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2008年5月 4日 (日)

タブレットのペン先を替えてみた。

 こんばんは、だんちです。
 昨日は、「都産祭」および「ハルヒの大号令」に参加された皆様、お疲れ様でした。
 あいにくの雨の中、多くの一般参加の皆様もいらっしゃって。お手伝いさせていただいた「Tail BeLL」さんのスペースにも多くの方に来ていただけました。
 尾鈴さんとの合同誌「ふれあい」も、委託させていただいた「涼宮ハルヒさんの危険な愛体験」も多くの方に手に取っていただけました。
 見て下さった方、買って下さった方、感想を仰って下さった方、皆様ありがとうございました。今後とも「Tail BeLL」並びに「妄想界の住人は生きている。」をどうぞよろしくお願いいたします。

 ところで。尾鈴さんは僕にとってデジタルカラーの先生なのでございます。尾鈴さんのアドバイスに従い、ペンタブレットのペン先を換えてみました。
 描き具合を確かめるべく、タブレットのみで一枚ちょこっとハルヒさんを描いてみました。

Haruhip
 
 
 
 
 
 
 
 いつものアニメ塗りではなく、ブラシを使ってCGっぽく、をテーマに。
 下書き、ペン入れは「コミックスタジオプロ3.1.8(いつバージョンアップするのだろう)」。色塗りはフォトショップ。

 〆切、〆切、「COMIC1」「ハルヒの大号令」と修羅場が続いていたので、PC周りがあまりにもグチャグチャになってしまっていて。キャラ表(「涼宮ハルヒの公式」をコピーしたもの)を見つけることができず、記憶で描いてみたので、髪の毛の量がなんだか少なめになってしまった。
 スカートのしわも何も見ないで描いたので、まぁ仕方ない。
 一枚絵はまず資料から。なんでしょうね(や、漫画も資料集め重要ですけれども)。
 でも、今回は塗ることがテーマなので、その辺はとりあえず気にせず。

 昨日の「ハルヒの大号令」で尾鈴さんのスペースで売り子のお手伝いをさせていただいたのですが。その時に、尾鈴さんから「タブレットのペン先って換えてますか?」と聞かれまして。
 僕は、タブレットは人から譲っていただいたものをそのまま使っていたのですが、タブレットのペン先が交換できるものだということを全く知りませんでした。
 知人がずっと使っていて、さらに僕が使って、というタブレットだったので、そのペン先はかなり削れてしまっていて、偏った形で尖ってしまっていたんですね。
 そのことをお話しましたら、尾鈴さん。新しいペン先を譲って下さいまして。
 しかも、根元にスプリングのついているペン先(「標準芯」というのではなく「ストローク芯」ってやつかと思います)。

 「普通のペン先よりも筆圧が再現できるもので、もしかすると慣れるまで違和感があるかもしれませんが。でも、ペン先を換えるだけでかなり描き味が違いますよ」

 とのことでした。
 なるほどそれはそうだよなというお話で。その辺りはアナログのペン先とも一緒なのでしょうね。
 道具の管理、質に気を配るということは、絵を描く上では基本中の基本なわけですが、デジタルにおいてもそれは重要なことなんですね。
 とても大事なことを教えていただけて、しかもペン先まで下さって、大感謝です!

 さて。実際にペン先を換えて描いてみたわけですが。
 「違和感」とかそういうものは全くなく、逆に「あぁ。これがタブレット本来の描き味か!」という印象がありました。
 今までは、変に尖ってしまったペン先だったからなのかポインタが思ったような動きをしてくれないところがあって。どうしても、アナログの時のようなしっくりくる感じが得られないでいました。
 でも、ペン先を換えてみると、タブレットと指先の感覚がかなりシンクロする気配があって。「これなら、PCでも絵が描けるかもしれない!」という手応えがありました。
 いやすごい!

 そして、「無知」ということは自分の可能性を狭めてしまうものなんだなぁと改めて実感。
 本当にいいことを教えてもらった!! 

