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2007年3月28日 (水)

「ロケットガール」第5話を見た。

 こんばんは、だんちです。WOWOWノンスクランブル放送にて「ロケットガール」第5話を見ましたので、感想を書きたいと思います。
 一週間経ってしまって、第6話の放送があと少しで始まりますので、手短に…。
 原作は未読。アニメーション作品として楽しみつつ、中瀬理香さんのシリーズ構成作品として、物語構成の技術について学んでいく視点で視聴しています。

 今回、ロケット打ち上げがなされたわけですが。30分の中で紆余曲折が描かれながらも、比較的あっさり打ち上げられたことは、1回の打ち上げを描こうというわけではない、ということなのでしょうね。

 「大人と子供」「親と子供」という関係性のドラマを描こうとしている作品である、と僕は見ているわけですが。
 その前提からするならば、この第5話の時点でのゆかりはそこの関係に関して、まだ何も解決していないわけですね。
 その未解決の部分を含んだ打ち上げは、結果的にコースを大きく外す失敗となってしまいます。

 では、何が未解決なのか。
 ゆかりの母親が登場したことで、そこが少し見えたように思います。
 ああやって、ゆかりがハンストをして部屋に篭っているところにお母さんが現れて、さて、どうなるかな?と思ったらば、ゆかりはけっこうあっさり母親の言うことに従うわけですね。
 で、母親がすぐ帰るっていうんで「私に会いに来たんじゃないの?」と言うと「諸々のついでよ」と言われる。この台詞を聞いた時に、「うわ、ひでぇこと言うかぁちゃんだな」と僕は思ったんだけど、ゆかりはそれよりも、寛氏と会っていかないのか、と母親のことを気遣うんですね。
 この一連の母親との絡みを見た時に、「あぁ、なるほど」と思うことができました。

 ゆかりは、母親に対して不満や言いたいことがあっても、「一人で自分を育ててくれた」という苦労を、よく分かっていて、素直に甘えることができないのでしょうね。

 母親が仕事で忙しいことにしても、自分を育てるためには仕方のないことだ、という「理解」がある。
 聡明な子なんですね。
 その理解があるからこそ、自分の気持ちを素直に母親に晒すことはできない。
 母親の方からしてみたら、大人達相手に「ハンストだ!」と言って部屋に篭っているゆかりは、年相応に甘える子供らしい生き生きした様子に見えたんじゃないでしょうか。
 だからこそ、去り際に「はまるかもね」と言ったのかもしれませんね。

 とはいえ。
 ゆかりは、まだまだ肩肘を張って虚勢を張って、素直な気持ちを表に出せない。
 子供らしく大人に甘え、弱い部分を晒すことができない。

 だから、非常に余裕が無い。
 ロケット打ち上げ、というデリケートな工程に耐えられなくなり、強引に宇宙に飛ぶ。
 そして、コースが外れて、孤独な状況に陥る。
 まさに、現在のゆかりの問題そのものが顕在化したエピソードなのだと思います。

 前回の感想で「大人側の役者が揃った」と書きましたが、僕は、ゆかりが「対大人」「対親」という問題に向き合っていくならば、同時に、必ず「同年代の友達や仲間」というものが、存在としてクローズアップされてくるのだと思っていました。
 大人との関係が、いわば過去からの問題であるのだとしたら、同年代との関係は未来の問題、ということになるからです。
 親や大人達との関係がゆかりの中できちんと落ち着くものになっていけば、同年代に対しても、もっと素直に心を開いていけるようになるのでしょうね。

 それがどう描かれていくのかな?というところも注目していたのですが、今回のトラブルでマツリが立ち上がるようですね。
 ハンストの時も、ゆかりのことを心配していたのはマツリだけだったわけですし。
 親や大人からの愛情を充分に受けていなくて、人に対して素直に甘えることができず、年相応の女の子らしさを表に出せず、余裕が無く、そして結果的に「孤独」に陥ってしまったゆかり。
 そのゆかりを助けるのは、同年代で、そして親の愛情を受けて育ってきたマツリ。ということになるのでしょう。

 そしてまた、次回予告の中で、大変な状況に陥ったゆかりの様子が母親に伝わるようですね。ゆかりにはもう一つ伝わっていないようだけども、おそらくは愛情を持ってゆかりを育ててきたであろう母親も、このゆかりのトラブル(象徴的な「孤独」)に対してどう動くのか。きっと何らかのアクションを起すことでしょう。

 となると。「対大人」「対親」という、ゆかりにとって未解決の部分と、そこから生じる「対同年代の友人や仲間(心を開いて共に未来を築いていくべき存在)」という大切な部分とに対して、同時に大きな動きを見せてくることになるかもしれませんね。

 だんだん、この物語の全体像が見えてきたように思います。

 そして、こういうことはやはり、他人事じゃないですよね。
 僕は、僕の人生経験の中から、ゆかりのような問題があることを知っています。
 だから、「あ。この物語は、すごく深刻なことを訴えようとしているな」と感じたりするのですが。

 僕は、大人の立場に立って、ゆかりのような子を前にした時に、どう振る舞うべきなのか、どう心を砕いていくべきなのか。そういったことに思いを馳せないではいられません。
 そして、多くの視聴者に、ゆかりの抱えている問題のリアリティというものを感じ取って欲しいなぁとも思います。

 ロケット打ち上げをモチーフにして、こういう問題を浮き彫りにし、そして解決のためのドラマを描こうとしているように思えるこの作品。
 すごいことだと思いますよ。
 しかも、それをエンターテイメントに仕立てているわけですからね。

 問題を明確にしていきつつ、深刻さをオブラートで包み見やすいものにし、そして、解決へと導く。
 その構成は、王道といっていいものかもしれません。
 深刻さや問題を提示し、なおかつそれを楽しく見せる。

 一視聴者として楽しく視聴しつつも、物語を作る人間としてもとても勉強になるし、その作り方、姿勢に共感を抱かずにはおれません。
 もう、あと20分くらいで第6話ですね。
 いよいよ中盤。
 これからどう描かれていくのか、楽しみです!

 以上で「ロケットガール第5話」の感想を終わります。
 またです!

 参照:「ロケットガール」第1話を見た。 「ロケットガール」第2話を見た。 「ロケットガール」第3話を見た。 「ロケットガール」第4話を見た。
    :「なぜアニメの感想を書くのか。どういったスタンスで書くのか。」
    :「物語り人(ものがたりびと)」であること。…学習機会レポート2
    :「物語作りの基礎。普遍的土台と誇張表現の調和により生まれる適度な感情移入…学習機会レポート」

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» レビュー・評価:ロケットガール/MISSION 05 イグニッション −ignition− [ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン]
品質評価 34 / 萌え評価 5 / 燃え評価 14 / ギャグ評価 16 / シリアス評価 10 / お色気評価 21 / 総合評価 17レビュー数 55 件 突然アクシオ島にあらわれた母・博子(ひろこ)にまるめこまれ、渋々新型ハイブリッド燃料の使用をみとめたゆかり。ついにSSAは日本初の有人ロケット打ち上げを発表。つめかけた報道陣のカメラを通し、恥ずかしさをこらえるゆかりと、てんで気にとめないマツリのあられもない(?)スキンタイトスーツ姿が世界をかけめぐる。打ち... [続きを読む]

受信: 2007年11月27日 (火) 01:05

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