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2009年6月30日 (火)

「涼宮ハルヒの憂鬱・改」第13話を見た。

 こんばんは、だんちです。金曜深夜、MX、TVKと連続で「涼宮ハルヒの憂鬱・改」第13話を見ましたので、感想を書きたいと思います。

 *放送内容のネタバレ、原作ネタバレを含みますので、未放送地域の方、原作未読の方はお気をつけ下さい。

 
 
 
 
 
 「エンドレスエイト」でございます。

 
 
 最近、ちょっと全然アニメ見れてなくって。「ハルヒ・改」も録画しつつ、ここまで「笹の葉」以外は見れたり見れなかったりだったりします。
 なので、「時系列で見てくる中で受け取る印象」を明確に持っているわけではなく。
 その辺り、順番を頭の片隅で意識しつつの「エンドレスエイト」視聴であります。

 
 と。
 前回の感想と同じ入りをしてみて、「エンドレスエイト」気分になってみたり。
 これで、前回の感想とほぼ同じ内容で、だけど微妙に変える、とかそういうテクニカルなことができたらスゴイんでしょうけど。ンなことできね。

 それはさておき。
 「エンドレスエイト」15498回目。楽しく視聴いたしました。

 前回の「エンドレスエイト」では、ひたすら遊び倒す高校生の姿が描かれながらも、不自然なくらいに「年頃らしさ」が描写されていませんでした。
 そこで感じた違和感は、「意図的」なものだろうと思っていたのですが、今回の「エンドレスエイト」を見ると、やはりそうだったようですね。

 今回は、冒頭からいきなりキョンが半裸だったり(キョンが電話に出る時に妹に背を向けるのは前回も一緒でしたっけ?あのちょっとした仕草が、「女から電話がかかってきた男」の行動に見えて、「あら。お年頃ね!」とか思っちゃった)。
 駅前に集合した時から、ハルヒの口やら胸やらがバンバン強調されて。
 古泉はほいほいと流し目を多発するし。さらに「告っちまえよ。やんねぇの?だったら俺言っちゃうけど、いいの?」的な、まさに年頃らしいこと言うし。
 深夜のみくるからの電話。その場にいる古泉にドキっとして慌てるキョンとか。

 ハルヒの笑顔にトキメクキョンとか。

 前回の感想で書いた「二つの見え方」で言うところのもう一方がかなり強調された描写が多く。前回を一つの見え方。今回もまた一つの見え方として「両方表」として捉えて見てみると、次回に繋がる見え方もできるように感じます。

 前回今回を踏まえて、次回。何がどう見えて、どう感じることができるのか。とてもわくわくした気持ちになります。ちょー楽しみ!

 
 さて。
 前回は「ひたすら楽しそう」に見えていた遊びの数々ですが。
 ハルヒが満足していないことから二週間という時間が切り取られループしてしまうという現象が起こっているということが明らかになりつつ、同じ遊びが繰り返し描写されていきます。
 そうなると。
 彼らが遊ぶ姿を見る時に、「実はハルヒは満足していない」という視点を持つことになります。
 明らかになった後は勿論、それ以前のどの遊び、どのシーンについてもその視点で見ることになり、遡って、前回受けた「ひたすら楽しそうだった」印象も、まったく違って見えて、塗り替えられることになる。

 その上で、年頃らしさが強調される。

 満面の笑顔、子供のように無邪気に楽しむハルヒの心の内にくすぶっているものは、何なのか。

 いろいろと、条件がそろっていく感じがしますね。
 前回とは服が違うところも、無意識でループしながら、ハルヒも一生懸命「この服ならどうかしら?」と考えているかのようで、とても年頃の女の子らしく見えるところかもしれません。

 そうそう。
 俺は詳しくはわかんないんだけど。ハルヒの着てる服、前回と今回とだと、微妙に今回の方がより新しい流行の服になってるらしいですね(Aライン基調だったのがハイウエストって感じで)。去年と今年。くらいの違いらしいんだけど。
 ループしながらも、微妙に違っている感じ。
 そこに浮き上がるハルヒの女の子らしさ。あるいは「女らしさ」。なんてものが感じられるのかもしれない。

 
 「二つの見え方」として挙げた一つに、古泉のこともあったわけですが。今回、彼はキョンに「楽しそうだな」と指摘されます。それに対する彼の答えは「違和感の元が明らかになったから」なわけですが。
 前回の淡々と遊びに付き合う姿からすると、その活き活きぶりが際立って、それだけかい?と思わされます。