 タブレットのペン先のことだけでなく、尾鈴さんのCGの描き方についても少し教えていただいたのですが、レイヤーはかなりの枚数使うとのこと。99枚レイヤーを使ったこともあるとか。
 なるほど。そういうところでもケチケチしちゃいけないんだなぁと思って、「よし俺も!」とか思って、今回のハルヒでは(人物の仕上げに関して)33枚レイヤーを使ってみました。いろいろ試したり直したりがすごくやりやすかったように思います。

 僕は、今までカラーを描いてもアニメ塗りばっかりだったわけですが、じゃあ、ブラシなんかも使って塗るってなった時に、どう塗るのか、は考えるところでした。

 要は「どんな絵を目指すのか」。のところですね。
 人のCGを見て「うおっすげぇ!」って思ったところで、自分にそういうことができるわけではない。
 例えば、「@ アール クゥ~ボー」のてるるさんのような色使いなんか、いつもすっげぇ見惚れています。同時に、僕にはとてもあんな見事な色使いはできないということも思い知らされます。

 じゃあ、僕の中にある「色」や「画」はどんなものなのか。

 僕がアニメ塗りばっかりしているのは、それは「それしかできない」ということと同時に「それが好き」ということでもあります。
 だったら、色を塗る時もその自分の中にある色使いから逸脱するのではなく、そこを生かすようにするべきだろう。と思考は進み。
 イメージが固まってきました。

 漫画描きの僕の画の原点は、やはり「線画」なんですね。だから、色もトーンを貼るように「置いて」いく傾向がある。僕にとって「色」は「情報ツール」ということなのかもしれない。ならば、「平面」を意識しよう。と考えて。

 で。最初に基本の色を置いたら、寸止め的にちょっとだけ色を深くした影を塗っていって、ハイライトもなるべく寸止めの色使いにして。
 最後に、心持ち思い切り深くした影の色をポイントを絞ってアクセントとして塗って。

 主線の色も黒のままだし、いつもの感じと大して変わんないかもしれませんが、やってみたら、「うん。俺はこの方向だ」としっくり来る感覚がありました。
 主線をいじるとまた違った感じもあるでしょうから、今度やってみよう。

 技術は分からないことだらけですが、これからもいろいろと教えていただきながら、この方向を煮詰めていきたいと思っております。
 カラーの修行も続けていきますが、そろそろまたバトル漫画の続きも描きますぜ!!
 また、いろいろと見てやって下さいね。

 
 ところで、お名前を挙げさせていただいたてるるさんですが。
 昨日の「ハルヒの大号令」の後のmaepyさん主催の飲み会で少しお話させていただきました。
 てるるさんは飲み会ではいつも盛り上げ役に徹してあっちこっちの席に飛び回るので、ゆっくりお話する機会はなかなか無いのですが、昨日は僕のところにも来て下さって、「格闘技の漫画読んでます!」とキラキラした目をしながら仰って下さいました。
 飲み会で同席させていただいたのは昨日で二回目で、一回目の時は彼のおっぱいを揉んだだけでお話はしなかったんですね。
 でも、絵を描くきっかけのこととかちょっと伺ったりできて。お話できて良かった。
 「文章も読んでて勉強になります!」とまで仰っていただけてびっくり。やー、いつもの長文まで読んで下さっているとは!
 もし、僕の書くものが少しでも何かの足しになるところがあるのなら、本当に心から嬉しいことで、あれこれと書き散らしている甲斐があるというものです。

 そしてやっぱり、「勉強になります」という言葉には、こちらもまた勉強させられます。
 「学んでいく」ということは、「参考にする」ということとは違っていて、自分のものにしていく、ということですから、気持ちの部分、心のところをオープンにしていないとできないことだと思うんですね。

 心をオープンにする、というのは当然簡単なことではなくって。
 心には傷だってつくわけですから。
 てるるさんは、その繊細な部分を自覚しながら、でもオープンにして様々なことを吸収しないではいられない人なのかもしれない、と感じました。
 てるるさんのあのキラキラした目に映っている世界の色はどういったものなのか。
 その目の奥で暴れている色は、どんな色なのか。
 是非今度、改めてじっくり伺いたいものです。

 昨日は、スペースでも打ち上げでも、いろんな方から作品の感想などを伺うことがありまして、とても嬉しかったです。
 お声を掛けて下さった皆様、本当にありがとうございました!

 これを糧に、またいろいろと描いていきたいと思います。
 肉体の疲労はけっこうなものなんですが、おかげさまでモチベーションは相当高くなっております。
 そろそろ、オフセットの本なんかも作ってみたいなーとか。

 いろいろやってみたいと思っておりますので、皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 ではでは、またです!

