「コミックマーケット77」ではありがとうございました!
こんばんは、だんちです。改めまして、昨年の「コミックマーケット77」では皆様ありがとうございました。
多くの方にサークル「関東WILD CHICKEN」のスペースまで来ていただいて、とても嬉しかったです!
本を買って下さった方、見て下さった方、差し入れを下さった方、お話して下さった方、皆様ありがとうございました!おかげさまでとても楽しいコミケ参加となりました。
その冬コミで感じたことや今後のことなど書いてみたいと思います。
続きを読む以降にお礼絵と、当日の自分を一コマ描いてみました。
お礼絵の中にも書いたように、DLsite様にてダウンロード販売中の「涼宮ハルヒさんの危険な愛体験2」が、おかげさまで先日300ダウンロードを突破しました。とても嬉しく、感激しましたのでそのお礼も兼ねてみました。
「愛体験2」のスカートビリビリは絵的にとても好きで。この機会にまた描いてみましたが、やっぱいいっすね。首輪&スカート(あるいは着衣)ビリビリはたまんねっす。
そして、冬コミ当日の自分。
200円足す300円を「600円です!」と言い放った直後。
買って下さった方も、売り子を手伝ってくれたハム粉さんも「500円ですね」「500円になります」と、何事もなかったかのように冷静に振舞ってくださって。とてもありがたかったです。
すいませんでした…。
以下、いつものごとく長文であります。
・軸
一昨年の冬コミの後、「プリントアウト本中心ではなく、オフセット本中心に移行する」と宣言したのですが、今回の冬コミもプリントアウト本中心でした。
しかし、バックナンバーの刷り足しはせず、冬コミ初売りのものだけをプリントアウトして持って行ったので、今までのコミケに比べると若干は余裕がありました。それでも製本を全て完了することができず、会場入りしてから製本の残り作業をすることになってしまいましたが…。
プリントアウト本中心に戻った理由は、ダウンロード販売を昨年5月から始めたことが大きいです。
プリントアウト本のいいところとして、バックナンバーを任意で刷り足すことができるので、一度描いたものをスペースに置き続けることができる、という点があります。
せっかく描いたものは多くの人に見てもらいたいので、今まではできる限りバックナンバーを揃えるようにしていました。それが物理的に不可能になってきたので、オフセット中心に移行することを考えたのですが、ダウンロード販売を始めたことでバックナンバーを揃え続けることができるようになり、問題の一部を解決することができました。
それと、ダウンロード販売を始めてから、多くの方に作品を買っていただいて、ダウンロード販売で買って下さる方々に対する思い入れも強くなりました。
それにより「バックナンバーを揃えておける場所」としてダウンロード販売を捉えるのではなく、「ダウンロード販売で買って下さる方のために作品を作りたい」という欲求も沸いてきました。そこで作ろうと思ったのが「涼宮ハルヒさんはオシッコを飲むのが大好きみたいです。」です。
最初、これはダウンロード販売のみの予定で、同人誌として頒布することは考えていませんでした。
でも、作業をしているうちに「時期的に冬コミで出すこともできるんじゃないか?」と思うようになり、「だったら、プリントアウト本で出そう」と考えました。
つまり、今までとは考え方の順序が逆で、「ダウンロード販売用の作品を作り、それを同人誌としても出す」という形なんですね。
そして結果として、今回の冬コミで「プリントアウト本中心」に逆戻りする、ということになりました。
でもこれは「発展」で。僕は、作品の作り方として「プリントアウト本」「オフセット本」「ダウンロード販売」という三つの軸を獲得できたのだと思っています。
ダウンロード販売は、描いたら即発表することができます。
プリントアウト本は、短いページ数でもどんどん描いて形にすることができます。
オフセット本は、印刷屋さんにお願いするので安定した本作りができます。
これら三つの発表形式を、作品毎に選んだり活用したりすることで、より早く、描きたいものを形にしていくことができるのではないかな、と感じます。
