« 「PERSONA3」の岳羽ゆかりちゃんをタブレットで描いてみた。 | トップページ | 「ARIA The NATURAL」第24話を見た。 »

2006年9月12日 (火)

「ARIA The NATURAL」第23話を見た。

 こんばんは。だんちです。一週間以上経ってしまいましたが、「ARIA The NATURAL」第23話の感想を書きたいと思います。一回見て、見直していないので記憶と印象を頼りに書くことになるとは思いますけれども。感じたことの要点をまとめられれば、と思います。

 今回のお話も、とても良かったです。特に、僕のような男性視聴者にとっては非常に感慨深いものがあるお話であったように思います。その意味では、男性視聴者と女性視聴者とでは受けた印象に大きな違いがあるお話だったかもしれませんね。

 僕は、見ていてお爺さんにものすごく感情移入して見ていました。
 奥さんに対する思いをずっと持ち続けて、おそらくは仕事を退職した後の旅行で、形としてその思いを伝えたいと願う老人。
 それは、まさに男達がならなければならない、一つの姿なのだと感じます。
 同時に、「おや。これは佐藤監督の奥様に対するラブレターか?」なんてなことも思ってしまいましたが。ふふふ。
 一人の女性を愛し続けて、年を取って、もうちょっとでその生涯を共に終えるという晩年。
 その女性との愛をああやって形にする。
 それを見たアリスが言った「美しい」という表現。それは本当に意味のある表現だと思えます。
 絵で見た時には、夕日に輝く海にしわしわの老夫婦二人なわけですが。それを「美しい」と言うのは、その姿に「美しい」思いと行動が伴っていたからでしょう。
 奥さんが少女時代に言ったことをずっと覚えていて、年老いてからでもなんとかその願いを叶えたいと頑張る老人と、その旦那さんをずっと支え、離れていても心を通わせて指輪を用意した老婦人。
 その二人が、人生の晩年に「永遠」ということを誓う。
 これはもう、本当に最高に美しいことなわけですよ。

 そして、それを灯里達若者が支え実現させ、その姿を目撃することにまた意味があるわけですね。
 アリシアや晃、アテナが連れてきたお客さん達が、皆若い人達だったことも意味があるように思えます。
 未来に大きな希望を持ったカップル、若い夫婦。そして子供。
 彼らが見たのは、自分達のあるべき未来の姿。
 美しい晩年。

 その姿を実現させ、未来ある若い人達に見せることをができたのは、照れ屋でちょっと気難しいお爺さんが、ずっと奥さんへの愛を持ち続けたからこそ。そしてその奥さんへの愛を形にして伝えたいという思いを強く持っていたからこそ。
 だからこそ、男である僕はその姿を見てとても感情移入していました。
 一人の男が純粋な思いを抱き続けることで、周囲を動かすし、願いを実現させていく。それは本当に素晴らしいことだと感動しました。

 また、このことにはメッセージもあるんだろうな、と思えます。
 一人の人をそこまで愛して、思いを持ち続けて感謝して振る舞うことが、今の男達はできているのか。
 それは、若い人も老いた者も。
 人を愛すること、愛し合う麗しい姿を実現し、その姿を未来ある者に見せることができているのか。

 過去からの積み重ねが現在を作り上げているのであれば、現在の積み重ねが未来を作っていくのでしょう。「美しい」姿を見せてくれた老夫婦が未来の僕らの姿であるならば、そうなるべき現在を積み重ねなければならない。
 それは、実は大きな覚悟と目の前の現実を受け止める強さが必要なのだと感じます。あのお爺さん、格好良くはないんですよね。でも、生きていくこと、当たり前に愛する人を愛することは、格好いいことでも特別なことでもなく、まさに「自然な」ことなのでしょう。その繕わない愛情の先にある姿が「美しい」を若者に言わしめるものになっていくのでしょうね。

 そして、アイちゃんが「すごいすごい!」と感激して、「皆の願いが形になる」と海との結婚式のことを表現するわけですが。皆の願いは、現在も幸せで、そして未来も幸せになることなのかもしれませんね。
 子供がいて、若者がいて、夫婦がいて、そして老人がいる。
 年代が違っても、皆が望むことは「幸せになっていくこと」。
 そのシンプルで自然な願いとその実現を見せてくれたことに、とても強いメッセージを感じます。
 特に、男子たるものは、人を愛することに対して大いに感じるところを持つべきお話だったように思います。

 美しく年老いる。
 その姿を、アニメの登場人物の姿を持って描かれて見せられたわけですが。そこに受ける感動から、「よし。俺も!」と思うこともまた、自然なことなのだろうと思います。
 また同時に、こういったお話を作って見せてくることができるのは、何故なのか、とも思います。
 作り手の持つものが、やはり出てくるものだと思うわけですが、そこに佐藤監督の奥様を愛する気持ちが滲んで見えるように思えてしまうのです。もし、そうであって、そういったものを作品に投影して僕ら視聴者に見せてくれているのであれば、それはまさしく人のために物語を紡げる者、「物語人(ものがたりびと)」の為せる業であることだと、深く感銘を受けるものでもあります。

 作品から何度も何度も語りかけられる。
 これは本当に素晴らしい視聴体験だと、心から思います。
 自分に作れる作品は、性質がまた違うものになるわけですが。それでも、作品を通して語りかけられる、そんな作り手になりたいものだと、念願せずにはおれません。
 このシリーズも残すところあと少しですが、最後に何を語ってきてくれるのか。
 本当に楽しみです。

 ではでは、またです!

 参照:「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語り人(ものがたりびと)」であること。…学習機会レポート2
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」  
    :「『音響監督佐藤順一』の手法に注目してみる」

|

« 「PERSONA3」の岳羽ゆかりちゃんをタブレットで描いてみた。 | トップページ | 「ARIA The NATURAL」第24話を見た。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/68871/11860811

この記事へのトラックバック一覧です: 「ARIA The NATURAL」第23話を見た。:

» 第23話「その 海と恋と想いと…」 [CHEZ MOKANA]
「アイちゃん、厳しかった夏の日差しも大分柔らかくなりました。でも、秋の観光シーズンはこれからが本番。今日は結婚記念日をこのネオ・ヴェネツィアで迎えられるご夫婦がお客様です。楽しみ♪」 【ここから先はネタば... [続きを読む]

受信: 2006年9月16日 (土) 23:04

» ARIA The NATURAL 第23話 [おちゃつのちょっとマイルドなblog]
ARIA The NATURAL 第23話、「その 海と恋と想いと・・・」。 年輩夫婦の結婚記念日でのお話。多少あざとい感じもしなくもないけど、とても感動的なお話でした。 [続きを読む]

受信: 2006年9月17日 (日) 00:52

« 「PERSONA3」の岳羽ゆかりちゃんをタブレットで描いてみた。 | トップページ | 「ARIA The NATURAL」第24話を見た。 »