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2009年2月13日 (金)

「とらドラ!」第19話を見た。

 こんにちは、だんちです。「とらドラ!」第19話を見たので感想をちょっと(でも長く)書きたいと思います。

*原作本編はまだ未読。スピンオフの二巻目はあとちょっとで読み終わり。コミックス一巻は読了。

 とても力の入った第19話。良かったです!特にここ数話の丁寧な演出がずっと重なり合ってきていて、彼ら彼女らの青春模様を繊細に浮き上がらせてくれて。本当に見応えあります!

 北村の失恋エピソードを経て、クリスマスへと進行したわけですが、そこで僕にとって気になっていたのは、竜児の恋模様や実乃梨の苦悩よりも、大河のことでした。

 春田や能登はノンキに「北村とタイガーをくっつけちゃおうぜ」となっていたわけですが、大河自身は、「エンジェル大河」を名乗ることにかこつけて、気がつくと北村のことを何も言わなくなっていたんですよね。
 憧れの男の子であることには変わりは無いのかもしれないけど、北村と生徒会長との心の繋がりを体当たりで感じた大河は、生徒会長戦を終えて、自分の恋が終わったことをはっきりと自覚したんでしょうね。

 自分の恋が終わって、何をするかというと。
 自分の傍にずっといてくれた男の子と親友の女の子の気持ちを、つなげようとする。

 その様子を、17話、18話と見ていて、「大河の気持ちはどうなの?今、大河の気持ちはどこに向いているの?」と、すごく気になっていたんですね。 「クリスマスだからいい子にするんだ」というのが、言い訳の隠れ蓑になっているように見えて、その本心が隠されているようで。

 そして、今回。19話。

 髪を振り乱してマンションを飛び出し、泣きながら名前を叫ぶ。

 竜児の傍にいられなくなるのは嫌だと、自分の本心に打ちのめされる。

 その姿は、パーティードレスとあいまって、少女ではなく、一人の女のものに見えました。
 亜美が言う「ママゴト」は、少女には「ママゴト」でも、女には、本物になってしまうのでしょう。
 大河の北村への想いは少女時代のものなのかもしれない。
 でも、少女時代が終わったら、女の心がそこにある。
 ママゴトが終わったら、そこには本物の愛情がある。

 時間の流れは引き返すことができない。確実に、女になってしまう。

 そこから目を逸らすかのように、幼児のように「サンタさんサンタさん」言っていたのだとしたら、「サンタなんていないのに…」というつぶやきは、彼女の少女時代がはっきりと終わった自覚なのかもしれない。

 そのタイミングで。着ぐるみ姿でサンタの振りして竜児がやって来たら。
 そりゃ、彼への愛を自覚しちゃうって。

 少女が女に。
 その劇的な変化を作品の中で目の当たりにして、震えるような感動を禁じえません。

 キャッチーなギミックを配置しつつ、丁寧な本格青春ドラマを描く。
 それが、ここまで見事にできるのだということを教えられ、一視聴者としても、一漫画描きとしても興奮しまくる思いでございます。

 
 ところで。
 竜児君。
 亜美に指摘されるように、彼の場合はまだ「ママゴト」から脱することができていなくて、男ではなく、いまだ少年なのでしょうね。

 でも、18話を見て面白かったのが、彼の「手練れ」っぷりでした。

 亜美と体育用具室で二人きりになっても堂々と渡り合うし(まぁ、大河のことが気になってドキドキするどころじゃなかったんだろうし、実際亜美のことは友人扱いなんだろうし)、思わせ振りな発言も聞こえない振りをしてなおかつ聞き返すという上等テクでかわすし(まぁ、ホントに聞こえてなかったんでしょうけど)。

 うわ、何こいつ?ホントはチェリーじゃねぇんじゃねぇの!?とか思っちゃったよ。

 しかも、ツリーの飾りを壊してしまって大ショックの実乃梨を前にあの堂々の態度。実乃梨が震えながら泣いても余裕の対応。

 あいつ…。
 あれですね。
 恋には不慣れでも、女には慣れているんですね。

 や。おもしれー。このキャラ造形はすげぇおもしれぇ。

 それはきっと、泰子の愛情とスキンシップをたっぷりと受けているからこそなんだろうし、泰子が竜児の前で、「母親として格好つける」様子がなく、みっともないところも含めて全部を晒して、自分自身をごまかすことなく、息子と接しているからなのかもしれませんね。

 好きな子が泣いているのを前にしての、あの振る舞い。
 ありゃ、すげぇ。

 俺ね。たまに聞く「男が女の涙に弱い」とかゆーのって、「またまた」って思っちゃうんですよ。そんなことねぇべよ。って。
 俺なんかは、女の涙大好物だし。泣かれたら大喜びっすよ(や。俺は歪んでっから論外だけどよ)。
 キャラ造形の話で言うと、女の涙に弱い男キャラがいるとしたら、それは不測の事態に対応が効かない「肝心なところで弱い人物」として作ることはできるかもしれない。あるいは、「女の子」という存在に幻想を抱いているとかね。そこはつまり、描写としての丁寧さの部分ですね。

