「消失」の「世界改変」について語り合う古泉とキョン。その1。
こんにちは、だんちです。
企画ブログにアップしていたネタです。
*****(企画ブログに書いた文章)*****
昨年末頃から、「涼宮ハルヒの消失」にて長門が行った世界改変について「こうなんじゃないか?」「ああなんじゃないか?」とあれこれツイートしていました。
そもそもの発端は「長門はなぜハルヒからジョン・スミスの記憶を消さなかったのか?」というツイートを目にしたことでした。
古泉は超能力に目覚めたことを忘れていた。
だから改変期間外の記憶は内容をいじれなくても忘れさせることはできるっぽい。
じゃあなんで?
そこで閃いたのが、「キョンが時間遡行して過去のハルヒと会う」という
みくるセッティングの行動が、長門の改変を決定的に妨害したのではないか。というものでした。
そこから脱出プログラムの作成へと繋がったのではないか、と。
今回、その考えを少しまとめ、古泉とキョンが会話している形で文章にしてみました。
まだ途中ですし、後になって「あれ?違うかな?」と思ったら変えることもあるかもしれませんが、
これはこれで面白いんじゃないかな、と思ってアップしてみました。
ツイッターで書いていたことが考え方の出発点、ベースにはなっているのですが、
より精度が高くなり(自分的には)、それに伴い表現もいろいろ変わった部分があります。
ただ、発想自体は変わっていませんので、どう考えが整理されたのかも見えるかもしれません。
若干意味不明のことを書き連ねることになりますが、会話形式ですし、ネタもの二次創作として
楽しんでいただけたらいいな、と思います。
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「続きを読む」以降にアップしました。
「こんにちは。副団長です」
「団員その一です」
「さて。まずは僕達がいかなる存在か。その前提をお話しなければなりません」
「『涼宮ハルヒシリーズ』の登場人物だろ?」
「僕達はこれから長門さんが行った『世界改変』について語り合うのですが、それを作中の登場人物として進めていくのは少々窮屈です。なので僕達二人は『涼宮ハルヒシリーズ』の原作読者にしてアニメ視聴者。作品を俯瞰した立場で見ることができる存在として定義したいのです」
「二人のコスプレイヤーがしゃべっている、って感じか」
「その通りです!僕等のあり方についてご理解いただいたところで話を進めたいのですが、僕は長門さんが行った改変と、その後に行われた再改変について気になることがあるのです」
・気になります
「気にすんな」
「いえ、気になります」
「そんなことより、おっぱいの話しようぜ」
「確かに、あなたが今どなたのおっぱいをイメージしているのか、知りたいところではあります」
「そりゃ」
「朝比奈さん。そう答えるでしょう。しかし実際にあなたの脳裏に浮かんでいるおっぱいがそうであるかは分かりません。もし別の誰かのおっぱいであるのならば、それはどなたのおっぱいなのか。あなたの周りの女性のお名前を一人ずつ挙げて検証していくことにしましょうか」
「改変のこと、気になるな」
「気になるんです。では続けます。長門さんは12月18日から365日遡って世界を改変しました」
「そうだな」
「世界と、そこに住む人の記憶も。です」
「そういうことだな」
「だから改変から見て三年前の七夕の日のことを涼宮さんは覚えていた。改変時間の範囲外だったからです」
「そのおかげで俺は鍵をそろえることができた。ホント冷や汗もんだったぜ」
「三年前のことを覚えているのなら、僕は改変された世界でも『超能力者』だったことを覚えていなければおかしいんです」
「ん?そうなのか?」
・古泉の「超能力発現」の記憶
「いいですか?長門さんが言うところの涼宮さんの『情報爆発』により僕は超能力に目覚め、その自覚を得ました。未来人はその『情報爆発』、彼女達は『時間震動』と呼んでいましたか、その時より前には遡れないと言っています」