・具体例
例えば。
僕はどうしても長い話を描くことが多いのですが、この三つの発表形式を活用することで、以下のようなことができるかな、と思っています。
キョンと古泉の格闘技バトル漫画、「虹」ですが。
・20ページずつくらいペン入れ&仕上げをしてプリントアウト本として頒布していく。
・60ページずつくらいまとめてオフセット本にしていく。
・完結したら全ページまとめてダウンロード販売を開始する。
こう考える理由として、僕の漫画を描く集中力は20ページ前後が一つの区切りだと感じていることがあります。一気に何十ページも描くことはなかなか難しいので、「プリントアウト本」という形式を使うことで、自分の描きやすいページ数でどんどん描くことができると思うんですね。
でも、プリントアウト本で「虹」を描いていくと、バックナンバーがおそらくは10種類くらいになってしまう。それをイベントの度に刷って製本するのは現実的ではない。
だから、バックナンバーはある程度までにしておいて、ページ数がたまったらオフセット本にしてまとめる。
オフセット本は刷って売り切ったら終わりだから(再版しない場合)、最終的にダウンロード販売にして作品発表を続ける。
この形を、実際にやってみようと思っています。
次のイベント参加予定は「COMIC1☆4」なので、そこでプリントアウト版「虹」Vol.1を出したい、と考えています。
「BabyDog」や「涼宮ハルヒさんはオシッコを飲むのが大好きみたいです。」は違った形で。
両方とも20ページ前後を一つの発表単位とすることは一緒なのですが、「BabyDog」はダウンロード販売ではカラー化することを考えていて、カラーのエロイラストもつけて成人向けにしていくつもりです。
作品自体にチャレンジ要素が多いので、いろいろ模索してみたいと考えています。
「涼宮ハルヒさんはオシッコを飲むのが大好きみたいです。」は、そもそもがダウンロード用描き下ろし作品という捉え方なので、カラー漫画20ページ前後で描いてダウンロード販売をしていって、それをモノクロ化してプリントアウト本として発表する、ということで考えています。
この二作品のオフセット化に関しては、様子を見つつ。「愛体験」の1~3のオフセット化もまだできてないし…。オフセットに関しては悩みつつ考えていきたいと思います。
というか、「涼宮ハルヒさんの危険な愛体験」の1~3、オフセット化をまずしようかな。
4の在庫がまだあるうちに。
1~3のオフセットはA5サイズで、ということになると思います。準備を進めていって、具体化したら改めて告知させていただきますね。
・当日感じたこと
表現方法や発表スタイルが僕の中で過渡期を迎え、今後に向けての形が定まりつつある中での冬コミでしたが、とても意義のある参加となったように思います。
特に大きかったのは、「BabyDog01」の持って行った分が完売したことでした。
オリジナルで、SMをテーマにして、だけどエロ無しで、お話を読んでもらうことに特化したスタイルの作品なので、どれだけ受け入れてもらえるか未知数でした。
もちろん、その時完売したことで終わりではなく、読んでもらって、どう感じてもらえるかがあって、受け入れていただけるのかどうかが決していくわけですが。
少なくとも、読んでいただくためのハードルをそれだけ越えることができた、というのはとても大きな喜びです。
楽しんでいただけて、「BabyDog02」もまた楽しみにしていただけたら、と願わずにおれません。
「BabyDog」は、僕が描いたものですから、当然僕はこの作品を大事に思っています。
だけど、冬コミで実際に多くの方に受け入れていただけたことで、「あ。もっと大事にしよう!もっともっと自分の作品として愛を注ごう!」と思いました。
作品を受け入れていただける、ということは、やはりとてつもなく大きな出来事です。
毎回、いつでもそうなのですが。
作品を買っていただく度に、受け入れていただく度に、教えられること、与えられるものは、ものすごく大きいです。
作品は、やっぱり、読んで下さる方と一緒に作るものですね。本当にありがたいです!