 同時に、キョンが自転車を引きずりながら、
「またアホな話を聞いてしまったな」
 と独白するところ。

 ここは、時系列で見てくると、「笹の葉ラプソディ」のラストでチェスをしていた時にキョンがうっかり言ってしまった「次に何が起こるのか~」の言葉がよぎります。
 言葉としては「アホな話」となっていても、「さぁキョンくん。キミが言っていた『次』が来たよ」ってことを思ってみると、この独白の印象もまた違って聞こえてきます。

 そこは、ハルヒの女の子らしさに対して、キョンや古泉達の男の子らしさ、とも言えるのかもしれない。
 やはり同時に子供っぽさとも言えるかもしれない。
 どっちも表として見ることができるというか。

 「どっちも表」として見てみると、やはり高校一年くらいの年代っていうのは、子供であることと男あるいは女であることとが同時に存在している、変化の途上の複雑な瞬間を生きていると言えるのかもしれませんね。

 こうして、エンドレスエイトが二つの姿を見せてくれることで、その変化の途上ゆえの「二面性の同時存在」を感じ取ることができるように思います。

 そういう見方をすると、「満足できないから繰り返す」という一面と同時に、「変化を怖れるから繰り返す」というもう一面があるのかもしれない。なんてなことも思ったりするわけです。

 不思議探索で、キョンと同じチームになるクジを引けなかったハルヒの姿もまた、時系列での放送により浮かび上がってきますし。
 古泉の「アイラブユー」と言えこのやろう、という提案は「変化を起こせ」ということなわけですが、ハルヒはそもそもその変化に対して求める気持ちと怖れる気持ちとを同時に抱え、葛藤しているのかもしれない。

 「先に進むのが怖い」

 そんな「一面」を感じる取ることもできるようで、やはり青春時代の瑞々しさに触れられて、心ときめくのであります。

 
 という感じで。
 より具体性を持って「二つの見え方」での視聴を楽しむことができました。
 
 
 今回は、複雑な年頃の男の子、女の子は、最後まで答えを見つけることができなかった。
 「満足できていない女の子」
 「答えを探す男の子」
 子供だけど、子供じゃない。
 そんな彼らが、次回、答えを見つけることができるのか。
 ハルヒもハルヒで答えを探しているのであれば(服を替えたりしつつ)、お互いがお互いを「探している」という捉え方もできるのかもしれません。

 目の前にいるのに。
 すぐそこにいるのに。
 声も聞けるし、触ることもできるのに。

 探さないと分からない。

 そこに、普遍的な人間関係のテーマなんかを見ることもできて、より感情移入して見ることもできることもできるように思うし、この作品自体が持つテーマの一つでもあるようにも感じます。

 「キス」も「ポニーテール」も、見つけた「答え」であったかもしれません。
 ならば、今回は何を見つけるのか。

 表面がどうであるとかではなく、お互いがその心を探し続けるのだと見てみると。
 それは、とても麗しい人間関係であるように感じます。
 大事なことだよね。

 こうやって作品を見る時だって、表面がどうこうだけじゃなくって、そこにあるいろんなものを、自分と作品との関係の中から見つけていくことができるだろうし。

 彼らが何かを見つけていくドラマがそこにあり。
 それを見ることで何かを見つけていくことができるのであれば。

 それは、とても楽しい視聴体験なのであります。

 次回も、そしてその後も、とても楽しみです!

 ではでは、またです!

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コメント

Youtubeで見ているのでいろいろな所でのネタバレ記事を読まないように我慢するのは結構きついです。
今回の話を見ていて以前「マンガ『名ゼリフ』大全」という本に書かれていた最近の漫画やアニメでの人の生き方に関する描かれ方についてのコラムを思い出しました。
そのコラムによると70年代までは手塚治虫の「火の鳥」に代表されるように“世界”という壮大で普遍的な物の中での生き方を描いた作品が多かったのが80年代にはその“世界”が無くなっていくような終末思想的な作品へと変化し、90年代には「あなたと私がどう関わるか」がそのまま“セカイ”のあり方に繋がるいわゆるセカイ系へと取って代わり、最近ではそこから一歩進んで(下がって?)「私はどうしたいのか」という自己完結的な作品が増えているのだとか。
ハルヒに近しい人間だけがループの存在に気づいて解消するチャンスを得られ、その中でハルヒがどうしたいのかそしてキョン自身がどうすべきかについてみんなが思い悩み、同時にキョンが学生にとって一番身近な社会との繋がりである学校の宿題へのやる気を失っていくという今回のストーリーの構図がまさしく上記のコラムで示された「あなたと私がどう関わるか」という作品から「私はどうしたいのか」という作品への変化の構図に似ているように感じました。

投稿: Y | 2009年7月 8日 (水) 02:30

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