「ふむ」
「そうなると、朝比奈さんによってあなたが連れて行かれた三年前の七夕は『情報爆発』『時間震動』より後、ということになります。僕が超能力に目覚めたより後のこと、ということです」
「じゃあ、あの時は既にヘンテコな能力に目覚めちまっていたハルヒが、あの宇宙文字を書いたってわけか。怖ろしい……」
「いえ。書いたのはあなたです。あなただから良かったのかもしれません。もし本当に涼宮さんが書いていたら、世界は大変なことになっていたかもしれませんね」
「……今、心の底からゾっとしたぜ」
「あなたは何度世界を救ったのでしょうか。心からの賛辞をお送りしたいところなのですが、話を先に進めます」
「へいへーい」
「涼宮さんがジョン・スミスとの出会いを覚えているのが、改変時間範囲外の出来事であることが理由である場合、僕も超能力に目覚めたことを覚えていてもいいはずなんです」
「確かに」
「しかし、改変世界での僕はあなたに『超能力者だった』ことを言われても、どうも覚えていなかったようです」
「とっさに嘘をついたのかもしれないぜ。自分は超能力者だ!と思っていたら、ある日から『そうではない』ということになっていたんだ。恥ずかしくて悶絶したことだろうよ」
「確かに、僕ならばそれくらい機転の利いた嘘のリアクションを取れるかもしれません。自分の中の記憶が噛みあわない不条理に悩んでいたところ、あなたが現れた。瞬時にあなたの言葉が正しいと判断した僕は、涼宮さんとのあの生活が壊される結末を正しく理解し、そうはならないよう芝居を打った」
「お前は頭の中だけはよく回るからな。俺は目が回ってばっかりだ」
「しかし、『忘れてしまっていた』というのが自然でしょう。もし覚えていたら、例え妄想と思われようとも、涼宮さんにその体験、しかも涼宮さんと大いに関わりのある体験を話していたことでしょう。退屈そうな彼女をなんとか笑顔にしようとして。ね」
「頭は切れても所詮はオスってわけだ」
「おや、何やら言い方にトゲがあるような気がしますが、まあいいでしょう。ともかく、僕は自分が超能力者であったことを忘れていたとします」
「しかし、それはおかしいってことなんだろ?」
「ここで一つ、前提条件を整理しましょう」
・前提条件
「というと?」
「僕達は長門さんが行った改変やその後の再改変について話し合っているわけですが」
「ほぼお前が一人でしゃべってるけどな」
「事実がどうであったかを検証することは不可能です。何せ僕達にとってはまだ発見もされていない理論やテクノロジーを持った未来人、存在基盤自体がまったく異なる宇宙的存在。そういった未知や不可思議な存在が行った出来事について語っているのですから」
「じゃあ、全部『すごいねー』『不思議だねー』で片付くってわけだ」
「その通りです。僕達がしていることは『物語の中の出来事を実際にあったことのように論証しようとする行為』に近いといえるかもしれません」
「そのまんまじゃねぇか!」
「作中の人物に『この時は実際どうだったのか?』とインタビューすることもできません。検証ができないのですから、最終的には仮説を立てることしかできません」
「新刊もまだだしな」
「どこまで話し合ったところで、それは全て『仮説』でしかありません。しかし、『比較的整合性があるように思われる仮説』を導き出すことで、作中のキャラクターの行動や発言にどのような意味があったのか、その内面はどのようなものであったか、を推し量り、さらに作品を楽しむことができます」
「それが前提条件ってことか」
「そうです。仮説しか立てられないのですから話を進める前提もまた作中の出来事から導き出した仮説ということになります」
「こうかもしれない。だったらこうなのかもしれない。と『かもしれない』を重ねていくってことだな」
「そういうことです。そこで、僕は『超能力者であったことを忘れていたのかもしれない』という仮説を前提に話を進めていきたい、というわけです」
「話戻った!」
・「ジョン・スミス」の記憶は消せなかった?
