「とらドラ!」第16話を見た。
こんにちは、だんちです。「とらドラ!」第16話を見たので、感想をちょこりと。
*ちょこちょこ修正やら追記やらしております。「あ。これ違うわ」と思ったところもざっくり削除したり。
*原作1~3巻とスピンオフ2巻目、コミックス1巻所持。でも読んだのはコミックスとスピンオフを途中まで。
や!
すげかったっすね!!
女同士のどつきあい!!
こういうの、ちょー大好き!!
ええもん見せてもらいました!
この作品の女の子が仁義を持っているところが、やはりとても好きです。
原作のスピンオフの方を少しばかり読み進めているのですが、竹宮ゆゆこ先生の観察力や表現力に魅了されまくりです。本当にとても丁寧にキャラクターが作られていて、活き活きとしていて。
そしてまた、メッセージがかなり明確に込められていて。
そういったところは、アニメにもとても感じます。
丁寧さに関して、細かいところなんだけども。
今回、「殴られた顔」の描写がけっこうあったわけですが、これが見ててキャラクターやその背景が出ていて面白かったんですね。
北村が父親に殴られた、という顔の痕は、北村の顔の右側にあるんですね。
これは、北村の親父さんが「左手で殴った」ということなのでしょう。北村の親父さんが左利きの可能性もあるわけですが、普通に考えれば、「キレた」とはいっても利き手では息子は殴れなかった、という「なんだかんだで甘い父親」像が描写されたことになるのかと思います。
つまり、北村が今回のことで取り乱したりいろいろと投げ出しそうになったりした原因の一つに、甘やかされて育ってきた部分があって、気合いがちっとばかし足んなかった。なんてことを読み取ることもできるのかもしれません。
で。終盤。生徒会長と大河のどつきあい。
大河は思いっ切り右フックをヒットさせるわけです。
ちゃんと訓練をしないとストレート、真っ直ぐの打撃は通常打てない。だから、フック(そして、薬指&小指の関節で思い切り殴ってしまい、ここを骨折することがよく起こるのです)。
当然、会長の左頬にぼっこり痣が。
あれが、「利き手で殴られた痕」なんですよね。
対して、大河は鼻血を出してて、竹刀で食らったのかどうかは分からなかったけど、身体の中心線に打撃を食らっている。
これは、会長が何かしら武芸の心得がある、ということなのでしょう。実際、巴投げ決めてたし。
そんな会長を、気合いと体力と野性的な俊敏さで組み伏せた大河は、ナチュラルに無茶苦茶強い、ということも分かるわけですね。
僕も、殴られた痕はよく描くんですけど、顔のどっち側に痣を描くか、というのは考えます。
なので、そこに目が行ったわけですが、とても丁寧に「殴る側」「殴られる側」が描かれていたように思います。
北村の想いを知っても、大河は最後まで北村のために動く。身体を張る。会長が北村の気持ちに応えたとしても、それで北村が幸せになるのなら、大河はそれを望む。
恩義に忠実な大河だからこそのシンプルさ。女としての潔さ。
そして、北村のことを想い、だからこそ北村の想いに応えなかった会長。
それは、大河にも痛い程分かることでしょう。だからこそのラストの「バカ。」なのでしょうね。
潔い、バカ二人。
そんな二人、そして北村。本気で人を好きになり、行動した者達を目の当たりにして、亜美と実乃梨の胸中に去来するのはどういったものなのでしょうね。
文化祭のエピソードを経て、振り出しに戻った彼ら。
そこから、いろいろと動き出してきましたね。
北村は、自身の恋に踏み出し、そして男らしく振られた。
どつきあったことで大河と会長の間に絆が生まれただろうし、「望まれているのは自分じゃない」と知った大河の北村に対する気持ちは、今までと同じということにはならないのでしょうね。
彼女の気持ちは、宙に浮き、行き場を失くす。
実乃梨は自身を「ずるい」と言っていたけど、今回のことで状況が変わった。
亜美は、母親に今いる場所に居続けることを告げ、スタートラインに立とうとしている(そういえば、母親との電話での彼女は「とてもいい子」な感じで、親子関係に対しても彼女が「演技」している姿がありましたね)。
つまり、ヒロイン三人が、いよいよ同じスタートラインに並んだということなのでしょう。
14話の「しあわせの手乗りタイガー」のエピソードで、「幸せを願う」というシンプルな号砲が、キャラクター達全員に対して鳴らされたところがあったのだろうと思います。メインキャラクターに限ることではなく。
それは全員が等しく幸せになる資格を有している、という意味にも取れて。やはり、とても作品の根底に優しさを感じるのです。
一人一人が望むことは何なのか。どう幸せに近づいていくのか。
それぞれのキャラクターが想うことは、いろいろなのでしょうね。
そんな中。
