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2011年1月 8日 (土)

「描き切る」ことの話。

 こんばんは、だんちです。
 昨日の記事で書いていたこと、「作品を描き切ることは、読んでくれる人を信じきることだ」という話の続きを、ちょっと書こうかと思います。

 その前に。昨日、書き忘れていたことを。

◆冬コミにて頒布させていただいた新刊ですが、搬入した分はおかげさまで完売しました。ありがとうございました!
 持っていった既刊のほとんども完売となりまして。多くの方にお手に取っていただけて、本当に嬉しいです!

 ただ、1時過ぎにはほぼ何も無い状態になってしまいまして。お昼過ぎ以降にいらして下さった方には、新刊などを見ていただくことができず、申し訳ありませんでした。

 プリントアウト本は任意に増刷ができます。イベントの度に刷り足して持って行きますので、次のイベント参加の機会に、是非またスペースまで遊びに来ていただいて、見ていただきたいと念願しております。
 どうぞよろしくお願いいたします!

◆ところで。
 今年は、ブログをどんどん更新していって、いろいろ語りたいなぁと思ってるんですね。
 それは、ちょっと深夜のラジオ的な「微エロトーク交えつつのオッサン語り」みたいなのができたらいいなー、という思いつきからだったのですが。
 「漫画を描き切るということは、読んでくれる人を信じきることだ!」みたいなテーマになってしまい、「あれ!?」という感じであります。根が語りたがりなので仕方ないっすね…。
 こうなったら、「エロ」と「漫画」を語る。そんな感じで今後取り組んでいこうかな、と思います。

 で、今回のエロは、昨日のお礼絵の綾乃のおっぱいの辺りのアップということで。
 「続きを読む」以降に、アップしておきますね。

おっぱい

 どーん。

 これ、シャーペンで下書きしたものをスキャンしてあって。それをコミスタでペン入れしてイラスタで色塗りました。
 イラストスタジオ。年末にアップデートがリリースされてたんだけど。一昨日やっとアップデートできて。
 けっこう変わった感じで、新しいソフト使うみたいで楽しかった。僕にはとても使いやすいです。
 また、カラーもいろいろ描いていきたいです!

◆で、「作品を描き切ることは、読んでくれる人を信じきることだ」ということなんですけど。
(参照:昨日の記事
 「描き切る」という感覚は、なかなか得られないのではないか。
 というところまででした。

 全体的に感覚の話なので、正直ゴールも見えてない語りなんですが。
 自分的に大きな発見だったので、続けて言葉にしていきたいと思います。

 いろんなことにもありうる感覚なのではないか、と思えることなわけですけど。
 それは、「正解が無い」というものに起こりうることなのかな、と思います。

 漫画は、白い紙に一本一本線を引いて作品にしていきます。
 最近はモニター上だったりもしますけども。どっちにしても、何も無いところから生み出していく。
 正解があれば、埋めていけばいいだけなわけですが、そういうものではない。
 逆なんですね。
 描いたものが正解になっていく。

 それはそれで単純な話なのですが、描いたものは読まれなければならない。
 「描いたものが正解なんだ!おら!」と描いてみたところで、読まれなければ、楽しんでもらえなければ、その作品は完成しない。正解が出ず、宙に浮いてしまう。(「不正解」という結論は不適切だと思い、こう定義します)

 描いて、楽しんでもらって、正解となる。

 というプロセスが成り立つとして。

 ここで、「小賢しい」ってヤツが出てきるわけです。逆算するんですね。描く時に。

 先に「正解」を設定しちゃうんです。「こうだったら楽しんでもらえるだろう」「こうすれば一定以上の楽しみにはなるはずだ」って。
 そうなると、前述の「埋めていく」作業になっていくんですね。

 これは、実は間違いではありません。
 マーケティングと似たような発想だし、結果、楽しんでもらえるなら、大正解です。

 ただ、僕の場合、僕の今回の新刊の場合、「マニアックなテーマの作品」というもので、それを「描きたくて描く」という初期衝動があったんですね。
 これを逆算含みで描くと、衝動の部分が死ぬというか、ハンパになっちゃうと思うんです。
 実際、小賢しい思いを持ちながら「~オシッコ~後編」を描き始めた時点では、どうにもなかなか描き進められなくて。
 逆算だから、先に「正解」を設定しようとしてたんだけど、言い訳めいた説明というか、「どう描いたら分かってもらえるだろうか?」をうんうん唸りながら考える感じになってしまっていたんですね。

 そういう性質の作品ではないのに。

 で。
 僕は「描き方が違っていた」と気づけて(それは、以前「7days fuzz」を描き切った経験からだと思います)、振り返ってみるとそれは、自分が「正解設定」をしようとしていたんだな、と。
 気づいてからは、「描いたものが正解だ!」という思いで描き進めていって。
 描き終わった時に、
 「描き切った!」という感覚を得ることができました。

 「描き切る」は、この流れで言葉を換えると「正解を出す」ということになるんだと思います。

 正解設定しようとして悩んでいたのに、それをやめて描いたら正解が出た。

 もう本当に感覚なんですけど。描き切った後に思ったことなんですけど、
 「あ、俺、これを読んでくれる人のこと、信じて描いたんだ」って。

 自信満々っていうのと違うんですけど、全然不安も不満もなかったんですね。描いたものに。
 持ってる力は全部出せた。
 信じるっていうのは、疑わないってことだから。逆算をやめた時点で、疑わなくなったってことだったんだと思います。