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コメント

こういうのを「ちょこっと」描ける人っていいなあと思っていたりします。中学時代美術部に入っていたにも関わらず全く絵心がない事を証明しただけだったりするので。やっぱり雑談ばっかりしていたのがまずかったか。
美術といえば最近レンタルビデオで「ひだまりスケッチ」を借りてきました。今のところ第三話まで見たのですが木炭のスケッチをパンで消すあたりが懐かしかったです。僕が中学の時はバターロールだったかな。
ゴットゥーザ様は「涼宮ハルヒの憂鬱」のみくる(小)や「ラムネ」の近衛七海のようなぽんこつキャラも悪くはないけどやっぱり個人的にはヒロさんみたいなお姉さん的キャラの方が似合っている気がします。

投稿: Y | 2008年5月 5日 (月) 01:20

都産祭お疲れさまでした!
尾鈴です。

都産祭ではお手伝いをして頂いて本当にありがとうございました^^
おかげさまで『ふれあい』もだんちが置いてくださった『涼宮ハルヒさんの危険な愛体験』の相乗効果で沢山の方に手に取って頂けました^^
いろいろと至らない事ばかりでご迷惑を多々おかけしてしまいまして済みませんでした。
そんな中いろいろお話しして頂いて有意義なイベントにして頂きましたよ~^^
当日はどうにも寝不足でいろいろと失礼なことをやらかしてしまった感じで、とくにイベント終了時当たりからは霞掛かったような感じで自分が何を喋ったりしたのかも断片的にしか覚えていなかったり。
せっかくだんちさんに何人かの作家さんのお名前を教えて頂いたりしたのに殆ど思い出せませんorz
やはり体調は万全にして参加すべきですね……。

ペンタブの替芯、早速使って頂いたみたいですね。こんな事で先生などと仰って頂くとあまりにも面映ゆい感じがしますが^^; 芯の交換、簡単でしたでしょう?^^

>タブレットのペン先のことだけでなく、尾鈴さんのCGの描き方についても少し教えていただいたのですが、レイヤーはかなりの枚数使うとのこと。99枚レイヤーを使ったこともあるとか。

いやんッ、恥ずかしい!^^; 僕が作業中レイヤーを多用するのは下手くそな証拠なのですよ。すんなり塗れるのならそんなにやたらにレイヤーを多用するような塗り方ではありませんし。とりあえず後で修正しやすいかもとか思ってついつい別レイヤーに描いちゃうんですよねぇ。実際完成データだとレイヤー構成は数枚に収まりますw 流石に最近は99枚も使うような事はありませんが^^;

それはさておき^^; お渡ししたストローク芯はノーマルな芯とはかなり描き味が違うのでだんちさんにあうかどうか不安だったのですが、特に不都合もないようで安心しました^^ で、早速描かれたハルヒ、可愛いですねぇ。線も随分と印象が変わってシャープながらも女の子らしい柔らかいシルエットが凄くいい感じに描かれているように見えます。道具をいきなり替えてココまで描けるとは、流石にプロですねぇ。
そして試し描きの絵でもエロを忘れないのは流石にだんちさんです^^
後、これで以前から僕の描線は全面的に道具やソフトの性能のおかげだと言っていた事が解ってもらえたかと思いますw

それでは失礼いたします。
改めまして、都産祭ではありがとうございました^^

投稿: 尾鈴明臣 | 2008年5月 5日 (月) 06:26

はじめまして だんちさん
アール クゥ~ボー のてるるです
都産祭りと打ち上げお疲れ様でした

改めてだんちさんの感受性の鋭さと他の人にない感覚に
感服します
それではまた機会があればお話してもらえると
ありがたいです
失礼します

投稿: てるる | 2008年5月 6日 (火) 22:58

>Yさん、こんにちは。イラストを見て下さってコメントをありがとうございます^^

≫こういうのを「ちょこっと」描ける人っていいなあと思っていたりします。

あー。「ちょこっと」と言いながら、その後の記事読み直してみると、かなり一生懸命描いてますよね。
絵を描くというのは、白い何もないところに世界を描き出すことなので、かなりエネルギーを必要として、緊張感もあります。うっかりすると描きながらものすごく追い詰められるところがあるんですね。なので、気持ち的に「ちょこっと」という風に思わないと、手が動かないところもあります。
自己暗示に近いのかもしれませんね。まぁ、けっこう頑張って描きました^^
「ひだまりスケッチ」、僕も大好きです。原作も非常に丁寧に描かれていてとても素晴らしいです。夏に始まる第二期がとても楽しみですね^^