主人公たる竜児は何を願い、何を想うのかというならば。
あいつ。
「大河が幸せになること」
を、望んでやがるんですよね。
大河は北村の寝顔に涙の跡を見つけてから、「自分のことしか考えてなかった」と大泣きして反省して、北村から受けた恩義に尽くし、そこに「ヒロイン」としての存在感を見せ付けてくれたわけですが。
竜児は、「しあわせの手乗りタイガー伝説」を聞いて、真っ先に大河の幸せのことを思った。
それはつまり、「大河の幸せ」=「自分の幸せ」ということなのでしょう。無自覚だろうけども。
そして、それが彼が主人公であることなんだな、と感じます。
彼がどうしたってフラグを立ててしまうのは、結局それなんでしょうね。
人の幸せを思えるヤツは、やっぱり、なんていうか、ときめかせてしまうもんなんでしょうね。そういったところにも、「観察力」を感じますし、勉強にもなるところであります。
「幸せ」というものが、どういう形で描かれるのか。それを、竜児がどのように手に入れていくのか。
そこに、この物語のメッセージを見ることができるのかもしれませんね。
同時に、今回「踏み出す」ということがテーマとして語られたわけですが。スタートラインに立つことはできても、そこから「踏み出す」こともまたドラマを伴うもので、やはり、メッセージとして見せてくれることが随所であるのかな、とも思います。
丁寧な心理の動きと大胆な仁義の発露。
とても素敵で気持ちがいいこの作品の、この後の展開も、とてもとても楽しみです!
以上で、今回の感想を終わります。
ではでは、またでっす!
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コメント
お久しぶりだぜぇー。超お久しぶりだぜぇー。です。
(名前これで合ってたかな……?)
以下、(記事に対するコメントなのに……)18話のネタバレを思いっきり含みますので、もしまだ見てなかったらまた今度……でお願いしますm(_ _)m
幸せ論として、(16話の感想のコメントに用いるにはいささか反則気味となりますが)18話の内容が非常に大きく絡んでいましたね。
粉々に砕けても直ると言い切る竜児と、元に戻らないことを恐れるみのりん。直ったものは前よりもかわいいという大河と、一度壊してもう一度と願うばかちー。
爆弾を持っているのは事実上みのりんだけ(18話のツリー破壊のシーンは象徴かもしれない。違うかもですが)ですし、そしてまたばかちーの願いが達成されるためにはかつて自分が"人を焼き尽くす太陽"と評した力が必要不可欠というのも中々皮肉な展開ですね。
あとはみのりんが動けば物語が動き出すということですが、竜児の最後の言葉が彼女にどう響いたのか。ここが鍵ですかね。
現状爆弾を爆発させることによって壊れるのが確定しているのは"大河⇔竜児"と"大河⇔みのりん"の関係なので、端的に言えば大河の不幸を意味するということになります。
大河が傷つくことを誰よりも(多分竜児よりも)恐れるみのりんが果たしてどういう行動に出るのか。来週はおそらく、いわゆる不思議系を操ることにおいてはアニメ業界トップクラス(←私見)の、シリーズ構成の岡田さんの脚本担当回だと思うので非常に楽しみです。
1年ぶり(?)くらいのコメントが長文駄文で失礼いたしました。ではまたー。
投稿: すまいらー | 2009年2月 7日 (土) 22:01
すまいらーさんこんばんは。お久しぶりです!お元気にしてらしたでしょうか?僕の方は相変わらずでございます^^
久しぶりに来ていただいて、コメントをありがとうございます!
18話のツリーの飾りに絡んだ演出は見事でしたよね!
元に戻らないかも、と恐れながら自分一人でやらせてくれ、となるみのりんは、やはり根底に臆病さを持っていますよね。元に戻らないのなら、傷つくのは自分一人で…と、最初から諦めているというか。
亜美は、竜児と大河の関係をママゴト呼ばわりしていたわけですが、そこに自分も入りたがるのは、子供っぽい関係を渇望するところもあるのかもしれませんね。ホントは甘えたくて仕方がない。なのに、強がって。素直な彼女の一面なんかも見てみたいですよねー^^
壊されるべきは、彼女自身の内面でもあるんだろうし、実際それは一人一人についても言えることなんでしょうね。
そうなると、いっぺん壊れる経験をした北村なんかも鍵になってくるかもしれませんね。
放送は20話を過ぎ、いよいよクライマックスですね!
彼ら彼女らの青春模様、成長がどのように描かれるのか、とても楽しみです!
岡田さんの表現力、僕はとても素晴らしいと感じます。脚本、演出、作画、演技、音楽、様々な点を注目して楽しんでいきたいですね!!
ではでは、またです^^
投稿: だんち | 2009年2月21日 (土) 20:06