 その、丁寧さのことで見ると、竜児が恋している女の子の涙を前にして、優しく、堂々と、一緒にいるところは、彼の強さ、優しさ、男らしさが表現されているように感じます。
 だから、18話のあのシーンは、竜児がどういう男の子かがものすごく明確に描写されたシーンだと思うんです。

 作り手視点の話になっちゃっているけど、キャラクターのリアクションを間違うのって、物語を途端に薄っぺらくしてしまうんですよね。物語の骨格、流れが出来たとして、そこにキャラクターをどうリアクションさせていくか。
 そこは作り手の人生経験や視点、様々なものが滲んでしまう。
 その意味では、特にここ数話のキャラクター達のリアクション、行動、発言、表情などは、ものすごく「勝負」して作られていることを感じます。
 そして、当然それは原作がそれだけ勝負して作られているからなのでしょうね。

 竜児の話に戻ると。
 今回、彼は実乃梨に電話して留守電にメッセージを入れるわけですが、さり気にあのシーン、竜児の強さ、優しさが出ていると思うんですよね。
 自分が少年時代、ああいう立場だったとして、あそこで電話できるかなぁということをちょっと思ったりします(まぁ、俺の少年時代は携帯電話なんか無かったから、ちょっと事情は違うかもしれないけども)。

 ろくに目を合わせて会話することもできなかった竜児が、ああやって実乃梨に直接電話してパーティーに誘うのは、かなり勇気が要ることだったように思います。そういや、箱いっぱいに妄想ノートやらMDやらを溜め込んでいて、ラブレターを書いて渡そうとした大河のことを「お前はすごい」となっていた男なんですよね。

 自分の恋のためには、とても勇気のある行動だし、「みんなが報われるべきだ」という思いからするならば、実乃梨に「絶対楽しいから!」と誘うことは、とても優しい行動だと感じます。

 しかし。彼の勇気も優しさも報われず、「失恋」という結果を迎える。

 それは、彼が男になるよりも前に、少女達が急激に女になっていったからなんでしょうね。
 少年少女の物語が、緩急をつけたグラデーションで男と女の物語に変化しつつあることを感じるわけですが、「みんなが報われる」「みんなが幸せになる」という、ここ数話で語られているテーマ(と思われること)から見ると、必要不可欠な変化なんだろうなと思えます。
 つまり、少年少女のままでは、それは描けない。

 だとしたらば、やはり、竜児は男にならなければならない。

 だからこそ、与えられた「失恋」なのでしょう。彼の勇気、優しさは、今はまだ報われてはいないかもしれないけど、それは、彼を男へと成長させるものに、きっとなることでしょう。

 女の子達は、様々な形で少女の中に女を見せてきている。
 男の子達は…春田を始め、どうにもまだまだ少年で、なかなか男にはなれていない。そんな中、一足先に大失恋を経験した北村は、ピエロを演じているけども、あれは男の一つの姿であるかもしれませんね。
 さて、少年達は、男になっていけるのでしょうか?

 物語の中で、様々に描かれる、少女、そして女。少年。
 その中で、「男」がどう描かれていくのか。
 男視聴者として、ものすごく興味を感じさせられるし、知りたいし、見たい。

 物語は現実のカウンターだと僕は思っています。

 つまり、僕は竜児にヒーローになって欲しいのかもしれません。
 皆を幸せにしていく、ヒーロー。
 顔が怖くて、家事が得意で、優しくて、ハートのある、そんな男の子が、少年から男へと成長して、ヒーローになる。
 そんな夢が、見れるのかな。

 男子三日会わざれば刮目して見よ。

 でございます。
 今後の展開、そして竜児の成長がとても楽しみです!!
 もちろん、実乃梨も亜美も楽しみだし、木原ちゃんの恋の行方も楽しみだす。能登は、なんかいいことあんのかな?とかもね。

 ではでは、長くなりましたが、この辺で。

 またです!

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コメント

こんばんは。以前ハルヒの感想を拝見しましてだんちさんの文章のファンになってしまった黒ヒゲと言う者です。最近とらドラ!のアニメ版にハマり、だんちさんはどういう感想を書かれているのかと思い、お邪魔しました。19話までしか書かれてないのが残念ですがお忙しいのでしょう。気長に待っておりますので是非25話までレビューして下さい。楽しみに待ってます。

投稿: kurohige | 2009年9月18日 (金) 23:57

kurohigeさん、こんにちは。初めまして。感想を読んで下さってコメントをありがとうございます^^
文章も楽しんでいただけて、とても嬉しいです!!
「とらドラ!」本当にいい作品でしたね!!僕もとても楽しく視聴しました。
感想は、自分にとっての学習機会として、漠然とでもテーマを見つけて書くようにしているのですが、「とらドラ!」の最後の方はもう、ただただ視聴者として楽しんでいて、感想を書く感じではありませんでした。
もし、何かテーマを見つけたら、何か書くこともあるかもしれませんけど、期待はしないでおいて下さい^^;

ではでは、またです!

投稿: だんち | 2009年10月 1日 (木) 05:27

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受信: 2009年2月13日 (金) 17:24

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