「涼宮ハルヒの憂鬱」公式ページ消失の感想。
こんばんは。だんちです。
アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の公式ページが小説「涼宮ハルヒの消失」の出来事を小説内の日時に合わせて演出したようですね。
面白いことだよなぁと楽しみつつ、アニメを見た時から一貫して感じてきていた物語のメッセージについても今回のことで改めて思うこともあったので、そのことを感想としてちょっと書こうかと思います。
原作ネタバレになりますので、未読の方はご注意下さい。
小説「涼宮ハルヒの消失」の内容について、ここであれこれ説明することは省きますが、印象的だなぁと思うのは、鍵をそろえた後として出てきた有希のメッセージですね。
「起動させる場合はエンターキーを、そうでない場合はそれ以外のキーを選択せよ。」
キョンに向けられたそのメッセージを、パソコンに向かいつつ自分が受け取る。
そういう仕掛けになっていることを見た時に、「あ。そうか、こっちはそういう立場になるんだ」と思いました。
つまりキョンと同じ立場ですよね。
大雑把にくくると。
「本来自分が歩む現実」と「夢想のような非現実」とのどっちを取るのか。ということ。
物語の中のキョンは、「非現実的な現実」を生きていて、「誰もが普通であるという非現実」に放り込まれて、どっちを選ぶか、を迫られます。
でも、それを誇張表現として捉えて、「思い通りになんかならない現実」と「思い通りになる非現実」という見方をしてみると。
「現実に向き合う」か「背を向ける」か、の選択がそこにあるんだろう、と感じます。
で。
その立場を自分達がちょっとだけ演じることができる。
皆さんもしたかと思いますが、僕はエンターキーを押しました。
それは、「現実を選ぶ」という行為を自分も疑似体験することなわけですね。
最初、そんな風には考えていなかったのですが、「選択せよ。」と言われ、「よし。押すか」と思った時に、「あ。これは疑似体験だ」と感じたわけです。
言うなれば、これはただの遊びなわけですが。
それでも「選択せよ」と言われて選択する。
その一瞬は、やはりちょっと何か感じるものがあるよなぁ、と思うんですね。
小説もアニメも「現実」「非現実」というものについて、ライトな物語の立場を取りつつメッセージを発信していると僕は思っています。
その本質があるからこそ、このちょっとした遊びに乗ってエンターキーを押す一瞬に、「選択」というものの意味をほんの少しだけでも感じ取ることができるのかもしれませんね。
つまり。
疑似体験としてエンターキーを押す、ということは。
「自分の現実に向き合って生きていく」
ということの選択そのものである、ということですね。
大袈裟に言えば。
ね。
でも。
これが、ただの遊びで、そこには何のメッセージもなかったとしても。
物語が疑似体験として与えられるものであれば。
やはり、エンターキーを押したこの人差し指の感触は、
ずっと残っていくのだと、
そう感じます。
とても楽しい、そして興味深い疑似体験をさせてもらったなぁと思います。
物語が人に与えていくものって、やっぱりこういうものだよなぁ、ということも改めて感じました。
改めて、「消失」を読んでみようっと。
刃を突き刺されたキョンの痛みに思いを馳せつつ。
ではでは、またです!
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コメント
こんばんは。すっかりご無沙汰しておりました。たこーすけです。
ぼくも、今回の一連の「消失」を楽しみました!
いやしかし。
>物語の中のキョンは、「非現実的な現実」を生きていて、「誰もが普通であるという非現実」に放り込まれて、どっちを選ぶか、を迫られます。
を
>「思い通りになんかならない現実」と「思い通りになる非現実」
と捉えるのは流石だんちさんです。唸りました。
うん。なるほどなあ。
疑似体験。
ぼくは何回も試してエンターキーを押しまくったので、それだけ色濃く残っています。
あ。何回か他のキーも、試しに押しちゃったんですけども(笑)。
それにしても。
放送終了後、半年も経とうかというのに、スタッフの方々のこのこだわりよう!
SOS団公式サイトを担当していらっしゃるのは、「製作:SOS団」のうちのどの方々なのかわかりませんが、一つ確かに言える事は、みなさん「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品を愛して、本当に楽しんで作っているんだなあということだと思います。
ほんと、この心遣い!嬉しいですよね。
なんというか、素敵なおもてなしを受けた感じというか。
春から始まったこの作品。ほんと良い一年でした。
年が明けてもまだ何かあるのかな?
あ。EDフルバージョンがこれからですか!
楽しみですね。
それでは。
投稿: たこーすけ | 2006年12月22日 (金) 03:40
たこーすけさん、おはようございます。
お久しぶりです!!お元気そうで何よりです!^^
そしてブログ開設おめでとうございます。
ついにやりましたね。お忙しいでしょうけど、楽しみにしておりますので、いっぱい記事書いて下さいね!
今回の消失騒動、そしてその後のメルマガと、非常に楽しかったですね^^
騒動そのものも楽しかったのですが、たこーすけさんからメールが来たり、Iuthさんが掲示板に書き込みをくれたり、本放送の時に一緒に盛り上がっていた人達がまたコンタクトしてきてくれたことが、非常に嬉しかったです!
