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2007年4月 4日 (水)

「クリエイター」と自称することの違和感。

 こんばんは、だんちです。
 漫画を描いていて、「表現」をやっている人間として、ちょっと思ったことがあったので、書き止めておきます。
 自分に向けたメモみたいなもの、ということで。

 アニメが好きでよく見ているわけですが。
 演出家や制作者が「クリエイター」だの「クリエイター集団」だの、と自称することに違和感を感じます。
 作品の評価云々とは完全に切り離したところでのことですが。

 演出家なら演出家、アニメーターならアニメーターと言えばいいじゃんかよ、と思うんですね。

 「クリエイター」というのは、スポーツ選手が「アスリート」という大枠に括れるのと同じくらい、すごく大雑把なものだと思います。
 アスリートが自分のことを「アスリートです」なんて言うのかっていったら、言わないですよね。「サッカー選手です」「野球選手です」「ボクサーです」と言うことはあるんだろうけども。

 「クリエイター」と自称することには、過剰な自意識とコンプレックスとが透けて見えるように感じます。
 ちょっと、臆病に感じるんですね。
 もし、プライドを持って「クリエイターでござい!」と名乗るのなら、もう一言付け加えるべきなんじゃないかなぁと思ったりします。
 その一言とは、

 「プロフェッショナル」

 「プロフェッショナル・クリエイターです」って、言ってみたらどうよ?って思うんだけど。
 だって、ただ単に「クリエイター」って言うだけだったら、それってアマチュアも含まれるわけだから、ものすごく言い訳しやすい立ち位置になっちまうと思うんですよね。
 製品、商品として作っているのに売れなかったとしても「クリエイトした」ということで言えば、確かにそうかもしれない。
 人を楽しませる作品を作っていながら、人を楽しませられなかったとしても「クリエイトしたんだ」と言えてしまうかもしれない。

 だけど、「プロフェッショナル」とつけたら、そんなことは基本的に許されないわけです。
 どうでしょう。一言付け加えるだけで、相当に意味合いが違って感じられるでしょ。
 でも、プロで表現をやるなら、そういうことだよね。
 ただの「クリエイター」じゃなくって、事実として「プロ」なんだから。
自分のことを「プロフェッショナル・クリエイター」なんて名乗ることは、相当のプライドの高さと自信、そして主張と精神力が必要になることだと思います。
 半端な肩書き名乗るくらいなら、それくらい言ってみたらいいと思うんだけどな。

 なんだか。
 ちょっと、便利で逃げ腰で、ものすごく後ろ向きな肩書きに思えるんですね。「クリエイター」と名乗ることって。

 そんな自称よりも、我が敬愛するアニメ監督が言う「アニメ屋」という言い方の方が僕はずっと信頼が置けると思ってしまいます。
 それは、職業を明確に意識した自称で、本質的なプライドの高さを感じさせるものですし、清々しい。

 根本的な発想が違うんだろうな、とも思います。
 後者は、「クリエイター」というカテゴリーにいつつも、「エンターテイナー」というカテゴリーに属するんだと思うんですね。
 僕ら漫画を描く人間もそうですが、人前に作品を提示して、人を楽しませようとする者は、クリエイターであることはそもそも大前提でわざわざ名乗るようなものではなく、そこよりも更に進んで、「エンターテイナー」であるべきなのだと思います。

 「クリエイター」であることは、受け取り手が不在でも、又は受け取り手の満足がなくとも、ありうるかもしれない。
 でも、「エンターテイナー」であることは、受け取り手の存在や受け取り手の満足というものが絶対不可欠なものになります。
 プロの表現者は、受け取り手の満足を常に考えていくべき、「エンターテイナー」であるべきだ、と僕は考えます。

 アニメ関係者だったり漫画関係者だったり、表現をする多くの人達が、「クリエイター」なんていうどこか日和った逃げ腰な自称をするんでなく、「自分はエンターテインメントをやっている、エンターテイナーだ」と胸を張って自称するようになっていって欲しいなぁと思ってしまいます。

 勿論、自分もエンターテイナーになりたい。
 昔、「自分の表現したいものを表現するのが漫画家ではない」ということを編集者から言われたことがあります。でも、だからといって表現したくないもの、表現できないものを無理矢理ルーチンワークで表現するようなロボットなんかにゃなれないわけです。
 そこのところで悩み苦しむ漫画家はすごく多いと思う。悩んで描けなくなったり、悩むことから逃げて非常に情けないことをしてみたり。
 そして、そのことは漫画家だけでなく、多くの職業表現者が経験することなんでしょうね。

 自分が表現したいものと、お客さんの満足とを合致させていく。
 それが、エンターテイナーに必要なことなんだろうな、と今は思っています。

 そんなわけで、「クリエイター」と自称することの違和感について語ることで、自分の立ち位置や方向性を再確認してみました。
 「エンターテイナー」
 …なりたいなぁ…。

 頑張ろうっと。

 ではでは、またです!

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