「長門さんの改変は365日の範囲しか行われなかったわけですが、僕の『かもしれない』を前提にすると、改変範囲の365日以前の記憶に関しても『忘れたことにする』ことは可能なの『かもしれない』わけです」
「あぁ、なるほど。そういうことか」
「改変範囲外の出来事をなかったことにはできなくても、記憶の上書きはできる『かもしれない』。にも関わらず、涼宮さんはジョン・スミスのことを覚えていた」
「そうか……ハルヒのヤツそんなに俺のこと……」
「改変者の長門さんが、ジョン・スミスの記憶に手をつけられなかった可能性があるということです」
「そのおかげで俺はポニーテールのハルヒを拝めたんだ。長門ありがとう!」
「お礼を言うべき相手は朝比奈さんかもしれません」
「ん?なぜだ?」
「時間が分岐したかもしれないからです。三年前の七夕の日に。あなたと涼宮さんが出会ったことで」
「分……岐?」
「それをしたのは誰か?そう、朝比奈さんです。朝比奈さんはあなたと涼宮さんを出会わせることで時間を分岐させたのです」
「よく……わからん」
「前提を端折った上で仮説だけを先に述べているからです。しかし先に仮説を打ち立てて、それを裏付ける仮説を埋めていくことで思考もしやすくなります」
「確かにあの七夕での出来事は何やら意味不明だとは思ったが。なんで俺とハルヒが会うことで時間が分岐するんだ?」
「いいですか?まず、あなたと涼宮さんが出会った高校一年生の春。涼宮さんはあなたに『どこかで会ったことがある?ずっと前に』と言っています。これは彼女がジョン・スミスと出会っていて、その面影をあなたに見たということでしょう」
「中学生のハルヒは生意気だったな。まぁちっこくって可愛かったけど」
「しかし、この時点ではあなたは三年前の涼宮さんとは出会っていません」
「そうだ。俺が三年前に行ったのはその二ヶ月後だからな」
「そうなると、この時点で涼宮さんが出会ったジョン・スミスはあなたでなくてもいいことになります」
「なんだって?そんなわけないだろう俺は実際会ったんだし」
「涼宮さんは暗がりだったためあなたの顔を見ていません。三年前のことなので声も正確には覚えていないようです。しかも高校入学時に涼宮さんと出会った段階でのあなたはまだジョン・スミスと名乗っていない。だったらジョン・スミスは誰でもいいんです。長門さん流に表現するならば『数値が入力されていない』状態なんです。ジョン・スミスがあなたである未来が固定していない」
「ハルヒはジョン・スミスには会ったが、俺には会っていない……ということか」
「ジョン・スミスは変数なんです。例えば、あなたが朝倉涼子の教室での襲撃で見事に殺されたとします」
「見事とか言うな」
「五月に殺されたあなたは七月を迎えられず、三年前の七夕には行けない。しかし涼宮さんがジョン・スミスと出会うことが規定事項ならば、未来人はあなたに似た誰かを雇うなりして地上絵を手伝わせたでしょう。もちろん自分達の正体は隠して、そうですね『親戚の女の子の遊びに付き合ってやってくれないか?中学生になるんだが七夕に夢を見ている可愛い子でね』とでも言って」
「そんな無茶な!俺が死ななくて七月に時間遡行して過去のハルヒと会うことこそが規定事項だったんだろ?」
「未来が分岐していて固定されていないことを、あなたは眼鏡少年の命を救ったことで知っているでしょう?」
「確かに……」
・時間が分岐
「むしろ、おかしなことなんです。今お話した眼鏡少年の件の時、朝比奈さんはこう言いました『未来の人間がダイレクトに干渉するのは、ものすごく厳密に制限されている』『過去を変えるのは、その時代に生きている人じゃないとダメ』と」
「そうだ。だから眼鏡くんは俺が助けたし、宇宙文字を書く時は朝比奈さん(小)は眠っていた」
「あなたは、三年前の涼宮さんと出会い『未来の人間』として『ダイレクト』に『干渉』したんです。あなたは『その時代に生きている人』ではなかったはずです」
「……そうだった。実際俺はそのことが気にかかっていてツジツマが合っていないのでは、と思っていたしな」
「そこで仮説を置くわけです。それだけ、未来人にとってあなたと涼宮さんを会わせることが重要だった。とね」
「運命はそこまでして俺とハルヒを出会わせたかったんだな」
「変数が入力されたんです。あなたが三年前に遡行して涼宮さんと出会うことで」
「誰が変な数やねん!」
「これで時間が分岐しました」
「……え?何?」
「変数が入力され、あなたがジョン・スミスになったことで最初にお話していた三年前の七夕とは別の三年前の七夕が生まれたんです。一つ目は『ジョン・スミスが誰だか分からない七夕』二つ目は『ジョン・スミスがあなたである七夕』です」
「ええっ?そんっ……な、ことで?分岐?」
「変数が未入力の時間と変数が入力されている時間は別々のものです。分岐したと考えないとおかしいんです」
「じゃあ、そこからの時間の流れは二つあるってことか?」
「時間平面理論で言えば流れではなく積み重なりですね。三年前の七夕の時間平面が二つ別々に存在して、それぞれ時間平面を重ねていく。未来の人間が直接過去に干渉すると、この分岐がどんどん増えていくのかもしれません」
「ちょっと待てよ。俺達はもう朝比奈さんという未来人に会ってるぜ?それじゃあ俺達の時間はどんどこ分岐しまくってることになるじゃないか!」
「そうなります。しかし分岐は平行世界ではないので一つになっていくのだと思われます。小さな分岐はそれこそ一瞬で一つになるのでしょうし、あまり考慮する必要は無いのかもしれません」
「乱暴な話だな……」
「長門さんがTPDDについて述べていた『不確かで原始的』ということや『許容範囲のノイズ』がそのことかは分かりませんが。ただ未来人達は『禁則』という形で分岐を抑えるなんらかの処置を施しているようです。それもテクノロジーの一つなのでしょう」
「じゃあ、朝比奈さんと触れ合ったり、それこそ寝ている間にチューしたとしても分岐は生まれない?」
「寝ている間ならそうかもしれませんね」
「そうか……(ジュルッ)」
・分岐は改変を妨害するため?
