かりました。
 「これが、W杯決勝なんだ」
 って。
 サッカー強豪国にとってW杯は日本なんかと違って、4年に一度の「日常」の光景なんだと思っていたのですが、そんな彼らにとっても「W杯決勝」はとんでもない「非日常」の世界なのでしょうね。
 でも、そこから翻って考えを改めてみると、そもそもW杯は「日常」なんかにはなりようが無いくらい、とんでもない大会なのかもしれないですよね。
 「W杯決勝」を見ていて、僕はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない、と思うようになりました。

 例えば、サッカーの大会として、その内容は欧州選手権やチャンピオンズリーグなんかのほうがレベルが高いなんていうことが言われたりもしますし、それは実際そうだな、とも思います。
 それは、条件として強豪国ばかりが集まる大会だったり、錬度の高いクラブチームによる大会だったりすることが理由として挙げられることだと思います。
 でも、僕は今回W杯決勝を見ていて、「そもそも前提条件が全く違うのかもしれない」と思うようになりました。

 W杯というものは、最初からそれらの大会とは比べるようなことなんかができないような、猛烈に巨大な重圧を伴う大会なんではないだろうか、と。

 抽象的な表現になるのですが、「W杯サッカー」は「サッカー」ですらない。

 というようなことを思いました。
 「サッカー」というものとは別に、「W杯サッカー」という全く別の競技が存在している。
 そういう考え方が正しいのではないか。
 決勝を戦うイタリアとフランスを見ていてそう思いました。

 例えると、W杯は漫画やアニメやゲームのような、まったく別次元の、どこか遠いファンタジーの世界で行われる大会で、そこで勝つには魔法やら伝説の剣やらが必要で、非現実的なヒーローがいて、非現実的なドラマやストーリーがある。
 そういうものなんではないか、と改めて感じました。
 あの世界は、日常になんかなるもんじゃない。

 だからこそ、イタリアとフランスが残ったのかもしれないですよね。
 スキャンダル報道が過熱したイタリアは、現実の世界が辛く厳しいものでした。
 そのことがあったから、「W杯」という非現実の夢の舞台に意識を完全にワープさせることができたのかもしれません。
 フランスはどこで負けても「ジダンの引退」という、ヒーローの夢物語が用意されていたため、勝てば勝つ程ファンタジックなストーリーに彩られた非現実に取り込まれていったのかもしれません(しかし、決勝ではそのジダンが退場したことで、選手達は突然夢物語から醒めてしまったのかもしれませんね)。

 極端な言い方をすると、「精神的に人間として踏み込んではいけないところまで行って、初めて勝てる」という大会なのかもしれませんね。

 でも、そう思うと納得できることがあります。
 それはW杯の後の「燃え尽き症候群」です。
 非現実の夢舞台、ファンタジックなヒーロー物語の中にいて、そこに心身共に没頭することで勝利して。
 そこから「さぁ。現実に帰ろう」と思ったとしても、簡単には帰って来れないのかもしれないですよね。

 また、ホームチームが強いのも納得です。
 非現実の舞台でありながら、ホームであることで他の国とは違って「現実」の中にいるということなのでしょうね。
 だから、ホームチームは「W杯サッカー」という特殊な競技をするのではなく、「サッカー」をすることで勝つことができる。
 思い返せば、2002年の日本はそうでしたね。

 では、そのファンタジーの舞台「W杯」で勝つためにはどうすればいいのか。
 あの舞台が「非現実」であると見ると、強い国は、厳しい現実を持っている国だとも言えるのかもしれません。国自体が厳しい現実を持っていなくとも、今回のイタリアみたいにタイミングが厳しいこともあったり。ドイツが昔強かったのは、歴史的なことがあってどうしたって嫌われ者だった現実があったからかもしれないですよね。
 貧困や戦争や、スキャンダルやバッシング。
 そういった苦しさがあるからこそ、W杯という夢の舞台に、身も心も逃げ込んで、たった一ヶ月だけど、何もかもを忘れてそこにいられるのかもしれません。