僕は僕の表現を追及するため、描くものに偏りがあります。
今回、その際たるものは「涼宮ハルヒさんはオシッコを飲むのが大好きみたいです。前編」だったと思います。
これもまた、多くの方に買っていただきました。ありがとうございました!
maepyさんからは「またひどいテーマのもの描いて」みたいに言われたりして。彼は同類だと思っていたからちょっと意外だったんだけど、でも、それはそれだけ個性を持って表現している、ということにもなるのでしょうね。
僕の中からは、あまりにも普通に出てくるものだから、自分では「またこんなの描いちゃった」なんてことは全然思わないんだけど。自然に普通に描いて、それを「またこんなものを」と言われるっていうのは、自分が迷うことなく描きたいものを描いている証拠なんだろうと感じて、嬉しい気持ちになりました。
山崎しんのすけさんともお話していて、「直球で描く(書く)」というテーマの話になって。野球に例えて「俺はいつも速球を投げるけど、キャッチャーやバッターには投げてないのかも。いつもとんでもない方向に投げているのかも」と話して。山崎さんは「確かにだんちさんのは『まっすぐ』ですよね」と仰って下さって。
そんな会話をしていて、僕はずっとまっすぐを投げ続けているんだろうな、と思って。
で、それがどんな暴投であったとしても、キャッチしてくれる人がいる。
キャッチしてもらえたら、それは暴投ではなくなるのかもしれない。
そうしたら、僕はピッチャーでいられる。
また「まっすぐ」を投げよう。「描こう」というモチベーションを与えてもらえる。
描きたいように描きたいものを描く。
でもその情熱は、読んで下さる人に与えていただいている。
漫画を描く者として、確実に僕は幸せなんだと感じます。
もっともっと「まっすぐ」を投げたいし、キャッチして欲しい。強く、そう思います。
描きたいものはなんだって描きたい。
少しでも多くの人に見てもらいたいから、参加できるイベントがあったらどんどん出たい。
そうやって思うと、やはり今年のテーマは「ガムシャラ」ということになるんだろうな、と感じます。
やれることは全部やる。
その上で、描いたものが少しでも楽しんでいただけたら、これ以上の喜びはありません。
去年は、「7days fuzz」や「涼宮ハルヒさんの危険な愛体験」を完結させて、「燃え尽き」だとか言ってましたが、何をバカなことを言ってたんだ、と思ってしまいます。
燃え尽きる時は死ぬ時だ。
そんくらいの気合いで、今年は漫画を描いていきたいと思います。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします!
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
ではでは、またです!
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コメント
お久しぶりでコメントします。冬コミお疲れ様でした。
是非お会いして色々と話したかったのですが都合によりお会い出来なかったのが残念です。
今回お願いして新刊をお渡しさせていただいたのですが無事届きましたでしょうか? 不躾な方法とは思いましたがどうしてもお渡ししたかったので。
今回自分としては参加したことにより色々とやる事が多いと改めて気付かされるものとなりました。いい意味でプレッシャーかかりまくりなのですが(苦笑)
本年もよろしくお願いいたします、次回はお会い出来る事を期待してますので。
追伸・年賀メールをYahooで送ったのですがとどきましたでしょうか?
投稿: 蔵人 | 2010年1月 7日 (木) 03:16
蔵人さん、こんばんは。改めまして明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします^^
メールの方は無事届いております。
以前、届かなかったことありましたもんねぇ^^;
新刊の方、わざわざ手配していただき、ありがとうございました!
ありがたく頂戴させていただきました。
お会いできなくても、こうしてお気遣いをいただき、とても嬉しいです^^
今回はお会いできなくって残念でしたが、また次の機会には、是非いろいろとお話ししましょうね!
>いい意味でプレッシャーかかりまくりなのですが(苦笑)
プレッシャーと闘うと、猛獣のようになるよね。
作品を作る人間だからこそ味わうプレッシャー、是非、苦しんで楽しんで、そして苦しんで下さい(笑)
お互い、血反吐とかいろいろ吐きつつ、作品作っていきましょー^^
ではでは、またです!
投稿: だんち | 2010年1月 9日 (土) 19:03