「未来人は分岐をある程度抑えられるとして。ところが、あなたには禁則はかかっていません。未来のテクノロジーやルールの影響を受けないあなたが時間遡行をして過去に干渉したことは、歴史的大事件だと言えるのかもしれませんよ」
「そう……だろうな。というか普通に考えたらそりゃそうだよな……」
「そのあなたが生んだ分岐ですが。三年後の七夕、あなたが時間遡行から帰って来た時に一つになったと思われます」
「マジで?そうか。それならちょっと一安心だな」
「その戻り方が問題です。どのように帰還されたか覚えていますか?」
「あぁ。朝比奈さん(小)がTPDDをなくして、俺達は長門に時間凍結されて、三年間ずっと寝ていた。起きたら三年後の七夕だった。無事帰って来れたんだ。何が問題なんだ?」
「あなたが三年前の涼宮さんと出会って、ジョン・スミス変数が入力され時間が分岐した。しかし、あなたがその直後にTPDDで三年後に帰還していたらどうだったでしょう」
「何も変わらないんじゃないか?」
「いいえ。あなたが三年前にいたことで分岐した時間平面はあなたが帰還した瞬間、元の時間平面の重なりに集束したかもしれないのです」
「どっちみち一つになるんだ。いいじゃないか」
「改変よりも前に集束してしまったら、わざわざ分岐をさせた意味がないんです。長門さんの改変を完成させないために、あなたを三年前に送り込み時間を分岐させたのであれば、その分岐は維持されなければなりません」
「そのために、大人版朝比奈さんはTPDDを取り上げて、俺達を三年前に置いてけぼりにした……のか?」
「ジョン・スミスがあなたであるという分岐した時間平面には、あなたが長門さんのマンションで眠っている時間平面が重なり続けていきます。つまり分岐は三年後の七夕まで確実に続くのです」
「三年経って俺が目を覚ました時に……」
「分岐は一つに集束したと思われます。三年後の七夕から先は、ジョン・スミスはあなた以外はありえないからです」
「目を瞑った次の瞬間には三年後だったんだ。その一瞬にそんな意味があったとは……」
「さて。ではこの分岐が長門さんによる改変を完成させないための妨害工作だったとして、なぜこのことによって改変が成功しなかったのか。そのメカニズムを……つまりそこにはまる『仮説』を考えなければいけません」
(続く)
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(↓も企画ブログに書いた文章です)
「ジョン・スミス」が変数で、それの入力によって時間が分岐する、という発想はツイッターであれこれ書いている時にはありませんでした。
ジョン・スミスの時間軸についてツイートした時、フォロワーさんから「最初キョンと会った時、ハルヒ言ってましたよね。『会ったことある?』」って」という内容のリプをもらって「そういえば! 」と思ったところから「ジョン・スミスは変数」という発想が浮かびました。
時間平面の考え方は猪君に教えてもらったし、「古泉が超能力者になったことは改変されていないはずなのに、彼はそれを忘れている」ことを指摘したのも猪君だったと記憶しています。
いろんな発想に触れ思考が刺激されると、どんどん考えを進めることができて楽しい!!ホント嬉しいしありがたい!
思考の旅はまだ続きますし、この後「仮説」がどうなっていくのか、まだ整理されていませんが、
思考を刺激して下さって皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
ありがとうございましたーっ!
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結局まだ続きを書けていませんが。思いついたらまたあれこれ書いて楽しみたいと思います!
ではでは、またです!
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