 じゃあ、日本は恵まれているから勝てないのか?現実を厳しくすれば勝てるのか?
 多分、無茶苦茶厳しい逆境に放り込まれたら、意外なくらい勝つことはあるようにも思います。
 でも、だからってどういう負荷を作り出したら良いのか。みんなで代表の悪口を言うとかっていうんじゃぁ、勝っても素直に喜べなくなっちゃうし。気持ち良くないし。
 そういう「負荷」を作り出す方向とは真逆の発想を持つのも面白いかもしれないですよね。
 徹底してW杯の時の代表をとことん特別扱いして、積極的に「非現実」に送り出してみるとか。
 それもただの特別扱いっていうんじゃなくって、ドラマ性やストーリー性を持たせた特別扱い。
 宿泊先にメイドや執事を大量に送り込んでみたり。
 W杯を舞台にしたファンタジックな漫画やアニメを普段から大量に作って、代表選手は実名で登場させたりとか。
 とにかくもう、W杯期間を過ぎたら二度と現実に帰ってこれないくらいに、特別扱いをしてみるのですよ。
 赤絨毯の上を歩かせて薔薇を咥えさせてキャーキャー言われちゃうような、そんな感じですよ!

 まぁ、具体的なアイディアはいろいろ出せるかもしれませんが。
 とにかく、「あそこは非日常の舞台なんだ」と認識することで、そこへの準備、特に精神的な準備や入り方が見えてくるように思います。

 「現実に二度と帰ってこないぞ」

 それくらいの精神状態になることが、W杯で戦う選手たちには必要なのかもしれません。
 その精神状態をロジカルに作ることができたら。
 すごい力を発揮するのではないでしょうか。

 人間を踏み外すロジック。

 それを、危険でない形で実現することは、できないものでしょうか?
 スポーツの世界には、そういうメンタルテクニックもあるんじゃないかなぁ。
 誰か専門的に研究していたりしていないのでしょうか。

 漫画を描いている者としても、とても面白いテーマな気がします。
 また、漫画やアニメが発達している日本だからこそ、「非現実」に上手にダイブしていく手法があるような気がしてなりません。
 なんだか、荒唐無稽な話かもしれないけど、サッカーやスポーツの専門家に、こういうテーマで質問してみたくなりますね。
 個人的には、4年後に向けて、「人間を踏み外す精神状態のロジカルな作り方」について興味を持ってサッカーやスポーツを見ていきたいと思います。

 とにかく、面白い発見をしたW杯でした。
 4年後と、そこに向かっての日本や世界のプロセスが、今からとても楽しみです!!

 それでは、またです~。

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コメント

ベンゲル監督もすぽると!のインタビューで
「ドイツW杯は全体的にディフェンシブなサッカーばかりだった。それは国家を背負う
という重圧が、選手にとって大きな負担になっているからだ。これは選手の早期引退に
も繋がっている。
そんな中で、アフリカ勢のサッカーはエキサイティングなものだった。次回南アフリカ
大会ではもっとアグレッシブな試合を期待したい」
って言ってましたね。

確かに決勝トーナメントは、鍔迫り合いの中で一瞬の隙を突いて切り伏せるといった
感じの試合が多かったように素人の目から見ても思えます。
そういうのももちろん好きなんですが、サッカーというスポーツは「動」のスポーツ
だと思っているので、ベンゲル監督と同意見ですがもっとハデな試合を個人的には
期待します。

投稿: たなごん | 2006年7月15日 (土) 20:13

たなごんさん。こんばんは。コメントありがとうございます^^
ベンゲル監督のインタビュー内容はなるほど!と思わされます。
僕なんかは「国家を背負う重圧」というものの重さに、決勝戦まで全然気づいていなかったのですが、本当に凄まじい重圧なのでしょうね。
歴史の積み重ねやメディアの過熱っぷりやスポンサーの圧力や、様々なものが通常とは違ったものになるのでしょうね。
それによって選手の引退時期も早まってしまうのであれば、とても残念だし、なんとかできないものだろうか、と思ってしまいます。

そんな中でアフリカ勢は初出場国が多かったこともあってハツラツとしていましたよね。
南アフリカ大会では彼らがいよいよ力を発揮できる環境での試合ということになるのかもしれませんし。アグレッシブなサッカーを期待したいですね!

大会全体として攻撃的なものになるのかどうかは…難しいのでしょうね。
でも、スポーツの原点としての、「やって楽しい見て楽しい」というところに立ち返れるような動きが、少しでも出てくるといいなぁと思ってしまいます。

4年後に向けて、内容の充実を図る工夫がなされていくといいですよね。
Jリーグも再開したし、まずは僕らがサッカーを楽しむことですね!^^

またいらっしゃって下さいね。
今後ともよろしくお願いします!

投稿: だんち | 2006年7月19日 (水) 22:03

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