ではでは、またです。

 
>尾鈴明臣さん、こんにちは。都産祭&打ち上げお疲れ様でした!参加させていただきありがとうございました。いろいろとがっつりとお話することもできて、おかげさまで一日楽しく過ごさせていただきました^^

≫当日はどうにも寝不足でいろいろと失礼なことをやらかしてしまった感じで、とくにイベント終了時当たりからは霞掛かったような感じで自分が何を喋ったりしたのかも断片的にしか覚えていなかったり。

いえいえ。こちらこそかなりの寝不足でぼんやりしていたので、つり銭間違いとかしていないかと今でも不安だったりするのですが、特に問題無かったでしょうか?

≫せっかくだんちさんに何人かの作家さんのお名前を教えて頂いたりしたのに殆ど思い出せませんorz

やー。いっぱいお会いしましたもんね。でも、イベントで多くの読み手の方、描き手の方とご縁ができることは、やっぱり嬉しいですね^^
「寝不足でイベント」は、仕方のないことですよ!でもイベントスタッフをしている友人には「ちゃんと寝ろ!」といつも怒られております…。お互い、少しでもいい体調で参加できるようにしたいですね!

≫こんな事で先生などと仰って頂くとあまりにも面映ゆい感じがしますが^^; 芯の交換、簡単でしたでしょう?^^

うへへ、せんせぇ出番ですぜぇ。尾鈴さんが剣道有段者だったことはまた新たな発見でした!
剣の振り方も教えていただけて。ありがとうございました^^
絵のことでも、こうして基本的なことを教えていただけるということは、本当にありがたいことで、おかげさまでとても助かっております!
芯の交換も言われた通りにスムーズにすることができました^^
レイヤーの使い方にしても、使えるだけ使うことはできる、というのは発想として無かったことなので、目から鱗でした。僕はどうしても、ケチケチした描き方になってしまっていて。だから、「極限までやってみた」ことがあるという尾鈴さんの妥協しない描き方に感銘を受けたんですね。
なのでやっぱり、僕にとっては先生なのでございます^^

≫早速描かれたハルヒ、可愛いですねぇ。線も随分と印象が変わってシャープながらも女の子らしい柔らかいシルエットが凄くいい感じに描かれているように見えます。道具をいきなり替えてココまで描けるとは、流石にプロですねぇ。

ありがとうございます^^もっと言ってもっと言って!!(笑)
線を引く時もレイヤーを何枚か使って丁寧に引くことを心がけてみました。ペンがスムーズに動くことで、シンプルないい線が引けたように自分でも思います。
相性のいい道具に巡り合うことって、本当に重要ですよね。尾鈴さんに教えていただかなければ、ストローク芯との出会いは無かったかもしれません。本当に心からありがたく思っております!!

エロを忘れないのは、僕の存在意義なので!

≫後、これで以前から僕の描線は全面的に道具やソフトの性能のおかげだと言っていた事が解ってもらえたかと思いますw

いやいや。どの線をどこにどのように引くか、は尾鈴さんのお力なわけですよ。デジタルがいくら普及したところで、同じ絵、同じ線を描く人がいないということは、絵は人の心を映し出すものであることの証明になるのでしょう。
尾鈴さんの線の温かさは、やはり尾鈴さんにしか出せないものだと、改めて思います^^

僕もニューアイテムでいろいろ描いて自分の線を探していこうと思っております。
またいろいろ教えて下さいね!
イベント参加や漫画作成、格闘技なども、今後もいろいろ一緒にやっていきましょうね!

ではでは、またです^^

 
>てるるさん、こんにちは。改めまして初めまして^^
都産祭と打ち上げ、お疲れ様でした。親しくお話していただけてとても嬉しかったです。おかげさまで楽しい打ち上げ参加となりました。ありがとうございました!

僕の方こそ、こうして書き込んでいただけて、てるるさんの礼儀正しさ、謙虚な姿勢に触れることで、改めててるるさんの感性や感覚を見る思いがして感銘を受けます。

また是非お話させて下さい。
いろいろと絵を描かれている時のことなど、お話を伺わせていただけたらなぁと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、また。
失礼いたします!

投稿: だんち | 2008年5月 9日 (金) 17:29

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受信: 2008年5月 5日 (月) 04:16

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