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2006年10月11日 (水)

「ネギま!?」第2話を見た。

 こんばんは。だんちです。
 夕方放送の「ネギま!?」第2話を見ましたので、感想を書きたいと思います。

 原作は未読。前回のテレビシリーズは未見。
 「新房昭之監督作品」として視聴しています。

 今回、OPとEDがつきましたね。
 バラエティー色豊かな第1話を経て、何を見せてくれるのか。楽しみにしていました。

 そこで、まずはあのOP!
 見ていて、「なるほど!」と思わされました。

 整然と並ぶ机と椅子。
 必ず表示される割り振られた出席番号。

 それらは、規則や秩序。教育システムなどを表現しているのでしょうね。

 その中で、決然とした表情で居並ぶ生徒達。又はうなだれるネギ。力強く走り、向き合い…。ネギも走っていましたね。
 あるいは、既に崩れた机と椅子と生徒達。

 そして、「先生」と「生徒」とで一緒になって、積み上げられた机と椅子をぶち壊し、外に飛び出すわけですね。

 これは、反抗や抵抗。自立した意志などを表現しているのだと思います。

 つまりは、「用意され、それまで当然だと思っていた枠組みを、自らの意志を持って壊し、再構築していく」というテーマを見せてくれているのだと感じます。
 象徴的には「教育の枠組みと学生の本質的な成長」という構図を使っているのだとは思いますが、それは人間関係にも及ぶもので。そのことは歌の台詞の中にも表現されていましたね。守られている者が守りたいと願ったり、孤独の者を支えようとしたり。
 それまであったもの、用意された環境の中、自らの意志で関係や状況を変化させたり構築したりする。そのためには壊さなければならないものもある。

 そういったことを、非常に分かりやすく明確に、そして力強く訴えてくるOPだったと思います。

 そのOPを見て。「なんと!」と思いましたよ。
 ここまではっきりしたメッセージを訴えてくるとは!
 新房さんの作品はケレン味たっぷりの画面や演出を使いつつ、根底にある物語やメッセージはとても分かりやすくベタだと感じるのですが、まさにこの「ネギま!?」もそのようですね。

 志向するのは、「本格学園ドラマ」、又は「本格人間ドラマ」なのかもしれない。

 そんなことをOPで感じつつ本編を見ると。
 思った通りだったように思います。
 象徴的に描かれる存在が吸血鬼のエヴァンジェリンでしたね。
 学園の枠組みの中から永遠に出ることができない存在。
 そして、その枠組みを与えたのはネギの父親。
 ネギもネギで魔法使いとしての修行という枠組みの中にいる存在なわけですが。
 枠組みから抜け出そうと足掻くエヴァンジェリンは授業にも出ない。
 枠組みの中にいるネギはその彼女の担任。
 さて。
 では、ネギは何を考え、どう行動するのか?

 枠組みをはみ出そうとすれば、必ず何かを犠牲にしなければならない。
 又は、何か背負うべき責任に向き合わなければならない。

 枠組みの中から自由や自発的な意志による行動を勝ち取ることは、できるものなのかもしれないけれども。
 でも、それにより背負うものは何なのか。
 そこで、向き合わなければならないものは何なのか。

 今回出てきた「契約」ということとも合わせて考えると、枠組みは枠組みでしかない、ということなのでしょうね。
 先生と生徒という関係も、枠組みでしょう。
 でも、そこに本来あるものは、人間対人間、という普遍的かつ本質的な関係性なのかもしれません。
 そうなると、枠組みを壊せば済む問題ではなくなるし、枠組みの中にさえいれば出てこない問題も出てくるのでしょう。

 だからこそ。

 この作品が描こうとすることは、本格的な人間ドラマということになるし、それを学園という枠組みの中で表現していくことで「本格学園ドラマ」になっていくのではないか、と思えます。
 それこそ、「金八」並みに!
 ドリフネタも相変わらず使っておりますが。
 やはりテレビから…面白いテレビから多大な影響を受けてきた年代のクリエイター達が作るこの作品。「ベタで本格。そして面白い」というものを作ってくれることでしょう。それを、デジタル技術やアニメーションであることを最大限に利用活用して、また音楽や音響も派手に盛り上げ、見て楽しい聴いて楽しいものにもしていく。

 やはり。
 これこそがテレビ番組だよな、と改めて思います。

 娯楽であり、ドラマであり、バラエティーであり、そしてメッセージを持った作品である。

 テレビのスイッチを点けると、そんな番組がやっている。
 それはもう。
 とても幸せなことですね。

 そんなハッピーな気持ちを週に一回味わえることは、テレビというものが生まれてからの日常的なものでありつつも、失われていたものであったように思います。
 安易だったりつまらなかったり、無意味だったり恣意的だったりする数々の番組にうんざりしてきた僕にとって、テレビに対する失望や絶望は拭えるものではないかもしれません。

 でも、週に一回「ネギま!?」を楽しめる。

 それはやはり、テレビが与えてくれる幸せだな、と感じます。
 テレビって、やっぱりすごい。
 本気で作っているものはすごい。
 エンターテインメントは、人をハッピーにできるんだなって、改めて思います。

 そんなハッピーな高揚した気持ちを胸に、来週の放送を楽しみに待つことができる。
 それはとっても嬉しいことですね。

 来週も楽しみです!

 ではでは、またです!

 参照:「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語り人(ものがたりびと)」であること。…学習機会レポート2
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」

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