キャラクターがモチベーションを引っ張るという経験。
その作品、お話は気に入っていたんだけど、キャラクターがもう一つしっくり来ていなくって、それで描き進められなかったんです。
エッチ描写は無しだけどSMをテーマにした漫画で、「Baby Dog」と似たニュアンスの恋愛ものなんですが、そのため、男の子と女の子のキャラクターがピンと来ないと、どうにも描けないわけです。
練り直すに当たって、まず女の子のイメージを考えて。「よし、あの人のイメージでいこう」と浮かんだ女性がいたので、その人のイメージをキャラクターに起こしてみました(絵を見ると、知っている人なら誰だか丸分かりでございますね)。
すると、えらくしっくりと来て。
「お…これは!」
と、高揚する気持ちになり、今度は男の子を考えました。この女の子の相手になる男の子は…こういう感じがいいだろう。と、イメージを膨らませて、見た目と違ってちょっと繊細で細やかなところのある人物なんかを思い浮かべたりしつつ、デフォルメして、描いてみました。
これもまた、ぴったりくる感じがありました。
そうなってみると、「このキャラクターを描きたい!」という気持ちが一気に盛り上がってきて、その時点で一日の仕事を終えてかなり疲労していたのですが、取り憑かれたように作品の冒頭1ページ分をざざっと下描きできて、ペン入れを担当してくれている血の繋がらない配偶者に押し付けて、一気にペンを入れてもらいました。
このページはまだ男の子だけしか登場していませんけれども。
今まで、なかなか描き進められなかったのに、キャラクターがしっくりくるものになったことで突然モチベーションが上がって、わっと作業ができたんですね。
これは、重要な経験をしたな、と改めて思います。
そのモチベーションを言葉で表現すると、これは恋愛ものなので、「この二人を早く幸せにしたい!」という、そういう気持ちということになるかと思います。
今までも、そういう気持ちになって作業したことはありますが、なかなか描き進められない作品のキャラクターを練り直して改めてそういう気持ちになったことは初めてでした。それによって、「描きたくなるキャラクター」というものが、どれだけ描く上でのモチベーションに大きな影響を与えるのかが、良く分かったように思います。
これは、物語というものの本質に関わる部分なのかもしれませんね。
今は、この経験を上手く言葉にまとめて、技術として昇華することはまだできませんけれども。大きなヒントを得たことは間違いないでしょうね。
感覚としては…「作者=主。キャラクター=従。」という関係ではなく、「キャラクター=主。作者=従。」という感じでしょうか。それは、言葉にしてみると普通のことでもあるんだけど、言ってみれば、「自分が従いたいキャラクターを生み出す」という部分にこだわって作業する、というのは大事なことなのかもしれないですね。
何はともあれ、モチベーションを持って描き続けてみて、そこから掴めるものを技術として確立、蓄積していけたらいいなぁと思います。
描き上げたら、何らかの形で発表したいですね。
他にも「いつどこ」や「幼馴染み~」や「Baby Dog」なんかも、「キャラクターとコミュニケート」しつつ、改めて進めていきたいと思います。
ではでは、まとまりませんが、この辺で。
またです!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント