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2006年8月 8日 (火)

「ARIA The NATURAL」第19話を見た。

 こんばんは。だんちです。「ARIA The NATURAL」第19話を見ましたので、感想を書きたいと思います。
 非常に楽しい回でした。藍華祭りでしたね!

 脚本は今やすっかり「ARIAマスター」と化した藤咲あゆなさん。そして演出は佐山聖子さん
 女性で固めてきましたね!藍華のあのすっごく女の子らしいところは、やはり女性の手による演出が合いますね。そういえば、女性の演出家ってもしかして少ないのでしょうか。女性のアニメ監督とか…いましたっけ?…今回演出の佐山さんなんかはやられているようですけど…ぱっと思い浮かばない…。あれぇ?もしかして、女性演出家、女性監督って、人材不足なのかな(調べたところ、元々アニメ界ではセルアニメ時代に「女性は仕上げ」という振り分けがなされていたようで、演出家として雇うことがそもそも無かったようです。デジタル化などで今後女性の演出への進出も増えてくるかもしれませんね)。
 だとしたら、今回の脚本も演出も女性が担当した良作はけっこう貴重なのかもしれませんね。

 今回、原作も女性、脚本、演出も女性。しかもキャストもほぼ女性(男役含めて)。という、なんとも「女の子らしい」仕上がりになっていたように思います。
 その「女子だから分かる」感じが作品全体に一本筋を通していたように思いますし、30分通していいフィルムになっていましたよね。
 いや、改めて思い返しても、「ほぼ女性ばっかりで作る一本」というのは、なかなか普段のアニメーション視聴では味わえない面白い気持ち良さを生み出していたように感じます。勿論、男性スタッフもいっぱいエンドロールで確認できるわけですが、お話をメインでコントロールするところが、ほぼ女性だったように思います。そういえば、選曲の佐藤恭野さんも女性ですし。

 流星群の話の時、脚本が藤咲さんだったのですが、演出が男性でした。「これを女性が演出したらまた違ったものになるんだろうなぁ」と思ったりしていたのですが、そういう印象があったから、今回の佐山さんの演出が僕にとって際立った印象を残すものだったのかもしれません。
 今までのお話も確認すれば女性が演出した回はいくつかあるのかもしれません。「女性による演出」という観点で、そういった回を探して見直すのも面白いかもしれませんね。

 そして、佐山さん演出の今回、画面構成もとても良かったですね。元々実写をやっていた方で、実写に限界を感じてアニメに来られた方ということらしいのですが、「いい画を撮りたい」という強い欲求を持った方なのかもしれませんね。冒頭からタイトルが入るところなど、カットの長さの長短のバランスやアップとロングのタイミングなどが心地良く、とても印象的なカッティングでした。女性らしい内面描写と共に、映像作家としての確かな実力を堪能できる二本になっていたように思います。
 「NANA」などでも演出をされていらっしゃるようですね。今後は佐山聖子さんの名前を気にして見ていきたいなぁと思っております。

 お話の方ですが。前回の続きとして見ることができますね。
 前回、髪を切ることで自分らしさに出会った藍華。今回は、その自分らしさの中身を見せてくれたわけですね。
 それは泣き虫なところだったり、恋に臆病になってしまうところだったり。
 でも前回と違って、このお話ではアイちゃんと灯里のメールのやり取りは無し。ガイド役を藍華が担当した形になっている、ということなのでしょうけど。でも、マンホームとのメールのやり取りが無いということは、つまり今回のことは、「女の子の内緒のお話」でもあるのだと思えます。
 ウンディーネとして努力したり成長したりする彼女達の姿を見るのとは違い、年頃の娘さんらしい女の子の…しかも藍華のああいったエピソードは、べらべらと人に教えたりすることじゃないのでしょう。アイちゃんとのやり取りが無いことで、灯里もちゃんと女の子としてその辺りはわきまえているんだなぁということも思ったりしました。

 そういったことで言うと、僕らも今回のお話は、「いつもお仕事を頑張っているウンディーネさん」の、普段は見れない日常をちょっと覗かせてもらった、という感じになるのかもしれませんね。
 ネオ・ヴェネツィアの顔として観光案内をするウンディーネ達も、普段は普通の女の子で、泣いたり恋したりする。それをちょこっと覗いた僕達も、野暮な感想を述べたりせず、ちょっとニヤニヤしながら見届けて、今回のことを踏まえつつ、更なる彼女達の成長を見守るのが良いのでしょうね。
 でも、ああいうことがあってこそ、仕事に励む女の子は成長していけたりするのだろうな、なんてことは、見ていて思うことでもあります。
 藍華はやはり、灯里やアリスよりもちょっと先を行っているんだなぁと思いつつ、灯里やアリスもああやって、自分の感受性を持て余したり(灯里はこれについては共感を示しましたが)、恋に悩んで仕事が手につかなかったりすることが、いつかあるのかな、と思いを馳せてしまいます。

 生身の女の子らしさを、女性スタッフ達の手によって気持ち良く、そしてちょっと気恥ずかしく描いてくれた、お話。楽しみました。
 次回も楽しみです。

 ではでは、またです!

 参照:「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」
    :「『音響監督佐藤順一』の手法に注目してみる」

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コメント

こんばんは!

藍華が泣き出した理由を話したとき、灯里が「うん、わかるよその気持ち」といったのは
以前の輪っかの話と関係してるんですかね?
この場面、アリスは「???」なんですよねw

投稿: おちゃつ | 2006年8月10日 (木) 22:49

連続でスイマセン。
TBのアドレスを違う記事のと間違えてしまいました。
大変失礼しました!

投稿: おちゃつ | 2006年8月11日 (金) 18:32

おちゃつさん。こんばんは^^
あれれ?本当だ。TB先がトリニダード・トバゴ戦の感想になってますね。記事の下に出ている紹介文はARIA第19話になっているのに。いつもブックマークでトップページから見に行っているので気づきませんでした。
良かったら改めてTB送っていただければ、と思います^^

≫藍華が泣き出した理由を話したとき、灯里が「うん、わかるよその気持ち」といったのは以前の輪っかの話と関係してるんですかね?

おお!全然そんな風には思っていませんでした!でも、今回藍華はまさに輪っかの外側に自分がいる疎外感を味わったわけですもんね。その気持ちは灯里も味わったものだったわけですね。
そう見ると、やはり意味を持たせた丁寧なシリーズ構成をしているんだなぁと改めて感じます。
「輪っか」のエピソードは本当に灯里にとって大きな転機になっているんですね。教えて下さってありがとうございます^^

輪っかのことで藍華と灯里が共感できたのだとしたら、アリスがああいったことを感じるのは、まだまだ先なんでしょうね。疎外感に痛んで一人苦しむアリスなんて…見てみたいですね!!

ではでは、またです!^^

投稿: だんち | 2006年8月11日 (金) 20:27

TBを送り直しました
アドレスが294の方が正しいやつです。
お手数おかけします~

投稿: おちゃつ | 2006年8月11日 (金) 22:16

おちゃつさん、改めてのTBありがとうございます。確認しました。間違った方は削除しておきましたね。
今後ともよろしくです!^^

投稿: だんち | 2006年8月11日 (金) 23:29

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