>と捉えるのは流石だんちさんです。唸りました。
「だんち流」ですな(笑)
物語の中で「現実」と「非現実」が逆転するところがすごく面白い仕掛けですよね。
物語の登場人物が、物語の中にいることを自分の意志で否定するのか肯定するのかを迫られて。
そこには「こっちもこっちでけっこう辛いんだよ」なんていうキョンの声が聞こえてきそうですよね^^
>あ。何回か他のキーも、試しに押しちゃったんですけども(笑)。
あははは。じゃあ、たこーすけさんはもうこっちに戻って来れないね(笑)
そっちのたこーすけさんの世界では、僕はすごい口数の少ない引っ込み思案になってたりしてね^^
>みなさん「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品を愛して、本当に楽しんで作っているんだなあということだと思います。
本当に仰る通りですよねぇ。
それに、一緒になって盛り上がっている側もまた、本当に作品を大好きで楽しんでいますよね。
一緒に盛り上がることで、皆でSOS団!っていうのが、ナイス心意気ですよね!
>あ。EDフルバージョンがこれからですか!
楽しみですね。
ちょー楽しみですよ!
第二期もそんな遠くないうちにあるでしょうし、勿論原作も続いていますし。たこーすけさんもブログ始めたしね^^
これからもまだまだいっぱい楽しみましょうー!
ではでは、またです!
投稿: だんち | 2006年12月23日 (土) 06:23
どうも。消失祭りなどという楽しげなものがあったことに、まるで気づかずクリスマスを過ごしたmementoです。
祭りには完全に乗り遅れましたが、僕なら迷わずEnter以外のキーを押していたでしょう。小説という非現実世界での、さらに涼宮ハルヒという非現実の人物によってつくられた(かもしれない)世界から、さらにもう一段の非現実世界へジャンプしたらどうなるかっていう命題は魅力的ですし。つーか、年末の忙しさで今、無性に現実逃避したい気分なんですが…。
しかしなんですな、小説ではキョンの選択によって、世界は復元されたってことになってますけど、有希は朝倉涼子と闘ったときに眼鏡復元し損ねてたりしてますからね。案外細かいところでは元と違ってたり…。それこそ有希の胸が微妙に以前より膨らんでたり…。
ああ、やっぱり夢想に逃げ込みたがってるな。いいかげん現実に復帰します。
それではよいお年を。
投稿: memento | 2006年12月26日 (火) 13:57
mementoさん、こんにちは^^
消失祭り、三日間だけでしたからねぇ。
なかなか油断ならない公式ページです。次は何をやってくれるんだろう?年始とかバレンタインとか、注意しておきましょう!
>さらにもう一段の非現実世界へジャンプしたらどうなるかっていう命題は魅力的ですし。
非現実の非現実は現実なんですよ。きっと。ややこしいですね(笑)
>つーか、年末の忙しさで今、無性に現実逃避したい気分なんですが…。
お疲れ様です。うちのエロいハルヒさんで良ければ現実逃避にたっぷり使ってやって下さい^^
今年ももうあとちょっとですねぇ。いろいろやらなくちゃいけないことがあっても、年末だとついついのんびりしてしまいます。いかんいかん。
>有希は朝倉涼子と闘ったときに眼鏡復元し損ねてたりしてますからね。案外細かいところでは元と違ってたり…。それこそ有希の胸が微妙に以前より膨らんでたり…。
あははは(笑)実はドジっ子は有希だったりしてね^^
胸がちょっと膨らんだ有希、いいですね!!5ミリとか、すごくちょっとした差なんだけど。人にバレない範囲でこっそりと膨らませてたりして。
でも、ハルヒには気づかれて「有希、胸どうしたの」ギクッ…「………」(「なんでこっち見る!?」byキョン)みたいな^^
実はちょっとセクシーになりたがってる有希、なんていうのがあったら面白いですよね。
…個人的には…
有希のスカートが短くなっているとか!
ご…5ミリでもいい…
そういや「ドラえもん」でも願望が叶うっていうので、女の子のスカートをどんどん短くしていく話があったなぁ…
なんか。
すげぇちっせぇ話をしている気がする^^;
よし!ちっさくいこう!!
>ああ、やっぱり夢想に逃げ込みたがってるな。いいかげん現実に復帰します。
結局、エンターキーは押さにゃならんわけですな^^;
僕んところのブログでよければ、いつでもいくらでも夢想しにいらっしゃって下さいね!
よいお年を!!
ちょっと早いですけど、来年もよろしくお願いいたします!!
投稿: だんち | 2006年12月27日 (水) 18:41
こんにちは。たこーすけです。
だんちさん、mementoさん、ぼくのブログの方への早速の書き込み、大変ありがとうございました!
この消失祭りで衝動的に始めてしまいました。どうぞよろしくお願いします。
ハルヒ第2期で、だんちさんとトラックバックをばしばし撃ち合うことが目標です!