 その疑い、不安は「伝わらないかも」「楽しんでもらえないかも」「拒絶されるかも」という、自分の自信の無さが勝手に生み出したものです。
 何かを描く時はいつだって、不安になる。
 技術的な部分だったり、ネタ的な部分だったり、いろんなところに不安になったりビビッたりするけど、詰まるところは、読んでくれる人を信じきる強さが自分に無い、という根本的な自分の心の問題。

 今まで、このブログでも描いてはアップし描いてはアップし、を繰り返してきましたけど、自分の中で「漫画を苦手になりたくない」という気持ちがあったんですね。なんでそういう風に思っていたのか。
 その根本に、やっと手をかけられた気がします。

 こうなると。

 もっと描いてはアップし、をしたくなります。

 描いて、見てもらうことは成長に繋がる。と思っていましたけど、こんなに大きなことを学べるとは思っていませんでした。
 見て、読んで下さっている皆様のおかげです!
 なんかもう、自己完結感いっぱいで勝手に盛り上がってすいません。
 でも、本当にありがとうございます!

 これからも、ブログ、同人誌、ダウンロード販売、商業誌、いろいろと描いていきますので、是非また見てやって下さい!

 感覚の話で、上手く言葉にできたか分かりませんが、ここまでとさせていただきます。
 また、何か思いついたり補足したくなったら、改めて書きますね。

 それでは、今回はこの辺で。
 またですー!

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コメント

あけましておめでとうございます。
本年もだんち様のブログを楽しく拝見させて頂きたいと思います。
でも、無理せずマイペースで気楽に頑張ってください。

はてさて、今回の『描き切る』というテーマはなかなか興味深いもので、一気に読ませて頂きました。これはマンガのみならず小説にも言えることですね。
描き切るのは本当に難しい。だって必ず途中で息切れするから。
読んでくれる人を信じないと描き切ることはできない、ですか。
なんとなく分かりますが、確かに説明はしにくいですね。
読み手の立場で考えたとき、途中になっているものが投げされたままになっていれば、真剣に読む気にはならないですもの。「ああ、この作者は中途半端な書き手だ」と思っちゃいますから。
名前は伏せますけど、昔は週刊誌で連載していたのに、途中から季節誌になって、それでも続けられず、商業誌に下書きどころかネームを載せているような漫画家がいますけど、本気であれはどうかと思ってしまってます。載せる出版社も出版社だけど。
私は、正解を求めるって訳じゃないですけど、これも似たような考え方だと思うのですが、「自分で自分の作品がつまらないと思えば、見る側もつまらないと考えるのは当然なんで、まずは自己満足でいいから、自分が『面白い』と思えるものを作ろう」という気概で描いてます。『面白い』モノであれば、途中で投げ出しませんし、投げ出さなければ必ず完成しますものね。読み手側も『つまらないもの』は途中で見るのを止めますから。

なんか、偉そうなこと言って申し訳ございません。
それでは、繰り返しになりますが今年も頑張ってください。

では☆


追伸 そう言えば新年早々、寝込んだようですが具合は大丈夫でしょうか? 体調管理にどれだけ気を配っていてもどうにもならないときもありますし、大事に至っていないなら何よりです。

投稿: あまぎ | 2011年1月 9日 (日) 07:55

虹書ききってくださいよ^^;

投稿: 名無し | 2011年1月11日 (火) 14:51

>あまぎさん、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします^^

長文を読んでいただいて、コメントありがとうございました!
面白いテーマだと自分でも感じつつも、なかなか上手く言葉にできず、難しいものですね。

僕が今回書いた「描き切る」は、「完結させる」、「最後まで描いて完成させる」、ということとは少し違う意味合いのものなんですね。
「全力を出し切る」という意味に近いかと思います。
持ってるものを全部出す。とか。そういう感じですね。

》商業誌に下書きどころかネームを載せて

僕は、それで喜ばれるならそれも「正解」だと思います。
それが商業の場で起こるのは、面白いことだし、だからこそ「正解が無い」ものなんだと感じます。

「自分が何を面白いと思うのか」は、追求すべきテーマですね!
そこをしっかり追い求めていくことで、今回僕が書いたような「描き切る」つまりは、全力を出し切って、やり切ることの一つのとっかかりになるようにも思います。
良いヒントをありがとうございました!

お互い頑張って、いろいろと描いていきましょうね!^^

励ましのお言葉と、体へのお気遣いのお言葉、ありがとうございます。おかげさまで熱も下がり、順調に快復しております。もうちょっとで全快しそうかと^^
自分的には、体調崩すまで「やり切った」満足感もあるのですが、でも、体調管理にはやはり気をつけたいと思います!

改めて、今年も「妄想界の住人は生きている。」をよろしくお願いいたします!

ではでは、またですー^^

 
>名無しさん

揚げ足を取られるのは悲しいので、良かったら応援して下さい^^

投稿: だんち | 2011年1月12日 (水) 21:43

今回の記事、大変参考になりました。
どうもありがとうございます。

投稿: 1.60 | 2011年1月13日 (木) 19:01

>1.60さん、こんにちは^^
長い記事を読んで下さってありがとうございます。
参考になったとのことで、お役に立てたのでしたらとても嬉しいです!

投稿: だんち | 2011年2月 1日 (火) 10:00

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