掲示板の方の話になりますが、ぼくも七夕の頃を思い出してしまいました。
あの時、Iuthさんが教えて下さったおかげでギリギリ間に合ったんだよなあ。
それで、あの時にSOS団団員登録をして。そのおかげでメルマガが届いたわけで。
ほんと、Iuthさんに感謝です!ありがとうございました。
mementoさんの
>有希は朝倉涼子と闘ったときに眼鏡復元し損ねてたりしてますからね。案外細かいところでは元と違ってたり…。それこそ有希の胸が微妙に以前より膨らんでたり…。
おー。たしかに!そうだった。
それはそうですね。どこか違っているのかもですね。
というか冷静なドジっ娘とかwwすごくいい。
胸の膨らみ加減は、あくまで微妙なところが、またたまらないですね!
とか、思っていたのですが。
何気にこれmementoさんすごいこと言ってないですか?
「消失」以降の作中の変化、新たな流れのうちのいくつかは、この「復元し損ね」に起因しているかもってことですよね?
あー。なんだろ。なんかあるかも。
この視点で読み返してみると、面白いかも知れませんね!
今度読み返してみようっと。
それでは。
投稿: たこーすけ | 2006年12月28日 (木) 13:50
たこーすけさん、こんばんは^^
ブログへの書き込み、ばりばり行きますよー。
もうやめて!許して!って泣かれるくらい猥雑な書き込みをしてやる!
げひゃげひゃ!
ハルヒ第二期では、是非もう、トラックバックしまくりましょうね!!
七夕の時はまだ原作読んでなかったけど、「おお。粋なことするなぁ」と思ってましたねー。
でも、「願いを書け」って言われても、願いが無くって。困ったなぁと思っているうちに終わってしまったことも今となっては良い想い出です。
けっこう漠然と生きているんだなぁ俺。
>何気にこれmementoさんすごいこと言ってないですか?
>「消失」以降の作中の変化、新たな流れのうちのいくつかは、この「復元し損ね」に起因しているかもってことですよね?
>あー。なんだろ。なんかあるかも。
>この視点で読み返してみると、面白いかも知れませんね!
おお!!なるほど。それは面白いですね!!
有希の「最初の」誤作動は、ただの間違いではなく、無意識の主張だと見ることができるのかもしれませんね。
キョンの前だと素顔でいたい。という。
それでいうと、消失の時に眼鏡っ子に戻っていたのは「違う自分でいたい」という意識的な主張だと見ることができるのかもしれませんね。
そう仮定して、復元をした時に「し損ね」があるとしたら、そこには有希の無意識の主張、本当の願望がある、ということになるかもしれませんね。
そう見ると、それは彼女自身の変化のところにあるのかもしれませんよね。
僕らが好きで何度も読み返している「陰謀」とか、そういうところがちょこちょこ見れるのかも。「同期」の拒絶とかもその辺りと関係があったりとか。
なんてな見方もできるかもしれませんね^^
お互い、しゃぶり尽くすがごとく読み返して原作も楽しみましょう!!
そういや、原作の感想記事も書かれます?楽しみにしちょりますぜー。
ではでは、またです~^^ノ
投稿: だんち | 2006年12月30日 (土) 03:38
大晦日に、こんばんは。たこーすけです。
といいつつ、七夕のこと。
>でも、「願いを書け」って言われても、願いが無くって。困ったなぁと思っているうちに終わってしまったことも今となっては良い想い出です。
ぼくも、「うーむ」と悩んだ末に結構つまらないことを書いてしまって。
失敗したなあと後悔しつつ、いろいろサイトを巡っていたら!
どこのブログかサイトさんでしたか、ちょっと忘れてしまったのですが、
アルタイル宛て(16年後に叶えて欲しい願い事)「15年前にハルヒ第二期が京アニでやりますように」
ベガ宛て(25年後に叶えて欲しい願い事)「24年前にハルヒ第二期が京アニでやりますように」
というのがありまして!(細かな表現は違ったかもしれませんが)
これだ!と思って、改めて書いたことを思い出します。
原作の感想は、うーん、どうしよう……
特に単体の記事にするつもりは今のところないです。
だんちさんの『小説「涼宮ハルヒ」シリーズを読んでみた。』の方に、感想コメントを書き込ませて頂こうかなあと思っているところなのです。明日かな。
って、明日。もうお正月か!
それでは、よいお年を。
投稿: たこーすけ | 2006年12月31日 (日) 19:06
たこーすけさん、大晦日の夜にこんばんは^^
>これだ!と思って、改めて書いたことを思い出します。
おぉ。なるほど!そういう手があったんですね。粋だなぁ。
その願いはきっと実現することでしょうね!^^
>だんちさんの『小説「涼宮ハルヒ」シリーズを読んでみた。』の方に、感想コメントを書き込ませて頂こうかなあと思っているところなのです。明日かな。
おっほ!正月からいきなりですか!!そいつぁ新年早々嬉しいことでございます^^
原作の感想もまた一緒になって盛り上がりたいですね!
本年はいろいろとお世話になりました。お蔭様で大変楽しいブログライフを送ることができました。きっと来年もいろいろお世話になることでしょうけれども。是非ともよろしくお願いいたします^^
ではでは、よいお年を!!!!!!
投稿: だんち | 2006年12月31日 (日) 19:58